【視聴者数=HP上限】の呪いスキルで俺だけダンジョン配信デスゲーム 〜同時接続数ゼロで死亡! 投げ銭でHP回復!!

フーツラ

文字の大きさ
3 / 53

3話 なんか違う

しおりを挟む
 秋葉原ダンジョン二階。遠くに見えるのはアイドル配信者の橋本マリナ、らしい。俺の視力では米粒にしか見えない。

 カメラマンのような男が二人ついている。稼げるようになると人を使えるのかぁ。羨ましい。

「うわぁ。取り巻きが二人もいますよ? これ、絶対にピンチになんかならないでしょ? 俺が近づいたら追い払われるんじゃないですか?」


『駆け出し配信者の癖に計算するな! とにかく突っ込め!』
『スタッフにボコられるとこ見てぇ!!』
『視聴者欲しいなら冒険しろ!!』
『とにかく頑張ってください! 死ぬ死ぬマンさん』


「みんな雑! もっと俺のことを労って!!」


『橋本マリナがスポンサーからもらった武器を試すらしいぞ』
『チャンスじゃん! 乱入ぼ!!』
『マリナの持ってる斧、めっちゃ厳つい』
『あれで叩かれると死ぬな』
『死ぬ死ぬマンさん、ピンチ!!』


「ちょっと待って!! なんで俺がやられる側になってるの!? 調子にのった橋本なんちゃらが浅い階層に現れたイレギュラーモンスターに襲われて! それを俺が助ける流れの筈でしょ!!」

 思わず大声を出してしまった。橋本マリナの撮影スタッフがこちらを見ている。


『おい、マリナの配信に死ぬ死ぬマンの声が入ってるぞ!』
『マリナが怒りだした』
『あーあぁ。死ぬ死ぬマン、南無。マリナ短気だからなぁ』
『ダンジョン内は日本の法律関係ないよ?』
『知ってた? マリナってゴア系アイドル配信者だよ?』


「ちょっと待って!! ゴア系アイドル配信者ってなによ!! 俺はダンジョン攻略ガチ勢の配信しか見ないからアイドル配信者は詳しくないの!!」

 やべえ。調子にのって騒いでいたら、マリナ御一行がこちらに近づいて来ている。絶対怒ってるでしょ、これ。

 それに、背後から別の気配も感じる。きっとグールだ。挟まれたのか……!?

「ちょっとアンタ! 私の配信の邪魔しないでよ!!」

 いつの間に距離を詰めていたのか……。目の前に巨大な斧を肩に担いだ女の子がいる。

「ご、ごめんなさい! 橋本なんちゃらさんのファンなんです!! 感動して騒いでしまいました!!」

「……死にたいよう、ねっ!!」

 ──ドシャッ!! と地面に斧が叩きつけられた。砕けた岩が周囲に飛び散る。

「ひぇぇ! なんちゃらマリナさん!! ごめんなさい!!」

「……決めた。今日はアンタを殺す! スクリーミング・ショウ!!」

 そう叫んだマリナはスイッチが切り替わったように表情を変えた。瞳が赤い。こいつ……やばいな。

 しかし背後からはグールの集団の気配。どうする? 頼みの綱は視聴者だが、今は何人だ?

「ステータスオープン!!」

 脳内にステータスが浮かぶ。


 【 名 前 】 八幡タケシ
 【 年 齢 】 18
 【 レベル 】 1
 【 魔 力 】 10
 【 攻撃力 】 10
 【 防御力 】 10
 【 俊敏性 】 15
 【 魅 力 】 2
 【 スキル 】 配信命
※【 H P 】 312/312


 よっしゃぁぁ! めっちゃ増えてる! これなら一撃ぐらい耐えられるだろ!!

「へいへいへーい! マリナちゃん怒ってるぅー」

 ダンッ! と踏み切る音がダンジョン内に響く。そして眼前に凶々しい斧。しかし──。

 ──カキンッ!!

「「えっ!!」」

 撮影スタッフ二人が声を揃えた。マリナの振るった鉄塊は俺の頭に当たる寸前で止まっている。これがHPの壁だ。一体、どれだけ減ったのか……!?

※【 H P 】 232/312

 全然大丈夫だ。まだまだいける。

「マリナの攻撃しょっぺえ!! ダメージ80しかないよ!!」

 斧を引いたマリナの顔が怒りで歪んだ。

「そんな顔してたらスポンサーが離れちゃうよ!!」

 そう言いながら、くるり踵を返しダッシュ! 流石に連続で攻撃を喰らうわけにはいかない。ここはグール達を巻き込んで乱戦にすべきだ。

 目の前には灰色の肌をした屍食鬼が四体。フラリ、フラリと寄ってくる。

「グールさん! 助けてー!! やばい女に犯されちゃう!」

「黙って死ねぇぇ!!」

 ──ブンッ!! と伏した頭の上を斧が通り過ぎる。体勢を崩し、そのまま硬い地面をぐるりぐるりと転がった。少しHPが減ったかもしれない。

「ウゥゥアァァ!」

 振り返るとグール達とマリナが対峙している。よし! 時間が稼げる! 回復しろHP!! 増えろ視聴者!!

 期待を胸にスマホを取り出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった

椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。 底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。 ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。 だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。 翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。

【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?

嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】  ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。  見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。  大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!  神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。 「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」

【魔物島】~コミュ障な俺はモンスターが生息する島で一人淡々とレベルを上げ続ける~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
【俺たちが飛ばされた魔物島には恐ろしいモンスターたちが棲みついていた――!?】 ・コミュ障主人公のレベリング無双ファンタジー! 十九歳の男子学生、柴木善は大学の入学式の最中突如として起こった大地震により気を失ってしまう。 そして柴木が目覚めた場所は見たことのないモンスターたちが跋扈する絶海の孤島だった。 その島ではレベルシステムが発現しており、倒したモンスターに応じて経験値を獲得できた。 さらに有用なアイテムをドロップすることもあり、それらはスマホによって管理が可能となっていた。 柴木以外の入学式に参加していた学生や教師たちもまたその島に飛ばされていて、恐ろしいモンスターたちを相手にしたサバイバル生活を強いられてしまう。 しかしそんな明日をも知れぬサバイバル生活の中、柴木だけは割と快適な日常を送っていた。 人と関わることが苦手な柴木はほかの学生たちとは距離を取り、一人でただひたすらにモンスターを狩っていたのだが、モンスターが落とすアイテムを上手く使いながら孤島の生活に順応していたのだ。 そしてそんな生活を一人で三ヶ月も続けていた柴木は、ほかの学生たちとは文字通りレベルが桁違いに上がっていて、自分でも気付かないうちに人間の限界を超えていたのだった。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました

夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。 スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。 ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。 驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。 ※カクヨムで先行配信をしています。

アーク戦記〜どこにでもいる貴族の平凡な三男が不老不死になって経験チート!?魔王の娘とイチャイチャしたり女の子と暮らす人生は好きですか!?〜

アイアイ式パイルドライバー
ファンタジー
俺の名前はゼスティ!どこにでもいる貴族の普通の三男!剣も弓も槍も、得意な物が何も無い平均的で特徴の無い男だ!そんなある日、俺の仕えるアーク帝国が滅亡するわ、俺は不老不死になるわ。もー大変!?魔王の娘と良い感じになったり、女の子を子育てしてり、勇者の女の子と一緒に旅をしたり、聖女を助けたり!?なんで平凡な俺がこんな旅をしなくちゃ行けないの〜!?

現世にダンジョンができたので冒険者になった。

盾乃あに
ファンタジー
忠野健人は帰り道に狼を倒してしまう。『レベルアップ』なにそれ?そして周りはモンスターだらけでなんとか倒して行く。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...