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10話 目標
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「ベッドの上からおはよう御座いますー。死ぬ死ぬマンです。今日も死なない為に配信していきたいと思いますー。よろしくお願いしますー。何もやってないただの寝起き配信見てくれて嬉しいすー」
眠たい目を擦りながら脳内ステータスを確認すると、HPは今こんな感じ。
※【 H P 】 143/143
昨日のピークと比べるとかなり減ってしまったが、三桁あるだけでかなりの安心感がある。今ならいきなり銃で撃たれてもたぶん死なない。視聴者様々である。
「グミ、こっちにおいで」
ベッドの端で体育座りをしていたグミに声を掛けると、ぴょんと飛んで俺の横に来た。移動方法がグールである。
「俺が寝ている間、グミは何してたの?」
「ウゥ」
「そうか。ウゥしてたか。ちょっと視聴者さん。誰かコメントでグミが何していたか教えてください」
カメラに向かってお願いすると、コメント欄が流れ始める。
『グミちゃん、死ぬ死ぬマンの匂い嗅いでた』
『あぁ、嗅いでたね』
『あと、壁で爪研いでたよ』
『猫みたいだったよね』
『台所の水道捻ってた』
『なんか冷蔵庫も開けてたね』
『あれ、何を食べてたんだろう?』
ちょっと心配になってきた……。大丈夫だろうか……?
スマホを持ってベッドから起き上がり、リビングに出る。案の定、台所の水は流れっぱなし。冷蔵庫は開けっぱなし。食材は床に散らかりっぱなし。
「グミ! ちょっとこっち来て!」
「ウゥ……?」
何も悪びれることもなく、グミはリビングに現れる。
「まず水道! ちゃんと止めなさい!」
蛇口のレバーを締めたり、緩めたりして仕組みについて理解させる。
「ウゥ……?」
これはまだ難しいか。徐々に覚えさせよう。
「次は冷蔵庫! ちゃんと閉める!」
ピシャリとドアを閉めると、グミは背筋を伸ばした。
「分かった?」
「ウゥ!」
冷蔵庫を閉めることは分かったようだ。
「そして、食べ物! 勝手に食べちゃ駄目!!」
「ウゥ……?」
これは別の教え方の方がいいかもしれない。床に落ちていたウィンナーを拾い、食べるふりをする。そして──。
「痛。痛たたたたた」
お腹を押さえて転がる。
「ウゥ!! ウゥアァウゥ!?」
グミが取り乱した。
「お腹痛い!!」
「ウゥアァァウゥアァァ!」
しばらく転がったあと、息を荒くして立ち上がった。
「はぁ。死ぬかと思ったぜ。危ないから、冷蔵庫のものを勝手に食べたら駄目だぞ!!」
「ウゥウゥ!」
コクコクと頷く。どうやら伝わったようだ。しかしとんでもない散らかりようだ。骨が折れる。
#
やっとリビングを片付け終え、グミと並んでソファに座る。固定カメラがこちらを見ていた。
今日は【死ぬ死ぬマンチャンネル】について、ある報告をするつもりだ。
「さて皆さん! 今日はお話があります!」
視聴者の数は少しずつだが増えている。HPが200を超えた。
「とりあえず始めた【死ぬ死ぬマンチャンネル】ですが、死なないってこと以外、大きな目標がない。これは自分に何が出来るのか、分かってなかったからなんです」
なんか真面目な話って緊張するな。
「昨日、今まで経験したことのない数の視聴者さんに見てもらって気が付いたんです。俺は視聴者さんの期待を物理的に背負って冒険出来るって。だから、大風呂敷を広げます!」
チラリと横のグミを見る。
「クリアしたら何でも願いが叶うと言われている新宿ダンジョンを完全踏破して、グミを人間にします!!」
グミはポカンとしている。コメント欄は──。
『うおおおお! 死ぬ死ぬマンが攻略ガチ勢に!!』
『トップ配信者に殴り込みだぁぁぁ!!』
『いける! 死ぬ死ぬマンならいける!!』
『グミちゃんが……人間に……!!』
『人間をテイム!?』
『許せねぇ!!』
『新宿ダンジョンはそんなに簡単じゃないぞ』
『じゃぁ、今日から新宿ダンジョンに挑戦だね』
『楽しみです!』
『死ぬ死ぬマン、新宿ダンジョンの石碑を信じてるのか……』
一部を除いて、概ね好反応!!
「はい!! 俺はあの石碑を信じてます!! 今から新宿ダンジョンに向かって出発です!!」
あっ……グミの衣装をナース服にしないといけない。
眠たい目を擦りながら脳内ステータスを確認すると、HPは今こんな感じ。
※【 H P 】 143/143
昨日のピークと比べるとかなり減ってしまったが、三桁あるだけでかなりの安心感がある。今ならいきなり銃で撃たれてもたぶん死なない。視聴者様々である。
「グミ、こっちにおいで」
ベッドの端で体育座りをしていたグミに声を掛けると、ぴょんと飛んで俺の横に来た。移動方法がグールである。
「俺が寝ている間、グミは何してたの?」
「ウゥ」
「そうか。ウゥしてたか。ちょっと視聴者さん。誰かコメントでグミが何していたか教えてください」
カメラに向かってお願いすると、コメント欄が流れ始める。
『グミちゃん、死ぬ死ぬマンの匂い嗅いでた』
『あぁ、嗅いでたね』
『あと、壁で爪研いでたよ』
『猫みたいだったよね』
『台所の水道捻ってた』
『なんか冷蔵庫も開けてたね』
『あれ、何を食べてたんだろう?』
ちょっと心配になってきた……。大丈夫だろうか……?
スマホを持ってベッドから起き上がり、リビングに出る。案の定、台所の水は流れっぱなし。冷蔵庫は開けっぱなし。食材は床に散らかりっぱなし。
「グミ! ちょっとこっち来て!」
「ウゥ……?」
何も悪びれることもなく、グミはリビングに現れる。
「まず水道! ちゃんと止めなさい!」
蛇口のレバーを締めたり、緩めたりして仕組みについて理解させる。
「ウゥ……?」
これはまだ難しいか。徐々に覚えさせよう。
「次は冷蔵庫! ちゃんと閉める!」
ピシャリとドアを閉めると、グミは背筋を伸ばした。
「分かった?」
「ウゥ!」
冷蔵庫を閉めることは分かったようだ。
「そして、食べ物! 勝手に食べちゃ駄目!!」
「ウゥ……?」
これは別の教え方の方がいいかもしれない。床に落ちていたウィンナーを拾い、食べるふりをする。そして──。
「痛。痛たたたたた」
お腹を押さえて転がる。
「ウゥ!! ウゥアァウゥ!?」
グミが取り乱した。
「お腹痛い!!」
「ウゥアァァウゥアァァ!」
しばらく転がったあと、息を荒くして立ち上がった。
「はぁ。死ぬかと思ったぜ。危ないから、冷蔵庫のものを勝手に食べたら駄目だぞ!!」
「ウゥウゥ!」
コクコクと頷く。どうやら伝わったようだ。しかしとんでもない散らかりようだ。骨が折れる。
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やっとリビングを片付け終え、グミと並んでソファに座る。固定カメラがこちらを見ていた。
今日は【死ぬ死ぬマンチャンネル】について、ある報告をするつもりだ。
「さて皆さん! 今日はお話があります!」
視聴者の数は少しずつだが増えている。HPが200を超えた。
「とりあえず始めた【死ぬ死ぬマンチャンネル】ですが、死なないってこと以外、大きな目標がない。これは自分に何が出来るのか、分かってなかったからなんです」
なんか真面目な話って緊張するな。
「昨日、今まで経験したことのない数の視聴者さんに見てもらって気が付いたんです。俺は視聴者さんの期待を物理的に背負って冒険出来るって。だから、大風呂敷を広げます!」
チラリと横のグミを見る。
「クリアしたら何でも願いが叶うと言われている新宿ダンジョンを完全踏破して、グミを人間にします!!」
グミはポカンとしている。コメント欄は──。
『うおおおお! 死ぬ死ぬマンが攻略ガチ勢に!!』
『トップ配信者に殴り込みだぁぁぁ!!』
『いける! 死ぬ死ぬマンならいける!!』
『グミちゃんが……人間に……!!』
『人間をテイム!?』
『許せねぇ!!』
『新宿ダンジョンはそんなに簡単じゃないぞ』
『じゃぁ、今日から新宿ダンジョンに挑戦だね』
『楽しみです!』
『死ぬ死ぬマン、新宿ダンジョンの石碑を信じてるのか……』
一部を除いて、概ね好反応!!
「はい!! 俺はあの石碑を信じてます!! 今から新宿ダンジョンに向かって出発です!!」
あっ……グミの衣装をナース服にしないといけない。
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