【視聴者数=HP上限】の呪いスキルで俺だけダンジョン配信デスゲーム 〜同時接続数ゼロで死亡! 投げ銭でHP回復!!

フーツラ

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47話 逃亡生活

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「くっそっ! 重たい」

 新宿ダンジョン11階。俺は転移部屋の脇にある岩をひっくり返していた。ずっと同じ動作を繰り返しているせいで、酷く身体が重い。

「えっ! この岩に隠してたんじゃないの! 一体、どれよ? もうバッテリー切れちゃいそうなんだけど!! めっちゃ焦ってます!!」

 本当は予備のバッテリーがあと三個ある。しかし、視聴者が差し入れしてくれたんだ。演出は大事。


『その横の大きい岩だよ!!』
『本当に差し入れしたのかよ……』
『差し入れ詐欺……!?』
『死ぬ死ぬマン、視聴者を疑うの?』
『死ぬ死ぬマン騒ぎで新宿ダンジョンめっちゃ混んでる』
『いいから、さっさと岩をひっくり返せよ!』


「うっ……おおおおっっ……!!」

 両脚を開いて踏ん張り、地面と岩の間に指を突っ込んで一気に背筋を使う。

 コロンと転がった大岩はダンジョンの壁にぶつかって鈍い音を立てた。

 地面に掘られた窪みに黒いビニール袋。ドラッグストアでセンシティブな商品を買ったときに使われるやつだ。一体、どんな差し入れなのか……!?

「ありました! 視聴者さんからの差し入れです!! 早速開けてみますね!!」

 首のアクションカメラを下に向け、ビニール袋の中を映す。

「カメラのバッテリー四つと、プロテインバー四つ!! あとエロ本!! ありがとうございます!! 後で皆んなで読みましょう!!」

 グミとマリナがパーティーから離れてお色気要素が減ってしまったからな。エロ本朗読会は新しいコンテンツだ。現代人は紙の雑誌を読むことがないので、意外とエロ本配信は訴求力がある。


『おい、死ぬ死ぬマン! のんびりしてると奴等が来るぞ!』
『今、奴等のチャンネルで11階に向かうって言ってた!!』
『早く逃げて! 死ぬ死ぬマン!!』
『いや、もう殺ってしまった方がよくない?』
『それが難しいから逃げるんだろ?』
『タケシちゃん! 急いで!!』


 クソ。また奴等か。本当に鬱陶しい。

 転移石が青白く光、シルエットが三つ浮かび上がる。

 それは徐々に実体化し、姿を現す。

「見つけたぞ! 死ぬ死ぬマン!」
「今度こそは逃がさないぞ!」
「ダンジョンの秩序は俺達が守る!」

 赤、青、黄のコスチュームに身を包んだ三人が、俺のドローンカメラに向かってポーズをとる。

「「「ダンジョン戦隊ボウケンジャイ、見参!!」」」

 よし。隙アリ。逃げよう。

 完全に無視して転移部屋から駆け出す。

「待て!」
「卑怯だぞ!」
「ちゃんと戦え!」

「五月蝿え馬鹿! 人のカメラに向かってポーズ取ってんじゃねぇ!!」

 一瞥もせず、怒鳴りながら走る。

 攻撃を仕掛けているらしく、背中のHPの壁がカキン! カキンと音を立てて何かを弾いている。


『ボウケンジャイ! 拳銃撃ってるぞ!』
『戦隊ヒーローにあるまじき凶行!』
『死ぬ死ぬマンより、奴等を逮捕しろよ!』
『あのコスチューム、身バレ防止のためだろ!』
『まぁ奴等、実質殺し屋だし』
『手榴弾来るぞ!!』


 目の前の地面に小さなパイナップルが転がる。

 ──ボンッ!! と爆発が起き、黒い煙が視界を奪う。

 構わず進もうとすると目の前には壁だ。すぐ近くで足音がする。もう追いつかれた……!?

 煙幕が晴れると、俺を囲むように三人が身構えていた。それぞれが手に怪しいアイテムを持っている。

「お前の弱点が状態異常だってことは分かっているんだ!」
「大人しく俺達に捕まれ!!」
「悪は滅びるのだ!!」

 どうする……!? モフモフ化で解除出来ないステータス異常を喰らうと、詰んでしまう。ここはステータス・スワップでぶん殴って切り抜けるか……? しかし、拳銃で撃たれたら……。

 考えがまとまらない。

 三人はジリジリと距離を詰めてくる。もうやるしか──。

「待てぇ!!」

 ダンジョンに声が響く。見ると、新たに三人のシルエット。

「何者だ!」
「邪魔をするんじゃない!」
「死にたいのか!!」

 ボウケンジャイが凄んだ相手は仮面を付けた三人組だった。
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