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異世界との繋がり
お使い
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「ルーメン、重くないの?」
「当然重い」
「ははっ! 重いかっ!」
ニコは俺が背負うリュックをパンパン叩きながら、嬉しそうにする。リュックの中には故障した魔道具がいっぱいに詰まっている。
「タマコって遠いの?」
「多摩湖まではかなりある。何泊も野宿することになるだろう」
アンスラのお使いというのは、故障した魔道具を修理に出してきて欲しいというものだった。依頼先は多摩湖にいるというドワーフ。アンスラと同じように異世界と繋がる穴に結界を張っているらしい。全く、ファンタジーで面倒なお使いだ。
しかし、アンスラの水着配信がかかっている。視聴者の期待感はすごい。全世界のファンタジー好きが注目していると言っても過言ではない。俺はお使いを完遂するしかないのだ。
中野の森を抜け、なんとか西武新宿線と思しき線路の跡を見つけた。これを辿っていけば東村山までは行ける筈だ。そこまで行けば多摩湖も近い。
「ルーメン、このセンロってやつは何なの? よく見るけど」
そうか。ニコは電車が動くところを見たことがないのか。年齢を考えると母親も同じく知らなかったのかもしれない。
「この鉄の棒があるだろ? この上をあの電車ってのが走ってたんだ」
「あぁ、あそこに転がってる四角いやつだな。あれは入ったことあるぞ。椅子しかなかった」
ニコは線路脇に横転したまま放置されてなる電車車両をつまらなさそうに見つめる。
「あれは人を運ぶ為のものだからな。余計なものはないんだよ。もしあの電車が動いていたら、多摩湖にだって今日中についた筈だ」
「へええぇ。それは便利。ルーメンのスマホを当てたら動き出すんじゃないのか? あの電車」
「……そんなことはないだろ。ないよな?」
ニコの言葉にハッとした。俺の持つスマホとカメラはこの世界のルールから外れて電気で動いている。しかも常時充電満タン。それを他の電化製品に転用できる? 今までは勝手に出来ないものだと思い込んでいたが……。
「ちょっと試してみよう」
横たわる電車の扉をこじ開け、車内に飛び降りる。ニコはキャーキャー言いながら落ちてきた。楽しいらしい。
中は意外なほどに綺麗で特に荒らされた形跡はなかった。締め切られた空気が生温く、少々息苦しいぐらいだ。
「何するの?」
「まぁ、見とけ」
車輪の照明部分のカバーを外すと、今はもう光ることのない直管LED灯がある。
「少し離れてろ」
「うん」
アクションカメラを下に置いてその上にLED灯の片側をのせる。まだこの時点では反応はない。そしてLED灯のもう一方にスマホを近づけると──。
「光った!!」
強烈なLEDの光が電車内を照らす。近距離で光を浴びたせいで視界が点滅する。
「凄いな! ルーメンのスマホとカメラは!!」
離れていたニコが駆け寄り、俺の背中を叩いて興奮している。興奮するとすぐ人を叩く癖はオーガの血が原因か?
「あぁ。まさかこんなことが出来るとは。他のものも試したい。ちょっと民家の家電を漁りながら旅をしよう」
「楽しそう! 賛成する!!」
多摩湖への旅は使える家電探しというもう一つの目的を加えて続くことになった。
「当然重い」
「ははっ! 重いかっ!」
ニコは俺が背負うリュックをパンパン叩きながら、嬉しそうにする。リュックの中には故障した魔道具がいっぱいに詰まっている。
「タマコって遠いの?」
「多摩湖まではかなりある。何泊も野宿することになるだろう」
アンスラのお使いというのは、故障した魔道具を修理に出してきて欲しいというものだった。依頼先は多摩湖にいるというドワーフ。アンスラと同じように異世界と繋がる穴に結界を張っているらしい。全く、ファンタジーで面倒なお使いだ。
しかし、アンスラの水着配信がかかっている。視聴者の期待感はすごい。全世界のファンタジー好きが注目していると言っても過言ではない。俺はお使いを完遂するしかないのだ。
中野の森を抜け、なんとか西武新宿線と思しき線路の跡を見つけた。これを辿っていけば東村山までは行ける筈だ。そこまで行けば多摩湖も近い。
「ルーメン、このセンロってやつは何なの? よく見るけど」
そうか。ニコは電車が動くところを見たことがないのか。年齢を考えると母親も同じく知らなかったのかもしれない。
「この鉄の棒があるだろ? この上をあの電車ってのが走ってたんだ」
「あぁ、あそこに転がってる四角いやつだな。あれは入ったことあるぞ。椅子しかなかった」
ニコは線路脇に横転したまま放置されてなる電車車両をつまらなさそうに見つめる。
「あれは人を運ぶ為のものだからな。余計なものはないんだよ。もしあの電車が動いていたら、多摩湖にだって今日中についた筈だ」
「へええぇ。それは便利。ルーメンのスマホを当てたら動き出すんじゃないのか? あの電車」
「……そんなことはないだろ。ないよな?」
ニコの言葉にハッとした。俺の持つスマホとカメラはこの世界のルールから外れて電気で動いている。しかも常時充電満タン。それを他の電化製品に転用できる? 今までは勝手に出来ないものだと思い込んでいたが……。
「ちょっと試してみよう」
横たわる電車の扉をこじ開け、車内に飛び降りる。ニコはキャーキャー言いながら落ちてきた。楽しいらしい。
中は意外なほどに綺麗で特に荒らされた形跡はなかった。締め切られた空気が生温く、少々息苦しいぐらいだ。
「何するの?」
「まぁ、見とけ」
車輪の照明部分のカバーを外すと、今はもう光ることのない直管LED灯がある。
「少し離れてろ」
「うん」
アクションカメラを下に置いてその上にLED灯の片側をのせる。まだこの時点では反応はない。そしてLED灯のもう一方にスマホを近づけると──。
「光った!!」
強烈なLEDの光が電車内を照らす。近距離で光を浴びたせいで視界が点滅する。
「凄いな! ルーメンのスマホとカメラは!!」
離れていたニコが駆け寄り、俺の背中を叩いて興奮している。興奮するとすぐ人を叩く癖はオーガの血が原因か?
「あぁ。まさかこんなことが出来るとは。他のものも試したい。ちょっと民家の家電を漁りながら旅をしよう」
「楽しそう! 賛成する!!」
多摩湖への旅は使える家電探しというもう一つの目的を加えて続くことになった。
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