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番外
少年のお泊りデート 1
しおりを挟む――修学旅行が終わって、日曜日。
「隼人……?」
「ふふっ、迎えに来たよ。」
夕方ごろ、急に家に隼人がやってきた。
迎えに来たと言われても、何のことだかさっぱりで首をかしげる。
「約束、忘れたの?」
「え? けどそれ……明日だろ?」
約束は修学旅行の代休に隼人の家に行くことだろ?
忘れてないけど、まだなはずだ。
「よかった、覚えてたんだね。
で、それ今からじゃダメ?」
「いま……から?」
今から……ってことは、隼人の家に泊まる……ってことだよな?
隼人、一人暮らしだから迷惑は掛かんないと思うけど……
「お兄ちゃん、ご飯……って、隼人君!」
「こんばんは、梨央ちゃん。」
迷っていると、家の中からひょっこり出てきた梨央。
隼人に気づくと一気に笑顔になり、楽しそうに話をしている。
……梨央、猫被りやがって。
「ねえ、隼人君。どうせならご飯食べていかない?」
「うーん、どうしよっかな……」
しかも、隼人の方も誘われて迷うそぶりを見せている。
ちらりとこちらを見てくる目は、「どうするの?」って言ってる。隼人が策士過ぎて逃げ道がない。
「っ……梨央、俺隼人の家泊まるから、母さんに言っといて。」
「えぇ!? 今言うの、それ!
絶対お母さん怒るじゃん!」
「いいから!」
梨央にそれだけ告げて、隼人の手を引いて家を出た。
「ふふ、よかった。」
「っ何がだよ。断らせる気ないくせに……!」
「?、断る気あったの?」
嬉しそうにほほ笑まれ、にらみながら言えばまた笑いながら聞かれる。
その質問にうっ、とつまり、少しうつむく。
「ほら、やっぱり。なかったんでしょ?」
「っ……!」
したり顔の隼人を見て、顔が熱くなる。
ぜ、全部お見通しなのかよ……!
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