世界の果てで生きていく

れむ

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果てる時は唐突に

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「ゆい!起きて!!」

それは、恵咲中学校の修学旅行先での出来事だった。
時間は6時30分、集合は6時45分。やばい時間なのに、やけに冷静な自分がいた。

「ん、おはよ~。やばいね。着替えに歯磨きに荷物整理…昨日整理しとけばよかったわ~。」

「そんなこと言う暇あるなら急いでよー!私何回も起こしたよ!?」

七瀬るか。るかは、毎日うるさい。

「るかは起こしてないでしょ~。うちがおこそーとしてあげてたんを自分の手柄にしない!」

「へいへーい」

花湯 蒼。あおは委員長で頭がよい人気者。
委員長とわからない位のうるささ。まぁるかよりはマシだろう。

着替えを済まし、パッと歯磨きをする。35分。
荷物を整理する。42分。
急いで行けば間に合う。急ごう。


_________ごめんなさぁい…

44分。間に合ったが、「5分前集合」がモットーの担任に怒られてしまった。
まぁ、怒られるのも青春ってことでいいでしょ。

外にバスがもうついているそうなので、外に三年団で向かう。
目の前にバスが見えた。バス前で一旦待機すると言うことになり
同じ班のるか、あおを雑談を交わす。すると、とある生徒の声が聞こえた。
そこまで話したことはないかな、確か「田中 れい」

「せ、せんせーマジ、やばいです…テロかなんかで乱闘が…。
 私攻撃されたんです!!め、めっちゃっ、痛くてっ…バスに、避難しましょ…う!」

ざわつき始めた。左を見ると、人が人に襲いかかっている。
これは本当にバスに避難したほうがいいかもしれない。

「ね、ねぇ…あれ、みえる?」

あおはそう言って遠くを指差した。だが、私とるかは目が悪い。

「なーんも見えへんわ…」

「私もなんもみえない!」

なんだかあおは、深刻で少し暗い顔をしていた。

「やばいかも、こっから逃げよ。走ってついてきて…」

あおが急にそう言う。そう言われても、バスに避難する方が安全そうだし…
でも、あおを一人で行かせるわけには行かない。だから私は

「しお、るみ、みく。走ってついてきて!」

仲がいいが、同じ班になれなかった3人に言う。

「え、なんで!?」
ーいいから。
「えー、、わかった。」

「ん」
ー行こ…。

走り出したあおについていった。
しっかり走って。でも、荷物が重たい。息が切れる。
先生の声がした。

「どこに行くの!待ちなさ…」
「キャーーーーー!」
途中で途切れる先生の声と、悲鳴が聞こえた。
本格的にやばかった。乱闘の中を突っ走るのは、本当に怖い。
避けて、走っての繰り返し。

何分走っただろう。みんな疲れ果てた時、あおがいった。

「そ、そこの家…。に、二階に玄関がある家、はいろ…」

息が切れて途切れ途切れの言葉。
そして私は驚いた。

「ふっ…不法侵入やん!!…あかんて!!」

一方四人は、疲れ果てて、言葉も出ない様子だった。

「いいから!!!入んないと私ら死ぬ!!」

「死ぬ」と言う言葉で少し恐怖を覚える。確かに乱闘は死なんてどうでもいい
と言ったように、無差別でやられている。死人も出ているだろう。
渋々、軽く頷く。そして階段を登り、あおが玄関付近の窓を壊し、はいる。
そして、鍵を開けてくれた。ドアノブを押し、中に入る。
電気はついていない、留守だった。みんなで、家にあるものを使い
玄関にものを置き塞ぎ、窓を頑丈にしていく。
一息つき、ソファに座る。

「はぁ…これ、なんなんだろ。テロにしては、やる人多いよね」

るか と あおはどこからか取り出したスマホで何かを見ている様子。
私も持ってきていたスマホを出し、TikTokを見る。
ダンスする動画、動物の動画、ネタ動画。
有力な情報はない。そう思いながら画面を眺める。
すると、あおが口を開いた

「…これ、テロじゃない、かも。世界中で起こってるって……
 それに、攻撃された人も、攻撃し始めるらしいの、だから…」

ゾンビ。そんな言葉が頭にチラつく。絶対にない。
映画や漫画、小説の世界だけの話だと自分に言い聞かせる。

続いて汐(しお)が
「ゾンビ…アンデッド…。これ、やばいね。バスに乗ってたら今頃…」

考えたくもない。疲れた。Googleマップで避難所を探す。

「…ぉ」

画面に映る場所。

・レイコウコンポレート 科学物質を扱うところ。

・旭柄高校 何て読むのかわからない。高校だ。

近いのは高校、とりあえず高校に行くのがいいんだろうか?

「どしたー?」
私の掠れた声に気づいたるかが画面を覗く。

「レイコウコンポレート…?あさひがらこうこう?」

どうやら、あさひがら高校と読むらしい。

「ん…避難できそうだなって…」

そういうと、るかは満遍の笑みになった

「ほんま!!!???よかったぁ…!!じゃ、明日か、食糧が少なくなってきたらいこ!」

「うち的には食糧、飲料が少なくなってからが合理的やと思う」

「…ぁ…?」

るみが掠れた声を出す、涙を流していた。

「どうしたん?」

そう聞くも、るみは泣くだけ。
そうすると、みくがいう。

「恵咲中学校も、恵咲高校もやばいってさ…俺らどーなるんやろね。」

みくも、涙を堪えている様子だった。
それも仕方がないだろう。大切な後輩、大好きな先輩がいるんだ。

私は、目の前が真っ暗になった。

「今日は、ご飯食べて寝よう。」
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