ぜんぶ夏のせいだ

ハーミ

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4. 知るということのジレンマ

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 僕は悩んでいた。悩むは適切な表現ではないな…。何も考えられずにいたという方が正しいだろう。

 僕は志乃の方を見るや否やすぐに目を背けてしまっていた。

『何よ!?人の顔を見たと思ったら視線をすぐ横にずらして! もしかして私に関する何かイヤラシイことでも見たの!?』

 志乃は顔を赤くしながらちょっと怒ったような感じで言ってきた。

 僕もできるならそういうイメージを頭の中に流して欲しかった。でも全然違う。言おうにもためらってしまう。悲しい感情が浮き彫りにでてる描写だったんだから。

『イメージは見た。でも今は言えない。今日はちょっと帰らせてくれないか』

 考える時間がないとどうすれば良いのかも分からない。今日は家で考えておきたい。

『本当にイヤラシイことではないんでしょうね。でもそんな煜を見るのも初めてだし、今日は解散しようか?』

『そうだな。なんか俺らが煜に触れさせたばかりに変なことになったんだもんな』

 2人は申し訳なさそうに集まりを解散させてくれた。

『2人のせいじゃないよ。ありがとう。話せることはまた話す。あと志乃のイヤラシイこと見れたら良かったな~。うん、今回は残念だ』

『ん?ひ・か・るくーん?』

 この後、先ほどの優しさはなかったかのように凄い目に遭わされた。

    *



 僕は家に帰った後布団の上に倒れむように寝転んだ。

『あんなイメージ見せられてどうすればいいんだよ~』

 もしあのイメージが本当ならば志乃にはあまり聞かせたくないことじゃないかと考えてしまう。
言ったら志乃がこれから不安を抱えて生活していかなければならないかもしれない。

……ん?
 
 目をつぶって考えている間に、目の前に何か気配を感じた。目を開けるとそこには妹の詩帆が上から見ていた。

『うわっ!! びっくりした。なんだどうしたんだ?』

『それはこっちのセリフだよ。帰ってくるなり足に重りをつけて歩いてるかのように階段を上がって行って、部屋覗いて見ればなんか小さい声で呟いていたんだもん。心配になるよ』

 …詩帆の言う通りだな。今の僕はそんな感じなんだよな。思い切って詩帆には言ってみるか。

『実はな………』
 
 今日の出来事について詳しく説明した。その後、詩帆は不思議そうな顔で言ってきた。

『なんで志乃さんや皆が泣いていたんだろうね。大勢が悲しむなんて誰か死んだのかな?』

『?!』

 もし仮にそうだとしたら、亡くなったのは志乃の知っている人。親族か、または友達か……。

 もしかしたら僕か弥のどっちかかも知れない。昨日にトキツレ草が見せた夕御飯の料理は全部一致していた。なら今回も本当に誰かが亡くなる可能性は高いのではないか。

『………?!』

 知っていれば未然に防げるかも知れない。志乃の周りでの出来事ということは確かだ。志乃にもやはりこのことは伝えといた方がいいような気がする。

『お兄ちゃん。あまり未来が見えるとかそういうことあまり信じられないけど、そのことが本当なら、志乃さんにも言っといた方が良いと思う』

 そうだよな。例え誰も死なないにしても、言っといて損はないはず。すぐ伝えに行くか!

『詩帆ありがとう。ちょっと志乃のとこ行ってくるわ』

 そうして僕は志乃の家に向かって急ぐように走り出した。


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