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始まりの森
第4話
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「…ふわぁ~」
薄暗い森に日が差し込み始めた頃、寝心地の悪さで痛めた身体を、ようやく起こした。ゴーレムは昨晩と変わらず、棍棒を握り締めて護衛をしてくれていたようだ。
「すっかり熟睡してしまったなぁ…外敵が来なかったとはいえ、油断しすぎたな…今日はスキルの確認もしつつ、しっかりとした拠点を建てたいな。というかゴーレムって消えたりしないのか…?」
寝床から這い出て、のそのそと柔軟をして身体をほぐす。
ぼーっとゴーレムをみていると、ふと思いついた。
「はっ!もしかしてゴーレムに斧なんかを持たせれば、小枝だけじゃなく木を切ってくれたりするかな…?」
思いつくや否や、ゴーレムが手頃なサイズの枝と石を運んできてくれた。
早速その素材を使って、まずは手斧を作ってみることにした。
枝の片側に穴をあけ、平たく割った石を嵌め込み、蔦で巻いただけの簡単な手斧だ。
作った手斧をゴーレムに渡し、木を切り倒してくるように命じると、開けた外周部分に生えている木に向かっていった。
「うーん…俺はこういう技術とか道具は覚えてるんだなぁ…というか、切り倒しても丸太は重くて運んで来れないんじゃないか?しまった…。まぁ、その事は後で考えよう。まずはスキルだな、もう1体くらい出てくれると助かるんだけどな…唱えてみるか…クリエイトゴーレム!!」
すると次の瞬間、妙な感覚と引き換えに、全く同じ見た目をしたゴーレムが現れた。
「おぉ!よし!発動した!」
思わず小踊りしそうになるほど嬉しかったが、ちょうどその時、
バキバキ…ズドン‼︎ と木の倒れる音が、手斧を持たせたゴーレムの方から聞こえてきた。
「うぉ!?びっくりした…もう切り倒せたのか、タイミング良いな!一緒に丸太を運んできてくれ!」
そう命令するともう一体のゴーレムも倒れた木の方へ向かい、2体で丸太を運びに向かっていった。
「そういえばさっきの妙な感覚はなんだったんだろう…何かを手繰り寄せるような…。よくよく考えれば何の対価も無しにゴーレムの作製ができるって訳でもない可能性が高いな…何か身体の中の力を消費してるのかもしれないなぁ…うーむ…。」
スキルについて、2体目を作製できたことで、なんとなくだがわかったことがある。
このスキル『クリエイトゴーレム』は、使えば使うほど成長していく能力だ。但し、昨日は一度しか発動しなかったように、回数か消費する力か何かの制限がある。そして更に2つ重要な能力があるようだ…。
とりあえずは、この2体はこのまま何本か丸太を集めてもらうとするか。
俺はその間に、斧以外の道具を作ってみよう。
昨晩と同じく木の実や魚で軽く食事を済ませ、集めた素材から色々と道具を作ってみた。
石のナイフや、ピッケル、籠や鉈など、採取に使える道具や、木剣や槍、弓矢といった狩りに使えそうな物も幾つか用意できたので、これを身につけられるように紐でゴーレムの腰に括り付けて、すぐに切り替えれるようにしておいた。
「よし、これで色んな素材を手に入れることができるようになったな。折角だから夕食探しも兼ねて、一度探索に出てみるか!」
ゴーレムを呼び戻して籠を背負わせ、自分は先ほど作っておいた木剣と石のナイフ、弓矢を腰に括り付けたら準備は完了だ!
「いざ、しゅっぱーつ!!」
ワクワクを抑えきれずにどんどん進んでいく俺は、昨日のことなどすっかり忘れて、森の奥へと入っていくこととなる。
薄暗い森に日が差し込み始めた頃、寝心地の悪さで痛めた身体を、ようやく起こした。ゴーレムは昨晩と変わらず、棍棒を握り締めて護衛をしてくれていたようだ。
「すっかり熟睡してしまったなぁ…外敵が来なかったとはいえ、油断しすぎたな…今日はスキルの確認もしつつ、しっかりとした拠点を建てたいな。というかゴーレムって消えたりしないのか…?」
寝床から這い出て、のそのそと柔軟をして身体をほぐす。
ぼーっとゴーレムをみていると、ふと思いついた。
「はっ!もしかしてゴーレムに斧なんかを持たせれば、小枝だけじゃなく木を切ってくれたりするかな…?」
思いつくや否や、ゴーレムが手頃なサイズの枝と石を運んできてくれた。
早速その素材を使って、まずは手斧を作ってみることにした。
枝の片側に穴をあけ、平たく割った石を嵌め込み、蔦で巻いただけの簡単な手斧だ。
作った手斧をゴーレムに渡し、木を切り倒してくるように命じると、開けた外周部分に生えている木に向かっていった。
「うーん…俺はこういう技術とか道具は覚えてるんだなぁ…というか、切り倒しても丸太は重くて運んで来れないんじゃないか?しまった…。まぁ、その事は後で考えよう。まずはスキルだな、もう1体くらい出てくれると助かるんだけどな…唱えてみるか…クリエイトゴーレム!!」
すると次の瞬間、妙な感覚と引き換えに、全く同じ見た目をしたゴーレムが現れた。
「おぉ!よし!発動した!」
思わず小踊りしそうになるほど嬉しかったが、ちょうどその時、
バキバキ…ズドン‼︎ と木の倒れる音が、手斧を持たせたゴーレムの方から聞こえてきた。
「うぉ!?びっくりした…もう切り倒せたのか、タイミング良いな!一緒に丸太を運んできてくれ!」
そう命令するともう一体のゴーレムも倒れた木の方へ向かい、2体で丸太を運びに向かっていった。
「そういえばさっきの妙な感覚はなんだったんだろう…何かを手繰り寄せるような…。よくよく考えれば何の対価も無しにゴーレムの作製ができるって訳でもない可能性が高いな…何か身体の中の力を消費してるのかもしれないなぁ…うーむ…。」
スキルについて、2体目を作製できたことで、なんとなくだがわかったことがある。
このスキル『クリエイトゴーレム』は、使えば使うほど成長していく能力だ。但し、昨日は一度しか発動しなかったように、回数か消費する力か何かの制限がある。そして更に2つ重要な能力があるようだ…。
とりあえずは、この2体はこのまま何本か丸太を集めてもらうとするか。
俺はその間に、斧以外の道具を作ってみよう。
昨晩と同じく木の実や魚で軽く食事を済ませ、集めた素材から色々と道具を作ってみた。
石のナイフや、ピッケル、籠や鉈など、採取に使える道具や、木剣や槍、弓矢といった狩りに使えそうな物も幾つか用意できたので、これを身につけられるように紐でゴーレムの腰に括り付けて、すぐに切り替えれるようにしておいた。
「よし、これで色んな素材を手に入れることができるようになったな。折角だから夕食探しも兼ねて、一度探索に出てみるか!」
ゴーレムを呼び戻して籠を背負わせ、自分は先ほど作っておいた木剣と石のナイフ、弓矢を腰に括り付けたら準備は完了だ!
「いざ、しゅっぱーつ!!」
ワクワクを抑えきれずにどんどん進んでいく俺は、昨日のことなどすっかり忘れて、森の奥へと入っていくこととなる。
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