囀ずりは死の洗礼

ことりや鳥天

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6.頑張れ!セイバー!

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「やめろ!セイバー!!じっとして!小さくなってカゴの底に伏せるんだぁ!」

ベムは 大声で叫ぶ!
ベムは老猫ザイチと暮らしていたことがあり、猫は動く生き物に過剰に反応することを知っていた


ガシャン!ガシャン!

小さなカゴはコロコロと転がる!

ギギギギギー、びびびびび!!!

大人の鳥たちはそれを見て、青ざめ、慌てふためく、大袈裟に 騒ぎ立てて 飛び回った。


ドガッン!ガチャガチャン!!

ガリレオは、それらに振り返ると、挨拶がてらに飛びかかる!

カゴをひっくり返し、飛び乗って、爪に引っ掻けると蹴散らした

ガシャガシャ!!  
ガッシャン、ガッシャン!

しかし、大人たちのカゴには、防護ネットがしてあるため、手を入れることはできない。


「ヾ(゚д゚;)なんと! 大陸の悪魔が現れたぞ!これは緊急事態発生じゃ!下僕はどうした?!下僕を呼べ!!!」

ガラスケースの中から、大暴れするガリレオを眺める。

鳥天の長老、丘ヤドカリのセトササラだ、

ヤシの木を登ったり降りたり、ウロウロとしてみたが、成す術もなく、砂の中へと潜り込んだ。



ガラガラ~~!!ガッシャーン!!


「ねぇ!何が起きてるの!!」

回し車の下の隙間に、ペッタリと くっついて伏せているバニラ。
何も見えない。

「 しっ!いいから顔をあげるなよ!」

自分だけこっそり覗いているブルウはバニラを制す。

すべてのカゴをぶった押して、思いきり暴れたが、それでも中身にはありつけない。

「…ちっ 」
ガリレオは苛立った。

セイバーのところにとってかえると、ひっくり返したカゴを表にむける。


「さあ、そこから出てきなよ。あたしが誰か教えてあげるからさぁ!」

ガシッとカゴを両手でつかむ


「 自分じゃ出れないよ!でも!出れたって出たくないよ!!」

セイバーは怖さのあまり、また大暴れしてバタバタと騒ぎ立てた

「そうかい!じゃ引きずり出してやるだけだ!」

ガリレオは鋭い爪を立て、金網の間からセイバーを襲う

「びびび!!!たすけてぇぇぇ!」

かごはひっちゃかめっちゃかに振り回されるが、はめ込み扉は頑丈で、開くことはない。


「ねえ、セイバー、ヤバくない?」

ガンミは、ひっくり返ったカゴの中、底板の間で心配そうにしている。

ベムはぐっとガリレオを睨む

「よし、みんなで騒いで、こっちに気を引くんだ!」

「うん、下僕たちが帰るまで時間を稼ごう!」

チョコたちは羽をひろげた

ぺーぺー!ぺーぺー!
ぺーぺーぺー!

大声で鳴きながら、バサバサとカゴの中で飛び回って見せると、

「わーーー!(;´゚д゚)ゞきた」

さすが猫だ!ガリレオの素早い反応は恐れ入る。軽功的な身のこなしにコノハは震え上がるが、

「卵、産んでなくて良かったわ」

カゴをガシガシされながらもニニギはそんなことを呟いている。
雌の方が肝が据わっているものだ。

「おーい!こっちこっち!!」

チョコもバサバサ羽を震わす

よしきた!そっちもか!とガリレオは、カゴに向かって飛びついていく。


カッシャーーン!ゴロゴロゴロ


「いたぁい!塩土が頭に降ってきたわ😒💢💢」

オトは白く美しい体にかかった土を払うように羽ばたく

「なーんだ、大したことないわね~!」

ペーペーぺーぺーーーー!
バカにしたようにガンミが鳴くと

ぺーぺー、ぺーぺーぺーぺー!

廊下の向こうのフロアから、小鳥たちが また一斉に囀《さえ》ずった。

びびびびびーー、ぴぴぴーー!

何も知らずに、いつもの呑気な声援を送っている。


「うるさい!おだまり!」

ガリレオは、これでもか!と、すべてのカゴを、めちゃくちゃに降り飛ばした。
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