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第1章 辺獄妄執譚
第9話 サクリファイス
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変身した咲は、鋭い爪が付いた手で吉備津彦命を切り裂こうと突進した。
吉備津彦命は、それを避けたが
咲は、軽く着地すると、地面を蹴って再び後ろから吉備津彦命の体を切り裂いた。
背中に大きな爪痕が付いた吉備津彦命は、
「そんな攻撃では、今までの奴らと同じ様に
倒すだけだ
お前では、俺には勝てん」
と余裕の表情で炎を纏うと
咲を焼くために手から炎を発射し、
咲の体を焼いた。
だが、咲の体は分厚い外骨格に守られているのでそれを物ともせず、屈強な脚で地面を蹴り、
吉備津彦命の腹を思い切り殴った。
「ぐあッ!」
吉備津彦命が、想定外のパワーに怯むと
咲は、そのまま力の限り吉備津彦命の体を殴り続けた。
「この、この、このッ!
私は、貴方には負けないッ!
この体の完全性を味あわせてあげる!」
そう言うと、咲は吉備津彦命の鱗を殴って砕くと
手の爪で吉備津彦命の腹を引き裂き、
内蔵を掴んで引きちぎった。
「うあああああッ!」
吉備津彦命は、絶叫しながら咲を引き剥がそうと
必死に咲の体を掴んで、遠ざけようとするが、
咲の超人的な力に押し負けて引きはがせずにいた。
そこで、体を纏う炎の熱量を上げて、
咲の外骨格を焦がした。
だが、咲は動きを止める所か、
一気に勝負をつけようといっそう激しく殴り続けた。
「貴様、痛みを感じないのか!」
と吉備津彦命が、必死に叫ぶと
咲は、強い信念を灯した瞳で吉備津彦命を睨みつけて、
「痛みなら、感じるわ、
でも、貴方の炎なんかよりも
ずっと、強力な痛みに私は、今まで耐えてきた
それは、歪な形の愛だったけど
私の体を突き動かす
だから、貴方の炎には屈さない
私の体は彼の醜くも強靭な愛で満たされているから!」
咲は、そう言うと
渾身の一撃を吉備津彦命の胸にくらわせ、
体を貫くと吉備津彦命の心臓を鷲掴みにして引きちぎった。
「ガハッ!」
心臓が抜かれ、苦しむ吉備津彦命に咲は、
その心臓を掴んで破裂させ、血飛沫で、吉備津彦命の目を潰すと、
「誰にも、理解されなくても
たとえ、異常者と罵られても
彼は、己の信念を貫いて
私を作った
その狂気に満ちた可能性の大火は、
貴方の淡い灯火で打ち勝つ事は不可能!
絵本の様な絵空事を叶えるだけの力で
彼の現実を
人類の幸福を砕く事なんて、出来るはず無いのよ!
己の無力さに咽び泣いて死になさい!」
そう言うと、咲は吉備津彦命の顔の位置まで飛び上がると、尋常ではない程の脚力で吉備津彦命の頭を蹴り飛ばし、彼方まで吹っ飛ばした。
ボロボロになった吉備津彦命の死体に見向きもせずに、
咲は、ピキニ・カイカイの焼死体まで歩み寄る。
そして、亡骸を抱くと
涙を流しながら
「ごめんなさい
私、貴方の気持ちをわかっていたのに
自己憐憫に浸って
貴方を悲しませてしまった
もしも、また貴方と話せたら
私は、心からの愛を貴方に伝えるわ...」
とピキニ・カイカイに口付けをすると、
ピキニ・カイカイの焼け焦げた体の表面が砕け散り
「ふあッ!
死ぬかと思った!」
とピキニ・カイカイが起き上がった。
「きゃあああッ!」
と驚いて咲が、頬にビンタすると、
「ぐえッ!」
とピキニ・カイカイが、横に転がって行った。
「ああ!
ごめんね
私、驚いちゃって!」
と咲が、慌てて駆け寄ると
ピキニ・カイカイは、手で頬を撫でながら
「良いんだよ
君が、無事で良かった」
と笑いかけた。
すると、咲は、再び泣き出して
ピキニ・カイカイに抱きついた。
「私、さっき聡に酷い事を
ごめんね
聡は、必死で私を守ってくれたのに
私、最低だよ!」
と言って縋り付くようにピキニ・カイカイを
抱きしめながら言った。
「良いんだよ
たとえ、君が僕を嫌っていても
僕は、君を愛せる
だから、泣かないで
愛する人の涙は、どんな痛みよりも
辛いんだ」
と優しく言うと
咲をピキニ・カイカイからも咲を抱きしめた。
怪物の見た目をした超人的な力を持つ少女を、
ただの小さな女の子の様に優しく。
「ずっと、こうしていたい」
と咲が、心から安らいで言った
その時、
吉備津彦命の体から金色の粒子が飛び出し、
彼の体を再生させた。
そして、先程までよりも龍に近づいた容姿で、
静かに起き上がると
目を瞑って抱き合う二人に近づき、
咲の頭を掴んで持ち上げた。
「あああああッ!」
先程までとは比べ物にならない程の力で
握りしめられ、咲が絶叫すると
「物の怪めえッ!
ここまで、俺をコケにするとは
許さんぞ
俺を倒したつもりだっただろうが
俺が持つ聖遺物の力で何度でも蘇るぞ!
貴様らは、どうやっても俺に殺されるしかないんだよ!」
そう言って吉備津彦命は、咲の頭を握り潰した。
柘榴の様に弾けた頭からは、緑色の体液が滴り、
首から上が無くなった体は、無残に地面に転がった。
「あははははっ!
こんな物では済まさんぞ!」
と吉備津彦命は、咲の体を持ち上げると、
頭の消えた咲の首から背骨を抉り出すと、背骨を放り捨てると、空いたスペースに腕を突っ込んで咲の体を内側から燃やした。
「消えて無くなれッ!」
咲の内側で炎は、白色に光り、咲の体は一瞬で蒸発した。
すると、上機嫌になった吉備津彦命は、
楽しそうにピキニ・カイカイに向かって
「可哀想にな~
せっかく仲直り出来たのに
残酷な話だ
そうだ、ハッピーエンドにしてやろう
あの世で会わせてやる」
そう言って、吉備津彦命は、
掌の上に炎を出して、これで終わりだと言いたげな
キメ顔で言った。
それを、見てピキニ・カイカイは、
両手を挙げて溜息を付いた。
「なんだ、今更降参など
許さんぞ!」
と吉備津彦命が、言うと
ピキニ・カイカイは、呆れて
「良いや、これは君に呆れているんだよ
まさか、咲を倒したと思ってるのかい?」
と言った。
すると、吉備津彦命は、
「はっ!
何を言ってるんだ
跡形も無く消滅した奴がまだ生きてるとでも?
くだらん、時間を稼ぐにしても
もっと、他にあるだろう」
と嘲った。
すると、ピキニ・カイカイは、
それを笑い返して
「いいや、これで良いんだ
咲の回復は早いからね
跡形も無くなっても
数十秒で復活出来る
こんな風にな!」
とピキニ・カイカイが自慢げに言ったが、
吉備津彦命は、最初なんの事かがわからず
はったりだと思った。
だが、そう思って直ぐに
吉備津彦命の体中に無数の小さな穴が空いていった。
その穴は、肉が抉り取られた様な形で現れ、
吉備津彦命は、噴水の様に血を引き出した。
「ぐああああああああッ!」
吉備津彦命は、今までにやられたどんな傷よりも激しい痛みに襲われた。
そして、何よりも甚大な被害を被ったのは、
「何故だ、一体どうやって
俺の体から聖遺物のみを取り出した!
返せッ!」
吉備津彦命は、出血を止めるために人間の姿に戻り、
変身の際に穴を塞ぐと慌ててそう叫んだ。
すると、ピキニ・カイカイの近くに
金色の粒子が現れ、
それが、どんどん集まっていき咲の体が再生された。
「ただいま!」
咲が、元気よくピキニ・カイカイにそう言うと
ピキニ・カイカイが、驚いて
「ああ、おかえり
いきなりで、すまないが何か変わった事は無いか?」
と咲に尋ねた。
「変わった事~?
そう言えば、凄く調子良いよ~
でも、どうして?」
と咲は、首を傾げて尋ねた。
「いや、君が完全に相手に消滅させられた時、
前は、相手の心臓の部分を抉りとる様に体に穴を開けて徐々に肉塊が現れたんだが、
今回は、敵は体中穴だらけになった上に、
君は、金色の粒子が集まって復活した」
とピキニ・カイカイが、言うと
「え!?
なにそれ?
なんでだろ~」
と咲は、不思議そうに言った。
そんなやり取りをしていると、
吉備津彦命は、
「無視をするな!
私の聖遺物を返せッ!」
と再び、半人半龍の姿に変わって襲ってきた。
ピキニ・カイカイは、
「まあ、なんでも良いか
咲、任せて良いかい?」
と咲の頭を撫でた。
「うん、任せて!」
吉備津彦命は、自身の体に炎を纏わせ、
翼で低空飛行し咲に突進したが、
咲は、それを弾き返そうと
吉備津彦命に殴りかかる。
すると、咲の拳から黄金の粒子が現れ、
咲の拳を覆って、鏃の様な形になると
吉備津彦命の体に向かって勢い良くその光が射出された。
「何だと、私の聖遺物を
何故だッ!
それは、私専用だと神が言っていたのに
うあああああああああッ!」
襲いかかる黄金の矢に吉備津彦命は、驚き恐れながら
高速で発射された光に体を真っ二つに切断された。
ピキニ・カイカイは、咲が起こした謎の攻撃に驚きながら
「今のは、どうやったんだ?」
と咲に尋ねたが
咲、自身も驚いて
「わかんない」
と唖然としていた。
だが、少し考えると思い出したかの様に
「あっ!
そう言えば、神様が私に能力をくれた時、
君の力は近くのエネルギーを吸収して体を治す能力だって言ってたっけ
確か、大きなダメージを受ける程、強いエネルギーを求めるとか言ってたよ~な」
と言うと
「なんか、あやふやだな」
とピキニ・カイカイが、胡散臭そうに言うと
咲は、怒って
「むうッ!
何、信じてくれないの!?」
と頬を膨らませて言った。
ピキニ・カイカイは、それに慌てて
「い、いや信じるよ
でも、強いエネルギーか、
君は一体彼奴から何を奪ったんだ?」
とピキニ・カイカイが考え込むと
咲は、
「わかんない
そんな事より、お兄様達に皆の事教えないと...」
と激しい戦闘で頭から抜けていた
仲間の死を悼むと
ピキニ・カイカイは、
「なんだ咲、知らないのか?」
と少しニヤケながら言うと
「知らないって何を」
と咲が少しピキニ・カイカイを睨みながらそう言うと
「だから、君はアイツらはやられた時、
あんなに怯えていたんだな
クリエイターも君には必要無いとは言っても
教えておけば良いものを」
ピキニ・カイカイは、更に笑って
咲に言い
咲は、
「もう、勿体振らずに教えてよ!」
と怒り出した。
それを抑えながらピキニ・カイカイは、
「まあ、そう怒るな
考えてもみろ
私達はここで死ぬとどうなると思う?」
ピキニ・カイカイが、そう聞くと
「え!?
う~ん
そう言えば、どうなっちゃうの?」
と咲は、考え込んだ。
すると、ピキニ・カイカイは、
「わからないか
だよな
私もどうなるか心配だった
そこでクリエイターに聞いて見たんだ
そうしたら、奴は
僕は、神を倒して君達と煉獄の神になった
つまり、君達を自由に出来る
だから、屋敷に君達の復活場所を作った
って自慢げに言ったよ」
と言ってゲラゲラ笑いだした。
「え~!?
凄い!
でも、なんでお兄様は私に教えてくれなかったの?」
と咲が、尋ねると
「君は、死なないから言う必要が無いと思ったんだろ?」
とピキニ・カイカイが、まだ笑いながら言うと
「何それ!
私、ホントに怖かったのに!
もう!
今すぐ、お兄様に文句つけないと!」
と怒り出すと
ピキニ・カイカイは、
「いや、それより
着替えに帰った方が良いんじゃないか?」
と戦闘が終わり普段の姿に戻った咲の服を見て言った。
「え?」
咲が、ピキニ・カイカイの目線の先に目をやると
湿ったスカートに気が付き
顔を真っ赤にして
「誰にも言わないでね!」
とピキニ・カイカイに言うと
ピキニ・カイカイは、武装の袖から
屋敷への転移装置を取り出して
「ああ、早く帰ろう
風邪を引くぞ」
と転移装置を発動しながら
咲をからかった。
「もう!
笑い事じゃなかったの!」
と咲が、怒りながらピキニ・カイカイの手を握り
屋敷へと転移した。
屋敷ピキニ・カイカイの部屋まで転移すると、
「そう言えば、その服の袖どうなってるの?」
とふと、思った疑問を咲が口に出すと
「ああ、これはクリエイターの異空間倉庫に私専用の場所を作って貰ってそこと繋がるように作って貰ったんだ
そんな事より、早く風呂に入りなさい」
とピキニ・カイカイは、咲に言いながら
そう言えば、クリエイターは近くにいたのに
何故、気付いて助けに来なかったんだ?
もしかして他にも敵が?
と考え込むと
「ねえ、せっかくだし
久しぶりに一緒に入ろ~」
と咲が言ってきたので
「え?
しょうがないな~
待っててくれ
今、用意する」
とクリエイターの心配をそっちのけた。
吉備津彦命は、それを避けたが
咲は、軽く着地すると、地面を蹴って再び後ろから吉備津彦命の体を切り裂いた。
背中に大きな爪痕が付いた吉備津彦命は、
「そんな攻撃では、今までの奴らと同じ様に
倒すだけだ
お前では、俺には勝てん」
と余裕の表情で炎を纏うと
咲を焼くために手から炎を発射し、
咲の体を焼いた。
だが、咲の体は分厚い外骨格に守られているのでそれを物ともせず、屈強な脚で地面を蹴り、
吉備津彦命の腹を思い切り殴った。
「ぐあッ!」
吉備津彦命が、想定外のパワーに怯むと
咲は、そのまま力の限り吉備津彦命の体を殴り続けた。
「この、この、このッ!
私は、貴方には負けないッ!
この体の完全性を味あわせてあげる!」
そう言うと、咲は吉備津彦命の鱗を殴って砕くと
手の爪で吉備津彦命の腹を引き裂き、
内蔵を掴んで引きちぎった。
「うあああああッ!」
吉備津彦命は、絶叫しながら咲を引き剥がそうと
必死に咲の体を掴んで、遠ざけようとするが、
咲の超人的な力に押し負けて引きはがせずにいた。
そこで、体を纏う炎の熱量を上げて、
咲の外骨格を焦がした。
だが、咲は動きを止める所か、
一気に勝負をつけようといっそう激しく殴り続けた。
「貴様、痛みを感じないのか!」
と吉備津彦命が、必死に叫ぶと
咲は、強い信念を灯した瞳で吉備津彦命を睨みつけて、
「痛みなら、感じるわ、
でも、貴方の炎なんかよりも
ずっと、強力な痛みに私は、今まで耐えてきた
それは、歪な形の愛だったけど
私の体を突き動かす
だから、貴方の炎には屈さない
私の体は彼の醜くも強靭な愛で満たされているから!」
咲は、そう言うと
渾身の一撃を吉備津彦命の胸にくらわせ、
体を貫くと吉備津彦命の心臓を鷲掴みにして引きちぎった。
「ガハッ!」
心臓が抜かれ、苦しむ吉備津彦命に咲は、
その心臓を掴んで破裂させ、血飛沫で、吉備津彦命の目を潰すと、
「誰にも、理解されなくても
たとえ、異常者と罵られても
彼は、己の信念を貫いて
私を作った
その狂気に満ちた可能性の大火は、
貴方の淡い灯火で打ち勝つ事は不可能!
絵本の様な絵空事を叶えるだけの力で
彼の現実を
人類の幸福を砕く事なんて、出来るはず無いのよ!
己の無力さに咽び泣いて死になさい!」
そう言うと、咲は吉備津彦命の顔の位置まで飛び上がると、尋常ではない程の脚力で吉備津彦命の頭を蹴り飛ばし、彼方まで吹っ飛ばした。
ボロボロになった吉備津彦命の死体に見向きもせずに、
咲は、ピキニ・カイカイの焼死体まで歩み寄る。
そして、亡骸を抱くと
涙を流しながら
「ごめんなさい
私、貴方の気持ちをわかっていたのに
自己憐憫に浸って
貴方を悲しませてしまった
もしも、また貴方と話せたら
私は、心からの愛を貴方に伝えるわ...」
とピキニ・カイカイに口付けをすると、
ピキニ・カイカイの焼け焦げた体の表面が砕け散り
「ふあッ!
死ぬかと思った!」
とピキニ・カイカイが起き上がった。
「きゃあああッ!」
と驚いて咲が、頬にビンタすると、
「ぐえッ!」
とピキニ・カイカイが、横に転がって行った。
「ああ!
ごめんね
私、驚いちゃって!」
と咲が、慌てて駆け寄ると
ピキニ・カイカイは、手で頬を撫でながら
「良いんだよ
君が、無事で良かった」
と笑いかけた。
すると、咲は、再び泣き出して
ピキニ・カイカイに抱きついた。
「私、さっき聡に酷い事を
ごめんね
聡は、必死で私を守ってくれたのに
私、最低だよ!」
と言って縋り付くようにピキニ・カイカイを
抱きしめながら言った。
「良いんだよ
たとえ、君が僕を嫌っていても
僕は、君を愛せる
だから、泣かないで
愛する人の涙は、どんな痛みよりも
辛いんだ」
と優しく言うと
咲をピキニ・カイカイからも咲を抱きしめた。
怪物の見た目をした超人的な力を持つ少女を、
ただの小さな女の子の様に優しく。
「ずっと、こうしていたい」
と咲が、心から安らいで言った
その時、
吉備津彦命の体から金色の粒子が飛び出し、
彼の体を再生させた。
そして、先程までよりも龍に近づいた容姿で、
静かに起き上がると
目を瞑って抱き合う二人に近づき、
咲の頭を掴んで持ち上げた。
「あああああッ!」
先程までとは比べ物にならない程の力で
握りしめられ、咲が絶叫すると
「物の怪めえッ!
ここまで、俺をコケにするとは
許さんぞ
俺を倒したつもりだっただろうが
俺が持つ聖遺物の力で何度でも蘇るぞ!
貴様らは、どうやっても俺に殺されるしかないんだよ!」
そう言って吉備津彦命は、咲の頭を握り潰した。
柘榴の様に弾けた頭からは、緑色の体液が滴り、
首から上が無くなった体は、無残に地面に転がった。
「あははははっ!
こんな物では済まさんぞ!」
と吉備津彦命は、咲の体を持ち上げると、
頭の消えた咲の首から背骨を抉り出すと、背骨を放り捨てると、空いたスペースに腕を突っ込んで咲の体を内側から燃やした。
「消えて無くなれッ!」
咲の内側で炎は、白色に光り、咲の体は一瞬で蒸発した。
すると、上機嫌になった吉備津彦命は、
楽しそうにピキニ・カイカイに向かって
「可哀想にな~
せっかく仲直り出来たのに
残酷な話だ
そうだ、ハッピーエンドにしてやろう
あの世で会わせてやる」
そう言って、吉備津彦命は、
掌の上に炎を出して、これで終わりだと言いたげな
キメ顔で言った。
それを、見てピキニ・カイカイは、
両手を挙げて溜息を付いた。
「なんだ、今更降参など
許さんぞ!」
と吉備津彦命が、言うと
ピキニ・カイカイは、呆れて
「良いや、これは君に呆れているんだよ
まさか、咲を倒したと思ってるのかい?」
と言った。
すると、吉備津彦命は、
「はっ!
何を言ってるんだ
跡形も無く消滅した奴がまだ生きてるとでも?
くだらん、時間を稼ぐにしても
もっと、他にあるだろう」
と嘲った。
すると、ピキニ・カイカイは、
それを笑い返して
「いいや、これで良いんだ
咲の回復は早いからね
跡形も無くなっても
数十秒で復活出来る
こんな風にな!」
とピキニ・カイカイが自慢げに言ったが、
吉備津彦命は、最初なんの事かがわからず
はったりだと思った。
だが、そう思って直ぐに
吉備津彦命の体中に無数の小さな穴が空いていった。
その穴は、肉が抉り取られた様な形で現れ、
吉備津彦命は、噴水の様に血を引き出した。
「ぐああああああああッ!」
吉備津彦命は、今までにやられたどんな傷よりも激しい痛みに襲われた。
そして、何よりも甚大な被害を被ったのは、
「何故だ、一体どうやって
俺の体から聖遺物のみを取り出した!
返せッ!」
吉備津彦命は、出血を止めるために人間の姿に戻り、
変身の際に穴を塞ぐと慌ててそう叫んだ。
すると、ピキニ・カイカイの近くに
金色の粒子が現れ、
それが、どんどん集まっていき咲の体が再生された。
「ただいま!」
咲が、元気よくピキニ・カイカイにそう言うと
ピキニ・カイカイが、驚いて
「ああ、おかえり
いきなりで、すまないが何か変わった事は無いか?」
と咲に尋ねた。
「変わった事~?
そう言えば、凄く調子良いよ~
でも、どうして?」
と咲は、首を傾げて尋ねた。
「いや、君が完全に相手に消滅させられた時、
前は、相手の心臓の部分を抉りとる様に体に穴を開けて徐々に肉塊が現れたんだが、
今回は、敵は体中穴だらけになった上に、
君は、金色の粒子が集まって復活した」
とピキニ・カイカイが、言うと
「え!?
なにそれ?
なんでだろ~」
と咲は、不思議そうに言った。
そんなやり取りをしていると、
吉備津彦命は、
「無視をするな!
私の聖遺物を返せッ!」
と再び、半人半龍の姿に変わって襲ってきた。
ピキニ・カイカイは、
「まあ、なんでも良いか
咲、任せて良いかい?」
と咲の頭を撫でた。
「うん、任せて!」
吉備津彦命は、自身の体に炎を纏わせ、
翼で低空飛行し咲に突進したが、
咲は、それを弾き返そうと
吉備津彦命に殴りかかる。
すると、咲の拳から黄金の粒子が現れ、
咲の拳を覆って、鏃の様な形になると
吉備津彦命の体に向かって勢い良くその光が射出された。
「何だと、私の聖遺物を
何故だッ!
それは、私専用だと神が言っていたのに
うあああああああああッ!」
襲いかかる黄金の矢に吉備津彦命は、驚き恐れながら
高速で発射された光に体を真っ二つに切断された。
ピキニ・カイカイは、咲が起こした謎の攻撃に驚きながら
「今のは、どうやったんだ?」
と咲に尋ねたが
咲、自身も驚いて
「わかんない」
と唖然としていた。
だが、少し考えると思い出したかの様に
「あっ!
そう言えば、神様が私に能力をくれた時、
君の力は近くのエネルギーを吸収して体を治す能力だって言ってたっけ
確か、大きなダメージを受ける程、強いエネルギーを求めるとか言ってたよ~な」
と言うと
「なんか、あやふやだな」
とピキニ・カイカイが、胡散臭そうに言うと
咲は、怒って
「むうッ!
何、信じてくれないの!?」
と頬を膨らませて言った。
ピキニ・カイカイは、それに慌てて
「い、いや信じるよ
でも、強いエネルギーか、
君は一体彼奴から何を奪ったんだ?」
とピキニ・カイカイが考え込むと
咲は、
「わかんない
そんな事より、お兄様達に皆の事教えないと...」
と激しい戦闘で頭から抜けていた
仲間の死を悼むと
ピキニ・カイカイは、
「なんだ咲、知らないのか?」
と少しニヤケながら言うと
「知らないって何を」
と咲が少しピキニ・カイカイを睨みながらそう言うと
「だから、君はアイツらはやられた時、
あんなに怯えていたんだな
クリエイターも君には必要無いとは言っても
教えておけば良いものを」
ピキニ・カイカイは、更に笑って
咲に言い
咲は、
「もう、勿体振らずに教えてよ!」
と怒り出した。
それを抑えながらピキニ・カイカイは、
「まあ、そう怒るな
考えてもみろ
私達はここで死ぬとどうなると思う?」
ピキニ・カイカイが、そう聞くと
「え!?
う~ん
そう言えば、どうなっちゃうの?」
と咲は、考え込んだ。
すると、ピキニ・カイカイは、
「わからないか
だよな
私もどうなるか心配だった
そこでクリエイターに聞いて見たんだ
そうしたら、奴は
僕は、神を倒して君達と煉獄の神になった
つまり、君達を自由に出来る
だから、屋敷に君達の復活場所を作った
って自慢げに言ったよ」
と言ってゲラゲラ笑いだした。
「え~!?
凄い!
でも、なんでお兄様は私に教えてくれなかったの?」
と咲が、尋ねると
「君は、死なないから言う必要が無いと思ったんだろ?」
とピキニ・カイカイが、まだ笑いながら言うと
「何それ!
私、ホントに怖かったのに!
もう!
今すぐ、お兄様に文句つけないと!」
と怒り出すと
ピキニ・カイカイは、
「いや、それより
着替えに帰った方が良いんじゃないか?」
と戦闘が終わり普段の姿に戻った咲の服を見て言った。
「え?」
咲が、ピキニ・カイカイの目線の先に目をやると
湿ったスカートに気が付き
顔を真っ赤にして
「誰にも言わないでね!」
とピキニ・カイカイに言うと
ピキニ・カイカイは、武装の袖から
屋敷への転移装置を取り出して
「ああ、早く帰ろう
風邪を引くぞ」
と転移装置を発動しながら
咲をからかった。
「もう!
笑い事じゃなかったの!」
と咲が、怒りながらピキニ・カイカイの手を握り
屋敷へと転移した。
屋敷ピキニ・カイカイの部屋まで転移すると、
「そう言えば、その服の袖どうなってるの?」
とふと、思った疑問を咲が口に出すと
「ああ、これはクリエイターの異空間倉庫に私専用の場所を作って貰ってそこと繋がるように作って貰ったんだ
そんな事より、早く風呂に入りなさい」
とピキニ・カイカイは、咲に言いながら
そう言えば、クリエイターは近くにいたのに
何故、気付いて助けに来なかったんだ?
もしかして他にも敵が?
と考え込むと
「ねえ、せっかくだし
久しぶりに一緒に入ろ~」
と咲が言ってきたので
「え?
しょうがないな~
待っててくれ
今、用意する」
とクリエイターの心配をそっちのけた。
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