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第一話

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「今日も行きますかね、、、」

俺は進藤曹しんどうつかさ、25歳の会社員だ。

俺は、仕事終わりに趣味でダンジョン探索をしている。

きっかけは、高校で友達がいなくて暇だったからだ。

そうして、7年ぐらい潜っているうちに300階層ぐらいあるこのダンジョンの275階層までクリアした。



まぁ、もう何十週目か忘れたね。

でも、ここ以外で10か所ぐらい踏破したことがあるのにずっとここにこだわってるかというと、ただ家に近いから。



正直、いろんなダンジョンを踏破しているから自分でも強いと思っていたが、世界には俺よりも絶対すごい人がいるからそう思わないようにした。



ダンジョンに潜ると、いろんな人に出会う。

ダンジョンを仕事としている人や、鍛えるために来た人、観光目的で安全な階層へ来た人など、いつも人がたくさんだ。

特に、今俺が潜っている「東京ダンジョン」は人気だ。

俺はすぐに飽きるから(ここは例外)、いろんなダンジョンを旅しているがそこで仲良くなった人もいる。

いわゆる、ダンジョン友達。略してダン友。



突然だが、明日は休日だ。



だから、明日そのダン友の一人と一緒にダンジョンを攻略する予定だ。

ん、潜りに行くじゃなくて"攻略"だって?

そう、そのダン友はランクSのベテランだ。ちなみに女。



あ、説明するのを忘れていた。

この世界には、探索者ランク制度というものがある。

下から、E、D、C、B、A-、A+、S、SS、SSS、となっている。

そして、例外的にZランクがある。

S以上のランクを持ってる人でも、この世界で1万人しかいない。

そして、Zランクはたったの"5人"。

巷では、「伝説のファイブ」とまで言われている。

そのZランクはここ10年、一人も生まれていない。

だから、6人目は誰だと期待されている。



つまり、そのダン友はめちゃすごい人だ。



「おまたせー!」

そう俺に声をかけたのは、まさにそのすごいダン友である優月御子ゆづきみこだ。



彼女は大剣使いで、一応魔法も使える(らしい)。

俺は、普通に魔法使えるけどね。

ちなみに俺は、槍使いだ。



「じゃぁ、いこっか。」

「おk、300までどのぐらいかかる?」

「今日は、、、、うん、人がいつもより少ないから5時間ぐらい。」



いつもは9時間ぐらいかかるからありがたい。



「そういえば、曹ってランクまだDなの?」

「いやー、調べるの面倒くさいからな。高校生以来計ってないや。」



ちなみに、高校生の段階で最低一回ランク測定が義務になっている。



「でも、たぶん曹も来るんじゃない?

 もう10年ぐらいたったなら、ランク検査のお知らせ来るでしょ。」

「あー、来てたな。」

「じゃあさ、私も暇だから一緒に計りに行こ?」



流れで、俺は御子と一緒にランク検査に行くことになった。
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