6 / 8
第6節: 公園での思い出
しおりを挟む週末、大地と瑛太は懐かしい公園にやってきた。
公園の入口には「リニューアルのお知らせ」の看板が立っているが、まだ昔のままの姿を保っている。
「変わってないなー、ここ」
瑛太が笑いながら公園を見渡す。あの頃と同じブランコ、滑り台、そして広場の芝生。
大地も、久しぶりの光景に懐かしさがこみ上げてくる。
「昔、ここで鬼ごっこやったよな」
「お前、逃げるの速すぎだったよ!」
大地がツッコミを入れると、瑛太は楽しそうに笑う。
なんてことない昔話だけど、こうして話していると、
大地が感じていたギクシャク感が少しずつ溶けていくようだった。
ブランコに座った二人は、思い出話に花を咲かせる。
昔、どっちが高くこげるか競争したことや、こっそりおやつを食べた秘密の場所の話。
気づけば、昔のように無邪気に笑い合っていた。
「なんかさ、またこうやって一緒に公園で過ごすの、楽しいな」
瑛太がポツリとつぶやく。彼の横顔はなんだか嬉しそうで、
大地はその言葉に思わず胸がキュッと締めつけられた。
「…そうだな、楽しいよ」
そう言いながら、大地の心の奥で、少しずつ募っていく思いがあった。
昔と同じように楽しく過ごせているはずなのに、何かが違う。
瑛太を見ていると、ただの友情じゃない何かを感じる自分がいる。
でも、この穏やかな時間を壊したくない。そう強く思う。
「これがずっと続けばいいのに…」
大地はそんなふうに感じながら、心の中で恋心を抑え込もうとした。
一方、瑛太はそんな大地の葛藤には全く気づいていない。
ただ純粋に、大地と一緒にいることが楽しくて仕方がない。
まるで昔に戻ったような気分で、ブランコをこぎながら、無邪気に笑っていた。
「また遊びに来ようぜ、リニューアルしても!」
「おう、そうだな」
何事もなく、昔の思い出を懐かしむ穏やかな時間が流れていく。
その中で、二人はそれぞれの想いを抱えながら、子供の頃のように楽しいひと時を過ごした。
0
あなたにおすすめの小説
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
ファントムペイン
粒豆
BL
事故で手足を失ってから、恋人・夜鷹は人が変わってしまった。
理不尽に怒鳴り、暴言を吐くようになった。
主人公の燕は、そんな夜鷹と共に暮らし、世話を焼く。
手足を失い、攻撃的になった夜鷹の世話をするのは決して楽ではなかった……
手足を失った恋人との生活。鬱系BL。
※四肢欠損などの特殊な表現を含みます。
【完】君に届かない声
未希かずは(Miki)
BL
内気で友達の少ない高校生・花森眞琴は、優しくて完璧な幼なじみの長谷川匠海に密かな恋心を抱いていた。
ある日、匠海が誰かを「そばで守りたい」と話すのを耳にした眞琴。匠海の幸せのために身を引こうと、クラスの人気者・和馬に偽の恋人役を頼むが…。
すれ違う高校生二人の不器用な恋のお話です。
執着囲い込み☓健気。ハピエンです。
【完結・BL】春樹の隣は、この先もずっと俺が良い【幼馴染】
彩華
BL
俺の名前は綾瀬葵。
高校デビューをすることもなく入学したと思えば、あっという間に高校最後の年になった。周囲にはカップル成立していく中、俺は変わらず彼女はいない。いわく、DTのまま。それにも理由がある。俺は、幼馴染の春樹が好きだから。だが同性相手に「好きだ」なんて言えるはずもなく、かといって気持ちを諦めることも出来ずにダラダラと片思いを続けること早数年なわけで……。
(これが最後のチャンスかもしれない)
流石に高校最後の年。進路によっては、もう春樹と一緒にいられる時間が少ないと思うと焦りが出る。だが、かといって長年幼馴染という一番近い距離でいた関係を壊したいかと問われれば、それは……と踏み込めない俺もいるわけで。
(できれば、春樹に彼女が出来ませんように)
そんなことを、ずっと思ってしまう俺だが……────。
*********
久しぶりに始めてみました
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる