腹黒薬師は復讐するために生きている

怜來

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アルファ騎士団

アルファ騎士団 ③

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「反射神経をよくするには動体視力を高める必要がある」

「動体視力?」

「ああ、まずは目の筋肉を使わないとな。そっからだ。そのあとは、深視力、瞬間視を高める。深視力はどれがどのくらい遠くにあるのか。どれがどのくらい近くにあるのかっていう位置関係を瞬時に把握することだ。まあいわゆる距離感を判断する能力のことだ。瞬間視も似たようなものだ。目の前の情報を瞬間的に判断する能力のことだ」

「へえ…情報量が多すぎてよくわかんなかったけど、簡潔に言えば動体視力を高めるために目の筋肉を使えということだね」

「ああ」

「それで詳しく教えて。目の筋肉を使うってどうやって?」

シャリングは立ち上がりハーネストに聞く。

「一度家に戻って荷物おいて待ってて」

そういうと村に戻っていった。シャリングも剣をしまったあと戻った。

それから30分後ハーネストがやってきた。

「おじゃましまーす」

ハーネストは家の中にずんずん入ってきた。

「えっと、これでいいか」

ハーネストが見ていたのはタンスだった。

「これがどうかしたの?」

「シャリングここに座って」

ハーネストに導かれ椅子に腰かけた。

「このタンスの右上から八の字書くように順番に右上、左上、右下、左下、右上、左上を見ていって」

言われた通りに見る。

「見たよ」

「それを繰り返して。俺はむこうでお茶を飲んでるから戻ってくるまで続けてて」

そう言い残すと行ってしまった。しょうがなく続けていたが目がだんだん痛くなってくる。いやになってくることもあったが我慢して続けた。

それから何分か経つと戻ってきた。

「今日はこれでいいよ」

「目が痛い」

「これを毎日続ければ効果は出てくるよ。やったらやったぶんだけ結果はついてくるから」

「そうか…」

「まあ、今のシャリングの実力だったら受かると思うんだけどな。受けたことないからわからないけどね」

ハーネストはあくびをする。

「動体視力を高めたら次は何をするんだ?」

「明日教えるよ。今日は休みな。睡眠不足も記憶力、集中力低下に繋がるからな 」

「わかった」

「それじゃあ、明日」

ハーネストはそのまま行ってしまった。シャリングも台所に向かう。夜ご飯を作ろうと考えた。何を作ろうかと考えていると机の上にお肉が置いてある。ハーネストがくれたやつだ。

これを使ってハンバーグを作ろうと考えた。木のボウルにひき肉と卵、パン粉、牛乳、玉ねぎをいれる。玉ねぎはみじん切りにする。ひき肉と玉ねぎを入れてからそこにたまねぎをいれる。

ハンバーグのつくりかたの工程はカナリヤを見てきたのでなんとなく分かる。ひき肉と玉ねぎを入れたら卵を入れる。カナリヤはいつも片手で割っている。試しに割ってみるが黄身を潰してしまった。

諦めてちゃんと両手で割った。
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