67 / 111
アルファ騎士団
アルファ騎士団 ⑤
しおりを挟む
「ふう、疲れた。ほら、お茶だよ」
ハーネストがシャリングにお茶を手渡す。ここに来てから一時間半以上鬼ごっこをした。本当にきくのかはわからないがやらないよりはましだと思い頑張って走り続けた。
シャリングが逃げの時はすぐにハーネストにつかまりハーネストが逃げの時は全然見つからなかった。ハーネストは足も速いし体力もある。羨ましい。
それに比べてシャリングは最初のほうは順調だったがずっと走り回っていたため足がボロボロですぐにばてた。
「シャリングは体力があんまりないな。足の速さはまあまあだ」
「どうしたら体力がつくんだろう」
「頑張るしかないだろ。あとは気持ちだな。シャリングはなんで騎士団に入ろうと思ったの?」
「それは…」
言われてみればそうだ。なんで騎士団に入ろうと思ったのだろう。
「カナリヤを危険なところに一人で行かせたくなかったから…?」
「本当にそれだけか?」
ハーネストがシャリングをみる。
本当にそうなのだろうか。それだけだったのか。サンザリカと初めて会った時見た瞬間怒りが込みあがってきた。それはカナリヤへの同情だろうか。それもあるかもしれない。
けど、それだけじゃない。シャリングの父アナテストのことだ。サンザリカはアナテストの優しい心にのめり込み、アナテストの大切な仲間を無残に殺した。許せなかった。
だからこいつに復讐しようと思った。カナリヤと同じ事を思うようになったのだ。
「まあ聞いたりはしないよ。けどその思いを忘れずにね。あ、けど、怒りで暴走するのはやめてね」
ハーネストが笑いながら言う。
それから三週間以上たった。シャリングは順調に成長していっている。体力もついてきたし、剣もうまくなってきた。カナリヤは相変わらず森の中の家にこもり研究している。
明日は騎士団の試験の日。一日前から緊張していた。
「そんなに緊張するなって。まだ本番じゃないんだぞ」
「けど、もし落ちたりしたら」
シャリングが弱音を吐いていると後ろから背中を誰かに蹴られた。そして、顔面から倒れた。蹴ってきたのはカナリヤだった。カナリヤは一言
「うざい」
と言ってどこかに行ってしまった。
「痛…カナリヤ急にけってくるなよ…ゆっくりと立ち上がる」
「あはは、大丈夫か?」
「うん」
「今日はもう帰るか。明日も早いからね」
家に帰るといつの間にかカナリヤがご飯を作っている。
「あ、ありがとう」
「いや、あんたのためじゃないから」
って言っているがなんだかんだいつもシャリングのぶんのご飯も作ってくれる。今日のご飯はハンバーグだ。それにデザートの果物もある。
「いただきまーす」
「明日早く家出るからな。自分で起きろよ」
「わかった」
ハーネストがシャリングにお茶を手渡す。ここに来てから一時間半以上鬼ごっこをした。本当にきくのかはわからないがやらないよりはましだと思い頑張って走り続けた。
シャリングが逃げの時はすぐにハーネストにつかまりハーネストが逃げの時は全然見つからなかった。ハーネストは足も速いし体力もある。羨ましい。
それに比べてシャリングは最初のほうは順調だったがずっと走り回っていたため足がボロボロですぐにばてた。
「シャリングは体力があんまりないな。足の速さはまあまあだ」
「どうしたら体力がつくんだろう」
「頑張るしかないだろ。あとは気持ちだな。シャリングはなんで騎士団に入ろうと思ったの?」
「それは…」
言われてみればそうだ。なんで騎士団に入ろうと思ったのだろう。
「カナリヤを危険なところに一人で行かせたくなかったから…?」
「本当にそれだけか?」
ハーネストがシャリングをみる。
本当にそうなのだろうか。それだけだったのか。サンザリカと初めて会った時見た瞬間怒りが込みあがってきた。それはカナリヤへの同情だろうか。それもあるかもしれない。
けど、それだけじゃない。シャリングの父アナテストのことだ。サンザリカはアナテストの優しい心にのめり込み、アナテストの大切な仲間を無残に殺した。許せなかった。
だからこいつに復讐しようと思った。カナリヤと同じ事を思うようになったのだ。
「まあ聞いたりはしないよ。けどその思いを忘れずにね。あ、けど、怒りで暴走するのはやめてね」
ハーネストが笑いながら言う。
それから三週間以上たった。シャリングは順調に成長していっている。体力もついてきたし、剣もうまくなってきた。カナリヤは相変わらず森の中の家にこもり研究している。
明日は騎士団の試験の日。一日前から緊張していた。
「そんなに緊張するなって。まだ本番じゃないんだぞ」
「けど、もし落ちたりしたら」
シャリングが弱音を吐いていると後ろから背中を誰かに蹴られた。そして、顔面から倒れた。蹴ってきたのはカナリヤだった。カナリヤは一言
「うざい」
と言ってどこかに行ってしまった。
「痛…カナリヤ急にけってくるなよ…ゆっくりと立ち上がる」
「あはは、大丈夫か?」
「うん」
「今日はもう帰るか。明日も早いからね」
家に帰るといつの間にかカナリヤがご飯を作っている。
「あ、ありがとう」
「いや、あんたのためじゃないから」
って言っているがなんだかんだいつもシャリングのぶんのご飯も作ってくれる。今日のご飯はハンバーグだ。それにデザートの果物もある。
「いただきまーす」
「明日早く家出るからな。自分で起きろよ」
「わかった」
0
あなたにおすすめの小説
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
【完結】王都に咲く黒薔薇、断罪は静かに舞う
なみゆき
ファンタジー
名門薬草家の伯爵令嬢エリスは、姉の陰謀により冤罪で断罪され、地獄の収容所へ送られる。 火灼の刑に耐えながらも薬草の知識で生き延び、誇りを失わず再誕を果たす。
3年後、整形と記録抹消を経て“外交商人ロゼ”として王都に舞い戻り、裏では「黒薔薇商会」を設立。
かつて自分を陥れた者たち
――元婚約者、姉、王族、貴族――に、静かに、美しく、冷酷な裁きを下していく。
これは、冤罪や迫害により追い詰められた弱者を守り、誇り高く王都を裂く断罪の物語。
【本編は完結していますが、番外編を投稿していきます(>ω<)】
*お読みくださりありがとうございます。
ブクマや評価くださった方、大変励みになります。ありがとうございますm(_ _)m
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
笑い方を忘れた令嬢
Blue
恋愛
お母様が天国へと旅立ってから10年の月日が流れた。大好きなお父様と二人で過ごす日々に突然終止符が打たれる。突然やって来た新しい家族。病で倒れてしまったお父様。私を嫌な目つきで見てくる伯父様。どうしたらいいの?誰か、助けて。
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ化企画進行中「妹に全てを奪われた元最高聖女は隣国の皇太子に溺愛される」完結
まほりろ
恋愛
第12回ネット小説大賞コミック部門入賞・コミカライズ企画進行中。
コミカライズ化がスタートしましたらこちらの作品は非公開にします。
部屋にこもって絵ばかり描いていた私は、聖女の仕事を果たさない役立たずとして、王太子殿下に婚約破棄を言い渡されました。
絵を描くことは国王陛下の許可を得ていましたし、国中に結界を張る仕事はきちんとこなしていたのですが……。
王太子殿下は私の話に聞く耳を持たず、腹違い妹のミラに最高聖女の地位を与え、自身の婚約者になさいました。
最高聖女の地位を追われ無一文で追い出された私は、幼なじみを頼り海を越えて隣国へ。
私の描いた絵には神や精霊の加護が宿るようで、ハルシュタイン国は私の描いた絵の力で発展したようなのです。
えっ? 私がいなくなって精霊の加護がなくなった? 妹のミラでは魔力量が足りなくて国中に結界を張れない?
私は隣国の皇太子様に溺愛されているので今更そんなこと言われても困ります。
というより海が荒れて祖国との国交が途絶えたので、祖国が危機的状況にあることすら知りません。
小説家になろう、アルファポリス、pixivに投稿しています。
「Copyright(C)2021-九十九沢まほろ」
表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
小説家になろうランキング、異世界恋愛/日間2位、日間総合2位。週間総合3位。
pixivオリジナル小説ウィークリーランキング5位に入った小説です。
【改稿版について】
コミカライズ化にあたり、作中の矛盾点などを修正しようと思い全文改稿しました。
ですが……改稿する必要はなかったようです。
おそらくコミカライズの「原作」は、改稿前のものになるんじゃないのかなぁ………多分。その辺良くわかりません。
なので、改稿版と差し替えではなく、改稿前のデータと、改稿後のデータを分けて投稿します。
小説家になろうさんに問い合わせたところ、改稿版をアップすることは問題ないようです。
よろしければこちらも読んでいただければ幸いです。
※改稿版は以下の3人の名前を変更しています。
・一人目(ヒロイン)
✕リーゼロッテ・ニクラス(変更前)
◯リアーナ・ニクラス(変更後)
・二人目(鍛冶屋)
✕デリー(変更前)
◯ドミニク(変更後)
・三人目(お針子)
✕ゲレ(変更前)
◯ゲルダ(変更後)
※下記二人の一人称を変更
へーウィットの一人称→✕僕◯俺
アルドリックの一人称→✕私◯僕
※コミカライズ化がスタートする前に規約に従いこちらの先品は削除します。
偽りの婚姻
迷い人
ファンタジー
ルーペンス国とその南国に位置する国々との長きに渡る戦争が終わりをつげ、終戦協定が結ばれた祝いの席。
終戦の祝賀会の場で『パーシヴァル・フォン・ヘルムート伯爵』は、10年前に結婚して以来1度も会話をしていない妻『シヴィル』を、祝賀会の会場で探していた。
夫が多大な功績をたてた場で、祝わぬ妻などいるはずがない。
パーシヴァルは妻を探す。
妻の実家から受けた援助を返済し、離婚を申し立てるために。
だが、妻と思っていた相手との間に、婚姻の事実はなかった。
婚姻の事実がないのなら、借金を返す相手がいないのなら、自由になればいいという者もいるが、パーシヴァルは妻と思っていた女性シヴィルを探しそして思いを伝えようとしたのだが……
【完結】平民聖女の愛と夢
ここ
ファンタジー
ソフィは小さな村で暮らしていた。特技は治癒魔法。ところが、村人のマークの命を救えなかったことにより、村全体から、無視されるようになった。食料もない、お金もない、ソフィは仕方なく旅立った。冒険の旅に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる