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見習い騎士
見習い騎士 ⑤
しおりを挟む「それじゃあお前は、自分の人生を変えてくれた大切な人が何もしていないのに、目の前で無惨に殺されたらどうする?いつもと同じ日常生活に戻れるか?大切な人を殺した奴を恨まないのか?復讐しようと思わないのか?平然とできるか?…なんで…罪もない人が殺されなきゃいけないんだ。私はそれが許せない。それを正すために私は国を敵に周してでもやり遂げる」
カナリヤはマーゲルの返答も待たずその場を去った。
言いたいことは全部言った。なぜ王を恨むのか。それを聞いてあいつがどう思うか知らない。あいつが協力しようがしないが特に変わらないがこれから私に口を挟むことはないだろう。
家に戻るとハーネストが家の中にいた。シャリングと二人で話しているようだ。呑気なもんだ。こっちは色々と大変だったってのに。
「あ、お帰り、カナリヤ」
「明日また騎士団の練習だろ?練習しなくていいのか」
「大丈夫。さっきハーネストに手伝ってもらった」
「カナリヤはどこに行ってたんだ?」
「…どこでもいいでしょ」
階段を登って自分の部屋に戻っていった…
「…なんかカナリヤの目赤くなかった?」
「うん。赤かった。何かあったのかな」
カナリヤはベッドに寝転び天井を見上げ手を伸ばした。最近ことがうまくいきすぎている気がする。何もかもが自分の思い通りに進んでいく。
これは誰かに仕組まれたものなのか?スムーズにいきすぎている時は必ず誰かが仕向けたものだ。それじゃあ今回も誰かが意図的にやったのか?
そうだとしたらそれは誰だ。アイか?けれどアイは私の存在は知らないはず。いや、分からない。国王がいったかもしれない。
けれど致命的なのは国王が記憶がないと言うこと。覚えておけば結構有利だったが。相手もやる奴だ。あとはそのアイってやつに会えればいいのだが。
情報が少なすぎる。
「あいつに近づくしかないか…」
本当は今すぐにでもやりたいが、我慢しなければ。すぐに終わらせたら楽しくない。まずは情報を集めなければ。
「何ヶ月かかるかな…」
「おはよう。カナリヤ。馬車もう外で待ってるよ」
「あっそ」
台所にはもうシャリングがいる。意外だ。
「今日は何するんだろうな」
「先に言っておくけど、この戦い早くても一年、遅くても三年はかかる。それでも私についてくる?」
「当たり前だろ!俺はいつでもカナリヤの味方だ」
笑顔でいいシャリングは外に出た。
『私はいつまでもカナリヤの味方だよ』
「はは…ルリスとアイツを重ねるなんて…」
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