君との約束を、僕は後悔する

怜來

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第三章

第三章 3

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「恥ずかしいところを見せてごめんよ」

 ファミレスのテーブル席で向かいに座った男の子が言った。あの後そのまま一人で置き去りにするのも何だし、少し話をしようと考えた。

「いえいえ」

「俺の名前は、竜田勇希」

「僕は西鷹透夜です。風島君とは同じクラスでした」

「タメで大丈夫だよ。透夜は晃と仲が良かったの?」

「凄い仲がいい、とまではいかないけど一度一緒に出かけたことがあるくらいかな」

 ほぼ無理矢理だったけど。
 
「そっか。晃最近彼女ができたって喜んでたのに…。誰が晃を殺したんだよ…」

「…風島は誰かに恨まれるような事はしたの?」

「あ…中学生の頃は少し荒れてたかな。けどあいつ中学の終わり頃に転校してここに来たんだ。だから昔の風島を知っている人はいないんだ。それに風島はしっかり心を入れ替えて最近は楽しそうにしていたんだ」

 風島も転校してきたんだ。高校の入学式の時はそんな風には見えなかったけど。すぐ周りに馴染んでたし。生まれた時から才能を持っていたんだろうな。

 それよりもあの風島が荒れていたのには驚く。

「中学の時荒れてたってどういうこと?」

「それは…ごめん、言えないや」

 まあそっか。人の黒歴史をそんな深掘りしない方が良かったか。さすがにいきすぎた。

「無理に聞いてごめん。…何か注文しよう」

 その後は少し会話をしつつもご飯を食べた。勇希はコミュ力が高く、僕にとっては話しやすかった。さすが風島の友達って感じだ。

「それじゃあ、今日はありがとう。楽しかった」

「いえ、僕も楽しかった」

「風島のことは残念だけど、そればっかにとらわれてないで前に進むよ。きっと風島もそうしてほしいって思ってると思うから」

「うん。頑張って」

 日が沈む中そう言葉を交わしてお互い帰る場所へと帰った。

 それから数日経った頃風島を刺したと見られる犯人が捕まった。僕が見た男と確かに似ている。しかし男は風島との関連性はなく、動悸は幸せそうにしている姿が憎かったから、だそうだ。

 だからといって人を殺していい理由にはならない。ネット上では風島への同情の声と怒りで荒れていた。

 自分勝手な怒りで、一人の人生を奪った。怒らないわけが無い。

「風島の事は本当にやるせない気持ちで溢れている。先生は犯人を絶対に許さない。みんなも悲しいだろう。けれどいつまでも気にしてるわけにもいかない。前を向いて歩いて行こう。風島もそう願ってるよ」

 ありきたりな言葉を朝の8時半から聞かされる。神谷は吹っ切れたのか泣いてなかった。きっと心の中では泣いてるだろう。

「…神谷、大丈夫か?」

 帰り道後ろ姿の神谷を見つけ話しかけようかと迷ったが、どうも寂しそうに見えて駆け寄った。

「あ、透夜君!大丈夫って?私は元気よ」

 予想外の反応に少し驚いた。神谷の顔は前よりも清々しく見えた。
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