16 / 121
鳩
しおりを挟むベランダにつがいの鳩が入ってきたので追い払った。その後、姿は見なくなったが毎日フンは落ちている。
おちょくられてるのかと頭に来ていた矢先、干している洗濯物にフンをつけられた。怒りが頂点に達し、隠れて待ち伏せして入ってきたところを箒で思い切り振り払ってやった。急な脅しをかければもう来ないだろう。
だが、まともに箒を当ててしまい一羽が死んだ。殺すつもりはなかったのに。
残った一羽が丸い目で一部始終を見ていた。
それからも鳩は来た。一羽が二羽になり三羽になり、今やベランダは鳩で埋め尽くされていた。大量のフンと抜けた羽毛で洗濯物や布団が干せず、臭いと鳴き声にも悩まされた。
どこに行くにも付きまとわれるようになり外出もできない。近頃は家の中にまで入り込んで家具の上からわたしを見下ろしている。
鳩の呪いだ。
確かに妻は鳩を誤って殺してしまいました。ですがその後、鳩は来なくなり、ベランダには何もいません。
いったい妻は何を見ているのか。
罪の意識なのか、それとも本当に鳩の呪いなのか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
13
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる