緋い棺

万雪 マリア

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ボツ挿し絵集

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 入れる予定だったけどやっぱりやめた挿し絵的なもの。モノクロ。
 わたしはあまり絵はうまくありませんが、自分で描いた絵を自分の書いた小説にいれるっていうロマンに身を任せようと思ってやめました。悪気はありません。

 森の棺

 艶がかった、男にしては長い程度の黒髪に、アイスブルーの瞳。端正な顔立ちと、不可解なまでに真っ白な肌が目を引く不思議な男だった。かっちりと着こまれた瞳と同じ色の袴には、皺ひとつない。どこか異様な雰囲気をまとっていて、思わず目をそらした。だがある考えが脳に浮かび、すぐに笑みを作った。



「もちろん、さぞ大変だっただろう、すぐ食事を準備しよう」

 夜の棺

 脳が即座に警告を発して、半ば無意識に凶器を握りしめた。冷静さなんて放り投げて、憎むべき怨敵につかみかかった。そのまま馬乗りになり、眉間に一発、首に二発、こめかみに一発、銃声のたびにビクンと痙攣する体を押さえつけて。どこから撃ったかなんて、ほとんど覚えていない。とにかく、弾倉が空になるまで、何度も何度も何度も撃ち込んだ。ついでに、薄い腹をつぶすつもりで踏みつける。ようやく落ち着いたころには、あたり一帯血の海になっていた。
 ぐ、と首を絞めると同時に、薄くあいた口からごぷりとどす黒い血が漏れ出る。バケモノでも血は赤いのか……。そこまで考えたところで、ふと思った。あぁ、そうだ。掃除をしなければ、彼女は血を見るのが嫌いだった。顔にある方の目玉だけ抉り取ったら、庭にでも埋めておけばいい。きっとおいしい野菜と綺麗な花を咲かせてくれるだろう、彼もうれしいはずだし、彼女も喜んでくれる。一刻もはやく、元通りに、幸せな空間に、戻さなければ。

「は………ははははははははは! あぁ、あぁ、あぁ! ラディウス・スヴェトルーチェ!本当に貴方は面白い方だ!」



 布巾を手に取った時、甲高い声とともに、全身に強い衝撃が走った。

 狂愛の棺

「当然だ……っひぁ゛!?」



 杏樹の肉塊が「ソコ」を通りすぎた瞬間、火花が散った。
 瞼の裏、脳が焼き付くように、バチッと音がした。背骨が甘ったるく溶けるような感覚がした。一度焼き付いた快楽は、一瞬真っ白になった頭は、そして躰というのは従順かつ厄介なもので、今度は「痛い」をはねのけて「気持ちいい」だけをひろってくる。肉が細切れになっているはずなのに、どうしようもなく嫌いで嫌いで嫌いな怪物に犯されているはずなのに、気持ちいい、など。それでも自分でもびっくりするぐらい甲高い気持ち悪い声が出た。杏樹は止めない。

 快楽の棺(初めてのえっち絵)

 杏樹は心底楽しそうににぱっと笑う。殺してやる、何か、そうやって意識を保たないと、恐ろしい何かに食いつぶされてしまいそうで、目の前のバケモノの首を絞めてやろうと手をのばした。だが首に手がふれた瞬間、中になにか、熱くてドロリとしたものが入ってきて、脳が豆電球のフィラメントみたいに焼ききれてしまった。



 棺桶の中に眠る妻は、最後まで目を覚まさないままで。



 枚数少なかったのでオマケもどうぞ。

 1 衣装交換



 2 初期設定のラフが出てきたので晒す

 ラディさん
 茶髪→金髪 黒シャツ→白シャツ ベスト→サスペンダー



 杏樹
 長髪→短髪 軍服→袴 明治っぽい→江戸か大正



 3 即堕ち2コマのようなもの

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