乙女ゲームの世界に転生したけど、そもそもそのゲーム知りません!

あわわ

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幼少期編

20 合同授業(下)

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はい30分経ちました~。疲れたー!今日の授業終わりだい。他にできることがないのと体力的に2回しか持たないんだよね。もうふらふらで早く寝たい。ブレイディはまだバイロン先生とやってる。

「ひゃぁ!」

スポーツドリンクを飲みながら2人を見ていると急にブレイディが奇声を上げて尻餅をついた。そのままじっと自分の右手を眺めている。

(感知できたのかなー?)

と思いながら見ているとバッとブレイディが走ってくる。

「リュサリネラ様!わかった!すごく気持ち悪かった!!」

周りの温度が少し下がってみんなバイロン先生の方をチラ見する。案の定傷ついた顔してる。他人のものが入ってくるんだから普通だと思うけど、言われると傷つくよね…どんまい。

「そ、そっか…魔力感知できてよかったね?」

「うん!リュサリネラ様の言う通り右手をじーっと見たの。そしたらできた!」

「よかったね」

満面の笑みを見せられたら誰も注意できない。むしろみんな赤い顔してプルプルしてる。バイロン先生も。そりゃそうだよね。天使みたいだもん。萌えるのわかる~。

「また一緒に授業してくれる?」

「うん。いいよ」

一緒に授業したかどうかはわからないけど、この笑顔を向けられて断れるわけないな。
僕たちが話している間に使用人たちが片付けを始めている。言わずもがななんだけど、デルヴィーニュ家の使用人たちはもう馬車を止めて待機してる。やっぱり優秀な人たちだったんだね。なんか誇らしいや。

「リュサリネラ様、帰り支度が整いました」

ウィチタがそう報告しに来てくれたから僕もブレイディに帰ると伝える。バイロン先生にもお礼を言って馬車に乗ろうとするとブレイディに言い忘れたことに気づいた。自分の帰り支度が整うのを待っていたブレイディは馬車の前に立ち度待った僕に気づいてこっちを見ている。

「ブレイディ卿。僕のことはリランでいいよ」

そう言うとパッと花が咲いたように笑った。可愛い。

「僕のこともレイでいいよ!リラン」

「うん!」

愛称で呼び合うって初めてだから嬉しくてついつい頬が緩む。いや、破顔してたかも。兎に角るんるんで馬車に乗り込んで帰途に着いた。




♦︎ブレイディ視点♦︎

リュサリネラが言った通り右手に全神経を集中させて何か感じないか感覚を研ぎ澄ます。額に汗が浮かぶ。そろそろ授業が終わるという時間に右手から背中がゾクッとするような何かを感じて驚いた。

「ひゃぁ!」

情けない声を出して尻餅をつく。痛みより右手に残った違和感をじっと眺める。

「おめでとうございます。魔力感知ができたようですね」

上からバイロン先生の声が聞こえた。

(本当にできたんだ……)

そう思うと嬉しくてリュサリネラの方へ走る。リュサリネラの目の前で

「リュサリネラ様!わかった!すごく気持ち悪かった!!」

と言うと少し微妙な顔をして

「そ、そっか…魔力感知できてよかったね?」

と言った。なんだか少し困っているような顔。服装を除けば女の子にしか見えない顔が少し大人びて見える。幼いブレイディには微妙な空気を読み取ることができず興奮状態のまま喋る。

「うん!リュサリネラ様の言う通り右手をじーっと見たの。そしたらできた!」

「よかったね」

(笑った顔、かわいい)

リュサリネラの笑顔に当てられたブレイディは無意識のうちに

「また一緒に授業してくれる?」

と言っていた。リュサリネラは考えることなく答える。

「うん。いいよ」

ブレイディは嬉しくてずっとにこにこ笑いながらリュサリネラと話す。しばらくするとリュサリネラの乳母が近づいてきた。

「リュサリネラ様、帰り支度が整いました」

「わかった。ブレイディ卿、僕は先に帰るね。また今度」

そう言ってバイロン先生の元に行き頭を下げた後馬車に向かって行く。

(もっと話したかったなぁ。!レイナード様のことも何も聞いてない!)

と思っていると馬車に乗りかけていたリュサリネラが振り返って

「ブレイディ卿。僕のことはリランでいいよ」

(あいしょう、だよね?僕のこと、友だちって思ってくれたってことだよね?)

嬉しくて気づいたら叫んでた。

「僕のこともレイでいいよ!リラン」

「うん!」

少し驚いたような顔をしてからすごく甘くて可愛い顔をして笑った。目がリュサリネラから離せなくなるくらい破壊力があった。

「さすが美形評価SSS……」

リュサリネラの乗った馬車が見えなくなってから誰かがそうボソッと呟いた。みんな顔が赤くてじっとリュサリネラが去った方を向いている。

(あれが女の子じゃないって信じられない)

ブレイディも使用人に声をかけられるまでリュサリネラが去った方向をぼーっと見つめていた。

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