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幼少期編
41 初めての使役
しおりを挟む「やっ、はっ、ふっ」
「ふっ、はぁ、やっ、てやっ、は!」
父から貰った短剣と細剣で素振りする。短剣の方は双剣になるからちょっと慣れるのに時間がかかったけど。朝稽古してから素振りが最近の日課になってる。
「ちょっと休憩しよ…」
「お疲れ様です。リュサリネラ様」
タイミングを見計らってウィチタがタオルとかを持ってきてくれた。
お礼を言うと「はい」と優しく笑ってくれる。いつもこれに癒される。小さい時からずっとだね。にしてもウィチタは全然年取らないね?なんで?
「リュサリネラ様」
そろそろみそじ……何でもない。
ウィチタに優しく威圧された気がしたけど…気のせい!だよね?
「ちょっと散歩に行ってくる」
「承知致しました。お気をつけて」
武器たちをアイテムボックスの中に入れて敷地内の森をとことこ歩く。
アイテムボックスはね、余りにも使いた過ぎて出来ないかなー?って唸ってたら使えるようになってたんだよね。中は時間止まってて生き物以外なら何でも入るよ!
昨日から面白いことないかなって散歩を初めてみたんだけど、面白いものが植物とかが沢山あって散歩も日課にして良いかなって思ってる。
しばらく歩いてると少し開けた場所に出た。
「わ、すご~い!きれー」
小川が流れてて葉っぱのドームみたいになってる。小石も結構転がってるんだけど、宝石みたいに色がついてて、透き通ってるものもある。
「わぁ……キラキラだー」
小石の光に透かして見ると中でキラキラと光った。
いろんな石を透かして見たらどれも違う感じで光った。
「これ持って帰っても良いかな?」
「1つか2つだったらいいぞ」
「やった!どれにしよう」
「これとこれなんかオススメだぞ」
オススメしてもらったのはルビーみたいな石とサファイアみたいな石。透かしたらルビー擬きは蝋燭みたいにサファイア擬きはスノードームみたいに光った。
「ほんとだ!きれー!………」
教えてくれたのは誰だ?と顔を上げると小人サイズの赤いトカゲがいた。
「……君が喋ったの?」
「そうだぞ!」
と自慢げに体を逸らした。
「どうしたんだ?おーい」
「おいらは石化使えなかったはずだぞ?」
「大丈夫か?」
「おい!なんか言ったらどうだ!!」
(めっちゃ喋ってる…しかもちょっと起こり始めちゃった……)
「反応しろー《竜の火》!!」
「わ、危ない!」
(《魔法吸収》)
「?!消えた?!」
「ごめんね、びっくりしちゃって…あ、えっと……君、名前は?」
「何でおいらの魔法がきえたんだ?お前なんかしたのか?魔法唱えなかったろ!」
魔法がきえたのを驚いて話聞いてくれない、ってまあそうか。自分の魔法が突然消えたんだもんね。
「えっと、僕、無詠唱だから」
「ふーん、人間でも無詠唱できる奴いるんだなー」
「人間でもって他にできる人いるの?」
「いるぞ!父様使えるぞ!」
と自慢げに僕の周りをぐるぐる回り始めた。目が回りそう~~
「そ、そうなんだ。それで、君の名前は?」
何とかトカゲを捕まえて膝の上に乗せる。トカゲよりドラゴンに似た鱗をしてる。
「トト!竜族の長の息子だぞ!」
「そうなんだ。って、ドラゴン?!」
ドラゴンはお伽話でしか出てこない架空の生き物のはず。このトカゲみたいな子が本当に?って思ったけど、喋ってるもんね。ドラゴンは知能が人間よりも発達してていろんな言葉を喋れるって絵本に書いてあった。
一気にファンタジー要素きた!
「凄いだろ!」
「え、うん。ってこんなところに来ていいの?」
「最近はここで寝てるぞ?お前、名前は?」
きゅるんって首を傾げて応えた。本当の住処は此処じゃないって事だよね?
「僕?僕はリュサリネラだよ。リランって呼んで」
「リランな!わかったぞ」
嬉しそうに膝の上でぴょんぴょんしてるの可愛い。癒されるな。
「で、本当は何処に住んでるの?」
「此処よりもっと遠い山の上だぞ。気づいたら人間がいっぱい居るところに居たからこっちに来たんだぞ」
トトはちょっと悲しそうに顔を伏せてしまった。
(それって密猟とか?)
「親御さんが心配してるんじゃない?」
「そりゃ、会いたいぞ」
目からポタポタ涙がこぼれ落ちた。トトはまだ子供の様だし、親と離れ離れは寂しいだろうな。僕も嫌だもん。
「だよね。どうにかして連れて行ってあげれたらいいんだけど、父様か兄様に話さないと」
「!連れて行ってくれるのか?」
ちょっと涙がまだ残ってるけど、パッと顔を明るくして尻尾で僕の膝を叩く。これはもう連れて行ってあげるしかないよね。親を呼び寄せられたらもっと早く解決すると思うんだけど。
「うん。それか迎えに来てもらえたら良いんだけど…。とりあえず、僕と一緒に来てくれる?」
「……うん」
とまた俯いてしまった。
「どうかしたの?」
「竜族は魔力がいっぱいじゃないと元気じゃないんだぞ。此処はいっぱいだけど……」
「そっか…」
(魔力がないと生きていけないのかな?うーん、何かいい案ないかな?魔力なぁ。魔力って周りから体に取り込んでるのかな?だったら供給できる何かがあったら…あるじゃん!)
「ねぇ、僕に使役させてくれない?」
「使役?ってなんだぞ?」
「僕の部下になるって事なんだけど、そしたら魔力をあげれると思うんだ。でも、君の自由を奪ってしまうと思う。親御さんの居る場所に連れて行くか迎えに来てもらった時に魔法を解くから……どうかな?」
「うーん、魔力貰えるならいいぞ!」
「ありがとう。それじゃあかけるね?」
(《命の契約》)
僕とトトの周りに黒と紫の光が浮き上がって、次第に光は僕の左手とトトのおでこに集まってきて、スペードマークをカッコよく装飾したみたいなマークになり、シールみたいに張り付いた。
(おお、かっこいい!あ、魔力ってどうあげたらいいんだろ?)
トトに聞こうとしたら楽しそうなトトの声が聞こえてきた。
「キラキラふわ~魔力どーん!」
「…トト?それはどういう事?」
「リラン凄いぞ!魔力がどーんって流れてきた!!これなら何処でも行けるぞ!」
使役すれば自動的に魔力が与えられるらしい。にしてもはしゃいでるトト可愛いな。ぴょんぴょん跳ねてくるくる回って楽しそう。
あとは此処からどう運び出そう。普通に肩でも良いけど父か兄に見せるまではあまり人目に付かせたくない。何処に姉がいるかわからないし……うーん困った。
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