乙女ゲームの世界に転生したけど、そもそもそのゲーム知りません!

あわわ

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学園編

1 入学式

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4月。日差しが暖かくなってきた。今日から通うこの学園は13歳からの3年制で、事情があれば家からでも通えるけど、一応全寮制。同じ敷地内に3年制の学院もあって国一のマンモス校になってる。
入学式が行われるのは大ホールと呼ばれる場所らしい。このホールは、アイドルのコンサート会場くらいあるのではないかと思われる程広い。だから座席を探すの大変。

話しかけてきた女子生徒と少し話して再び座席を探す。ようやく見つけた座席は1列目の特別席らしい。

「そんなところで何してるの?もう始まるよ?」

「レイ。何でもないよ」

声をかけてきたのは幼馴染みのブレイディ・シモンズ。濡れたような艶のある藍色の髪に茶色の瞳をした可愛らしいさの残る美少年に成長した。天然に拍車がかかって周りの頬を染める天才になってる。本人は無自覚だからタチが悪い。

先に席まで歩いていると、頬を膨らませながらブレイディが追いかけてきた。周りでドサドサと人が倒れる音が響く。ちらっと様子を見るとみんな赤い顔して鼻を抑えながら床と睨めっこしてた。

「今日も体調悪い人多いね。せっかくの入学式なのに可哀想」

(彼らを悪くしてるのは君だよ?)

半ば呆れながら席に着く。ブレイディは2列目で少し離れてしまった。僕の右隣には大五公家で、将官のマーティン公爵家とその奥に財務官のクルーガー公爵家の嫡男が座っている。大五公家で集められてるから、その横の空席は王族のカミール殿下だと思う。カミール殿下はブロンドの髪に蒼い瞳で、王子といえばこれというような容姿をしている。

「久しぶり、リラン」

そんなことを考えていたら後ろから突然耳元で囁かれた。

(昔は驚いてたんだろうな…)

なんて思いながら立ち、囁いてきたカミール殿下の方を向いて臣下の礼する。

「お久しぶりでございます。カミール殿下」

「そ、そんなかしこまらないでくれ。私と君の仲だろう?」

僕の対応に驚いたらしくタジタジになっている。でもかしこまらないと階級制度が崩壊するんだ。…階級制度が無くてもしてたと思うけど。

「そういう訳にはいきません」

「殿下、入学式が始まるのでお座りになった方がよろしいかと。皆が注目していますよ」

「!わ、悪い。またね、リラン?」

カミール殿下に苦言してくれたのはアーノルド・クルーガーだ。黒髪に黒の瞳と珍しい色を持つ切れ目気味の美丈夫。眼鏡をクイッと持ち上げて僕にウィンクして前を向いた。

(後でお礼言わないと)

ズボンを叩いて席に戻る。パチッと隣に座るアレッサンドロ・マーティンと目が合った。アレッサンドロは僕と目が合うとニカッと人懐っこそうな顔をして笑った。燃えるような赤い髪で青紫色の瞳は感情がよくわかる。

(トトみたい…《ステータス》)

アレッサンドロ・マーティン
13歳

公爵令息
魔力量【神話級】←【上級】
魔法階級【精鋭級】←【初級】
適正属性【火】
称号: 【野生児】【鋼の精神力】【封印された者】
美形評価SS
備考: 身長187cm。武術(武道【神話級】←【特級】)習得。剣術(大剣【絶級】)習得。強化魔法特化。

(チートキャラだ。兄上より強い。でも、【封印された者】?のせいでステータス落ちてる)

「続きまして、新入生代表挨拶。代表、第3王子カミール殿下」

女子生徒たちが黄色い悲鳴を密かにあげ、男子生徒は取り巻きになれるよう食い入って話を聞いてる。
僕はアレッサンドロのステータスのことばかり考えていて気づいたら式が終わってた。


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