5 / 82
第一章 はじまり
4話 ウーラノスの世界
しおりを挟むウーラノスの迫力に少し引き気味の私だったが、肝心なことを聞くのを忘れていた。
「そもそもウーラノス様の世界ってどんな世界なんですか?」
ずっとウーラノスの世界の管理をって言われていてもどんな世界かまだ聞いていないのだ。
「あっ! そうですね、まだお話していませんでした!」
ウーラノスも今気づいたようでハッとした。
「僕の世界は天音さんの世界からすればファンタジー要素が溢れる世界ですね」
ウーラノスの世界はアズフェールと言って天音が住んでいた地球とは違い典型的なファンタジーの世界。剣と魔法の世界。文明的も地球より遅れている。しかし、似ている箇所もあるらしい。例えば、食べ物とかは同じ物も存在してるようだ。他にも似たような文化などがあるらしい……。
アズフェールには存在している生き物に関しては様々な種族がいる。大まかに知識ある生き物として人族、獣人族、竜人族、妖精族、小人族、巨人族、魔族、天族、海族が存在する。
更に細かく言うと例えば獣人族なら獅子族や狼族、犬族、ウサギ族、猫族……など様々な獣人がいる。
妖精族ならエルフ、花族、木族、土族……など。
小人族にはドワーフなど。
巨人族には鬼族など。
魔族にはダークエルフ、吸血鬼族……など。
海族には、人魚族、魚人……など。
人族と竜人族、天族はそのままらしい。
その他の生き物として魔獣と幻獣呼ばれる存在がいる。
魔獣はその名の通り魔力を持った動物。たまに知識ある魔獣も存在する。
幻獣は言葉を話せたり知識がある獣。
と言った感じの生命がアズフェールには存在する。
ウーラノスからアズフェールの話を聞いて私は思った。
小説や漫画に出てきそうな世界ね。少しワクワクちゃうじゃない……。
私はファンタジー要素が溢れる物語が大好きだ。小説や漫画、映画などたくさん見てきた。だから、ウーラノスのアズフェールの話を聞いて思わずウズウズしてしまった。
ウーラノスは私はの様子に気づいたようで期待を込めて問う。
「どうですか? ファンタジー要素満載の世界は地球の若者には人気だと思うんですが、少しは僕の世界が魅力的に思えますか!?」
確かに、小説や漫画の主人公に憧れている子供や若い子なら『異世界転生キター!!』とか思いそうだが、私はそこまで若くない。現実を社会を嫌でも知ってしまっている大人なのだ。そう簡単には流されない。
「確かに魅力的ですが……」
「ですが?」
ウーラノスの表情が途端に期待した顔から不安な顔に変わる。
その様子に少し悪い気もする。だから困った顔をしながら答えた。
「これまで地球の日本で生きてきた私が異世界のファンタジー要素満載の世界で順応できるか不安ですし、何より日本の食文化に慣れてしまってますからね。 ウーラノス様の世界って地球より文明が未熟だって先程言いましたよね? 日本は美味しい食べ物が沢山ありましたから。 それが食べれなくなるのは嫌です。 そう簡単に食の質を変えることはできません」
そう、日本ではそれこそ美味しい食べ物、料理が沢山溢れていた。日本だけじゃなく世界中で沢山美味しい料理があった。それを今から異世界へ行って食べれなくなるのは天音にとっては無理な話だった。
「……いやいや! 僕の世界にも美味しい物は……」
「唐揚げとビール、ラーメンに餃子。それにハンバーガーやピザ、お米は絶対必要だし」
「……」
「それにアイスでしょ、色んな甘い物でしょ、飲み物もお茶にジュースに炭酸飲料も飲みたい!」
「……」
「まだまだ沢山美味しい物食べたいのよ! だから、転生までしてストレスを溜めたくないです。 観光で行くなら是非とも行ってみたいですけどね!」
私の答えにウーラノスはどんどんしょんぼり顔になっていく。
しかし、私はひとつ忘れていることがあった。
「天音さんの言うことは分かりました……。 確かに僕の世界にはその様な食べ物はまだありません……。 でも! これからそんな食べ物が出来るかもしれませんよ! それなら死を選んでどこの世界に転生するかもしれない未来を選択するより僕の世界で楽しむ方が……」
「ちょ、ちょっと待って!!」
何か聞き捨てならないことを聞いた様な……。
「はい??」
「今、死を選んで他の世界に転生するって聞こえたけど……」
私は顔を引き攣りそうになった。
「ああ、そうですね。 もし僕の世界へ転生しなければ天音さんは輪廻転生の流れに戻すのでまた地球に生まれ変わるかは分かりません」
それってもう日本の美味しいご飯食べれないってことじゃーん! それに最初からウーラノス様の世界に転生することが決まっている様なものじゃーん!
私は頭を抱えながら心の中で叫んだ。
そういえば最初の方にもう元の世界には帰れないって言われてたな……。
今更思い出した。自分が思うより混乱していた様だ……。
自分の不甲斐なさに更に落ち込む。
そんな私のことを気の毒に思ったウーラノスはひとつ提案をする。
「もし、僕の世界へと来てくれるなら年に何度か地球の料理をお持ちしますよ!」
私はその言葉に顔を上げる。
「きっと料理くらいなら地球の神様も許してくれると思いますし、まあお店に売っている料理になりますがね」
今の天音にとってはウーラノスからの提案はとても魅力的過ぎた……。
11
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
異世界へ行って帰って来た
バルサック
ファンタジー
ダンジョンの出現した日本で、じいさんの形見となった指輪で異世界へ行ってしまった。
そして帰って来た。2つの世界を往来できる力で様々な体験をする神須勇だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる