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第二章 エウクラトア聖王国
35話 夢の中で……
しおりを挟む私はとりあえずこの人を鑑定することにした。この場合は勝手に鑑定します、ハイ。
だけど、ここで使うのも神眼の方の鑑定。鑑定魔法だとゾワゾワするって言っていたし、万が一に起きたりしたら大変だ……。まあ、私の眠り魔法がそう簡単に解けるとは思えないけどね~。
バージルが言うには神眼で鑑定してもゾワゾワはしない様だから念には念をということで!
ーーーーーーーーーーーーーー
名前 ランダル・カーソン
年齢 46歳
性別 男
種族 人族
レベル 55
体力 45
魔力 206
属性 光、闇
スキル なし
状態 疲労(ストレス)
魂の状態 悪の方より
その他 ウーラ教大司教
教皇派
前カーソン伯爵家三男
妻子あり
ーーーーーーーーーーーーーーー
ほうほう……。魂の状態とかも見れるんだ。
バージルの時とは違い、初めて全て見てみたからこんな風に見れるのか~と感心した。
人族の平均にしては高い方だね。まあ貴族出身みたいだし当然か。
ちなみに人族の平均レベルが35くらい。貴族になるともうちょっと高い。そして、騎士や冒険者は更に高い。
それにしてもこの人も大司教なのね。もっと下っ端の神官かと思った。だって最初にこの地下へと来た時のあのパシリ感。うーん、今でもバージルと同じ地位なのが不思議。
ただ、今の状態が疲労(ストレス)なのは少し可哀想……。きっと教皇や枢機卿達からのストレスが原因だろうな……。
それにしても魂の状態が『悪の方より』とは……。教皇側にいるから結構悪どいことをしていることは間違いない。現にレイナードから無理矢理精霊の力を奪おうとしていたしね。
やっぱりここら辺でお仕置きしておいた方がいいね!
魂の状態が『悪の方より』ならば『善の方』にもなる見込みがあるということだと思うの。だって『悪の方』と断言して書いてなかったしね!お仕置きを受けて反省し、更生すれば良し!
そういう訳でお仕置き決定~。
「よし! 決めた!」
「アマネ様、この男の処遇を決定したのですね」
リドは私がどんな風にお仕置きするのか気になるらしい。リドとルフスは大精霊なだけあって教皇側が精霊達とそのお気に入りの人達にした仕打ちに対して怒っているのだと思う。
私の前だから冷静にしているように見えるけど、本当は結構怒りを抑え込んでいると思う。だって目がすっごく怒っているもん。
マリンとシストももちろん精霊に対しての仕打ちに怒ってはいるけど、大精霊程ではないと感じる。きっと大精霊は精霊王に次いで他の精霊達を守ることが本能であるのかもしれないなと思った。
「この人にはお仕置きをしようと思う……」
私の言葉にホッとするリドとルフス。きっと私が言葉にするまではどこか落ち着かなかったのだろう。
「それで、どんなお仕置きをお考えで……?」
そんな期待した目で見ないでおくれ、ルフスよ……。
「ここは、悪夢を見てもらおうと思っているんだ」
「「悪夢??」」
二人は私の言ったことに首を傾げていた。
私が考えたお仕置きはこう。今の眠っている状態を利用する。このカーソン大司教?の夢へと魔法で干渉する。その夢の中でカーソン大司教にとっての悪夢をランダムで見てもらうことにする。
このお仕置きの夢魔法はやってきたことの悪さに比例して悪夢のレベルが決まるように設定する。
今回実際には私が夢の設定を一から考えるのではなく完全にランダム。まあ、言ってしまえばカーソン大司教の深層心理にある罪悪感が刺激されて悪夢を見させられるから効果は絶大だと思う。あと、本音を言うと残酷な夢なんて私は考えたくない!スプラッターとか嫌だ!!
だから、残酷な悪夢になるかは本人次第ということ。本人任せな夢魔法です、ハイ。
そして、私がかける魔法だからきっと最後まで見ないと起きれない。それって結構キツイよね……!だって夢ってヤバいってなった時に起きたりして『ああ夢か……』って安心できるじゃん?だけど、それが今回は出来ないの。しっかり最後まで悪夢を見てもらいます!
物理的なお仕置きではなく精神的なお仕置き。
ざっとこんな感じでリド達に説明した。すると、リドとルフスは先程とは違い少し楽しそう……。
「それは、いい魔法ですね! アマネ様!」
「ここでじっくりと夢を見ている様子を見ていたい気もしますが、早く帰らねばなりませんからね」
「……そうだね」
なんか変なプレッシャーがあるけど、そろそろ本当に帰りたいのでさっさと夢魔法をかけることにする。
私はカーソン大司教に近づき頭の方へと手を翳した。そして、イメージする。犯した罪や悪に対して比例して悪夢を見るイメージ。
一瞬ぼわぁんと怪しくカーソン大司教の頭が光った。
すると、今までスヤスヤと眠っていたカーソン大司教の顔が歪み始めた。早速悪夢が始まったようだ。
その様子を見ていた私の精霊達はおお~と感心している……。
「早速見ていますね、悪夢」
「どんな悪夢なのでしょうか……?」
「きっと怖い夢です!!」
「やいっ! やいっ!」
リドとルフス、マリンがカーソン大司教の様子を観察している中、シストだけが何故かカーソン大司教のことを猫パンチならぬ、虎パンチをしている。
そして、何故かシストがパンチすると更に魘されるカーソン大司教。何かが効いている様子……。
「シスト何しているの?」
「わるいことしたから、こらしめているの!」
シストなりに精霊達にした仕打ちの仕返しだということだね。そんなシストの行動を見てリドとルフスも少しは怒りが鎮まったように見える。
シストは何回かパンチをするとスッキリしたように私の元へと来る。
「アマネさま! おわったの!」
私はシストの頭を撫でてみんなに言った。
「さて、戻ろうか」
そう言って結局私達は悪夢を見るカーソン大司教をそのままにしてマーエル達がいる場所へと転移した。
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