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19話
しおりを挟むあれからあっという間に時が過ぎました。
わたくしは18歳になりましたわ。ここまで立派に成長出来たのはお父様とお母様が常に一緒にいてくださることと、なりより、ニーナがわたくしの為に誠心誠意仕えてくれていからですわね。
もちろん、あの人達だけならわたくしはもう既にこの世にはいないでしょうね。
少しだけ過去を思い出すと、まあそれはそれは、腹が立つことばかりですわ!
だけど、その度にお父様や、お母様、それに精霊達があの人達にお仕置きをして下さいますの!
ふふっ、わたくしにお仕置きという名の虐待をしようものならそれが倍になって自分に返ってくるのですもの。
そんなことが何回も起きれば普通の人なら気づいてやめますのに、愚かな頭の弱い人達は全然気づかないのですわ。本当に愚かですわね……。
例えばですけど、わたくしの物を欲しがるキャシーは、わたくしがお母様から用意していただいたドレスを強引に奪う。これはもう幼い時からですわね。
そんな奪ったドレスはキャシーが着る前にボロボロになってしまうか、どうしてもサイズが合わず着れない。
だってわたくしが着ている物は全て精霊達が作ってくれた物。わたくしが着る為だけに精霊達は心を込めて作ってくれている。そんなドレスがわたくし以外に着られることを許さない精霊達がドレスをボロボロにしたり、着れないようにサイズを小さくしたりしている。
最初はギャーギャーと、わたくしが意地悪してドレスをボロボロにすると言っていたキャシーだったが、ある時わたくしから奪ったドレスをキャシーが持った瞬間にボロボロになり、そこにいた皆が驚いていた。
だけど、それでもキャシーはわたくしのドレスを奪う。まったくいい加減にして欲しいわ。ドレスだけじゃ無いけど他にも色々とわたくしの物ならなんでもいいらしいキャシーは兎に角奪う。もう奪うことに執着を持っている様だわ……。
お義母様はわたくしに教育という名の虐待をしてきましたわ。それにお義母様が雇った家庭教師も愚かな人ばかり。少し間違えただけで体罰をわたくしに与えてくる。
だけど、わたくしにはその様なことは通用しませんでしたわ。お父様がわたくしに守護の加護をして下さったの! だから、わたくしには叩かれようが、殴られようが、鞭で打たれようが、ちっとも痛くも痒くもありません。
全て悪意のある攻撃は、攻撃した者に返っていきました。
だから、家庭教師は自ら辞めていきましたわ。
大体、わたくしには家庭教師など必要ありませんでしたわ。淑女としてのマナーや常識はお母様が教えてくださいましたし、知識はお父様が教えてくださいました。それに、人間の学問については昔、人から精霊になったコーデルが教えてくれますわ。
そう、大きくなったら見えるようになった精霊達は本当に沢山の精霊達がわたくしの側にいましたわ! 初めて精霊が見えた時は驚きというよりも、ああ、ここがわたくしの居場所……と思ったくらいに安心感が心を満たしましたわ。
精霊達は皆、わたくしの家族の様です。お父様とお母様、そして精霊達。早く精霊界に行きたいですわ。そしてこの柵だらけの人の世から離れたいです。
ーーだけど、あの人の側だけは離れたくないわ……。
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