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第三話
しおりを挟む……殺しちゃダメ!!
またしても聞こえる謎の声。この声の正体が一体なんなのか、知りたいところではあるが、シアに見当がつかない。
が今はそれどころじゃない。
シアは控室のベンチで傷を負って横たわっていた。控室にはシア同様、傷だらけの人で溢れかえり、暗い雰囲気が控室に漂っていた。
そんな雰囲気の中をひょうきんとした若い男性が控室に入ってきた。どうやら彼は医者みたいだ。
彼はみんなにこう言った。
「今から手当てをします。手当を受けたい方は挙手をお願いします」
古参の人たちは手をあげないが、新参者達は痛みに対きれず手をあげる。その中にもシアは含まれていた。彼は手をあげた人だけ手当を済ませると控室から出ていく。
その後に、会場の職員がやって来て、4時間分の100ポイントが支払われた。だがシアが受け取ったポイントは50ポイント。
さすがのシアも、その事を職員に言うと、職員は鼻で笑ってこう言った。
「お前さ4時間も立ってないだろう。いいかーー途中で倒れた奴はマイナス30ポイント。それに加えてて治療費代がマイナス20ポイント。含めてお前に支払われるポイントはいくつだ」
何をそんなに怒っているのか、怒りたいのはシアの方だ。
倒れたことも、治療代も、マイナスになる事なんて何一つ聞いていない。
それでもシアは、全部飲み飲んで納得するほかなかった。
ここでいざこざを起こして出入り禁止を喰らえば、この街で1番稼げる仕事を失ってしまう。最低でも1日100ポイント。それ以上下回れば、月3000ポイントなんて到底及ばない。
だからこそシアは、もう一度地獄の門をくぐる決意を固め、闘技場に血に足を踏み入れた。
だが現実は残酷なものーー気合を入れて臨むも、シアはまたしても闘技場で倒れ込んだ。
目覚める場所は先程と同じ控室。それでも50ポイントは支払われると思いきや、職員は呆れた声でこう言った。
「お前わざと倒れているだろ。そんな奴に、ポイントなんて支払われるわけないだろう」
そんなことはないと一喝したいが、みんな同じ条件の中で自分だけ途中で倒れておいて、ポイントをくれとゆうのは虫のイイ話だ。
今日の仕事は終了し、シアは手当を受けないまま片道1時間以上かけて帰る中、上級階級を乗せた馬車から、聞こえるのはご満悦の声ーー。
それに比べてシアは、くたびれた様子で薄明の空の下をただただ歩くのであった。
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