夏なので、怪談話を１つ

テレビその2

古い家を建て直し、新しい家に生まれ変わりました。
しかし、建物以外はそのままだった様です。

新しい家は3階建てで、1階が車庫、2階がリビングとキッチン、お風呂、3階が各自の部屋でした。
2階には、少し大きめのテレビが置かれており、食事の際などはそこで家族団欒で過ごしてたのです。
ある朝、私は父に聞かれました。

「昨晩テレビを消したか？」
「もちろん、消したよ」
「お前達もか？」
「消したの確認したよ」

一緒にいた姉に尋ねても、返答は同じでした。
父は首を捻ります。
どうしてそんなことを聞くのか？と逆に尋ねると、父はこういうのです。
昨日の晩、リビングに行くと誰もいないのにテレビだけがついていたと。
その時は、おかしいねで終わったのですが、次の日も、そのまた次の日も、テレビが勝手についたのです。
今ならば、時間設定した電源が付いたのでは？と思いつくかもしれませんが、古いテレビでしたのでその機能自体がついていません。
姉達はもしかしたらと、インスタントカメラを持ち出し、その部屋を撮りました。
すると……写っていました。
いくつもの白い球体が、写真に。
オーブと呼ばれるものでした。
心霊写真が撮れたときゃーきゃーと叫ぶ姉達をよそに、父は神主さんに相談しました。
その後は勝手にテレビがつくことはありませんでした。
オーブの出た写真は、いつの間にか、どこかへいってしまい証明することは今は出来なくなりました。
それでも、動物達には何かわかるのでしょうか？
時々、飼っている猫と犬が、怯えたようにそちらを向いているのです。