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第三章 二人の秘密
32.行き来する心
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「よくわからないけど、ジェイス、私は今すごく幸せよ。兄の死のことは知られたくなかった。あなたに嫌われたくなかったの。だけど、あなたは私に罪はないと言ってくれた。それに、その、私を一番好きだと言ってくれたし……」
ジェイスはローゼが前世の悲しみや苦しみを思い出さないように願った。思い出せば計り知れない悲しみの記憶を持つことになる。
呪いが解けた時、魂はまっさらになって生まれ変われるようになり、記憶を引き継がなくなった。
恐らく漆黒の髪の魔法使いならば魂に刻まれた記憶を戻せるのだろうが、ジェイスはそんなことは望まないし、頼むつもりもない。
「レアナのことは悪かった……。あの占い師がレアナにも媚薬を渡していた。俺はあれを飲ませられ、何も考えられなくなった。
完全に油断していた。俺のせいだ。君を傷つけるような真似をして申し訳なかった。ローゼ、どうか許してくれ。愛しているのは君だけだ」
「ウェンのこと……なんだかまだよくわからない。だって死にかけていた私を助けてくれた人なのに……」
孤独なローゼの唯一の味方のふりをして近づいてきたウェンの呪縛は簡単には解けない。
「魔法使いが人の情を解さないのは知っているだろう?あれは自分の利益のために利用できそうだと思えば助けるふりぐらいする生き物だ。長年信じてきたものに裏切られていたと考えることは難しいと思うが、俺の言葉だけを信じて欲しい」
ジェイスは強い口調でローゼに語り掛けた。
ローゼはもう何も言わず、二人はぴたりと体を寄せ合った。
折り曲げたジェイスの膝の上に頬を押し付けていたローゼは、ふと、ジェイスの腿の間に痛そうなほど腫れあがった膨らみを見つけた。
ズボンが破れてしまうのではないかと心配になるほど布地を突き上げている。
ジェイスが一人で性欲を慰めた話を思い出し、ローゼは手を伸ばしてズボンの紐を解いた。
ローゼが水晶に入っていた間の話であり、ローゼの記憶にはないことだったが、長い間欲求不満だったことだけはなんとなく伝わった。
「うっ……ローゼ?」
締め付けていたズボンが緩み、ジェイスは少しだけほっとしたが、中の物が跳ね上がるように飛び出した。
「ローゼ、ゲイトがそこに毛布を置いていった。俺達の体を包んでくれ」
頬を赤く染め、ジェイスが頼む。
ローゼはすぐに傍らに手を伸ばし、毛布を掴むと、それで二人の体を包み込む。
毛布の両端をジェイスの背中と塔の間に挟み、固定すると、小柄なローゼの体は毛布の中にすっぽり隠れてしまった。
「ローゼ、君の分の毛布もあるだろう?」
大きな体の下に隠れてしまったローゼは汗ばみ、息苦しそうだ。
ジェイスはまだ体が自由に動かず、疲れた様子で目まで閉じている。
ローゼは少しでも余計な苦痛を和らげようとジェイスの股間に潜り込み、先を濡らした張り詰めた肉の塊を柔らかくくわえこんだ。
その直後、ローゼの喉の奥に液体が迸った。
まさか口に含んだだけで噴き出してくるとは思わず、ローゼは慌てたが、その後頭部をジェイスがそっと抑えた。
その感触に、ローゼは落ち着きを取り戻し、喉の奥に吐き出されているものをゆっくり飲み込んだ。
先端を舐めて吸い出したが、口に頬張っているものはまだ固く張り詰め、熱を持っている。
「ローゼ………」
頭上から掠れたジェイスの声が聞こえ、ローゼはなんとかしなければと唇で肉棒の形をなぞるように擦り上げた。
今度は腰も震え、ジェイスの低いうめき声がローゼの耳に届く。
「この体……若いな……」
長年欲求不満だった想いと、肉体の若さで、あっというまに熱を持った肉棒は膨れ上がり、ジェイスはまたすぐに溜まっていたものを吐き出した。
後頭部を優しく押され、ローゼは喉まで咥えこみそれを飲み込む。
少しだけ力を失った肉の塊から口を離すと、ローゼが囁く。
「どう?楽になった?」
浅い息遣いで、ジェイスはうっすらと目を開けて膝の間にいるローゼの愛らしい顔を見おろした。
あんまりにも残酷な問いかけだ。こんなことまでされたら我慢できることも我慢できなくなる。
「だめだ。ローゼ、塔に上がろう」
ずり落ちそうなズボンを押さえ、よろめきながら立ち上がるジェイスに、ローゼが毛布を巻きつけながら寄り添う。
突然木立の向こうから声がした。
「どうした?ジェイス!手を貸すか?」
広場の外で見張りをしていた仲間の声だ。
答える気力はなく、ジェイスは片手をあげて大丈夫だと合図した。
ローゼが素早く塔の扉を開ける。
その顔は湯気が出そうなほど赤くなっている。
毛布で見えなかったとはいえ、見張りの騎士達の眼前で男のものをしゃぶっていたのだと今になって気が付いた。
ジェイスは毛布の端を掴むと恥ずかしそうに縮こまるローゼを庇い、塔に入った。
鍵を下ろし、体を引きずるように二階に上がる。
ジェイスの体をローゼは支えようとしたが、どちらかというと、ローゼの体を引きずっていたのはジェイスだった。
窓から少し離れたところで、ジェイスは横たわり、ローゼに頼んだ。
「ローゼ、毛布で体を隠して入れてくれ。入れるだけでいいから……」
窓からは見えない位置だと確認し、ローゼは毛布を落とし、下着を脱ぐとスカートをまくり上げジェイスの上にまたがった。ズボンを半ばまで下ろしたジェイスの股間には先ほど出したとは思えないほど大きな物がたちあがっている。
その体にまたがり、ローゼはまだ濡れていない柔らかな秘部をジェイスの熱いものにこすりつけた。
苦しそうにジェイスが喘ぎ、ローゼはゆっくりと慣らしながら、固そうで柔らかいそれを胎内に埋めていく。
「信じられない……」
ジェイスが呟いた。何十年もこの感覚に恋い焦がれ、窓から水晶に封じられたローゼを見つめ続けてきた。温かく愛しいその熱が信じがたい快楽をもたらし、例えようもない幸福が全身を包み込む。
「ローゼ、傍にきてくれ」
力を失っているジェイスの声は小さかったが、ローゼには聞こえた。
ドレスを脱ぐと素肌をジェイスの胸に滑らせる。
乳房の先端がジェイスの逞しい胸の上を滑り、胸毛がこすれると、ローゼは愛らしい声で鳴いた。
途端に、ジェイスの腰がわずかに浮いて、ローゼの奥を刺激する。
「あっ……」
その瞬間、ジェイスは驚いた声をあげた。
「な、なんだっ!体が……うずくように気持ちいい。奥が焼けるような……いや、こんな感覚は知らない」
ジェイスが目を開けると、そこには横たわる自分の姿があった。
「あ、なんか出ちゃいそう……」
目の前のジェイスが口を開き、少し間抜けな発言をする。
ジェイスは自分の体を見おろし、慌てて毛布をとりあげると背中からかぶった。
ジェイスの意識が入っているのはローゼの体だった。
となれば、今石の床に横たわり、困惑した様子で腰を振っているジェイスの体にはローゼの意識が入っている。
二人は普段鏡無しでは見ることのできない自身の顔を正面から見つめていた。
「ジェイス?なんか……これで合っている?」
ジェイスの体から出る方法などわからないローゼは、戸惑いながらも強い快感に翻弄され、助けを求めた。その体は無意識に腰を突き上げる。
その上にまたがるローゼの肉体にはジェイスの心が宿る。
未知の感覚に襲われ、ジェイスはローゼの声で思わず声をあげた。
「うわぁ……」
ローゼの声で発せられたその悲鳴はあまりにも間抜けで、ジェイスは恥ずかしさでローゼの顔を赤くした。
魔力が互いの体を行き来し、混ざり合い丁度良い量を探っている。
「ローゼ……奥が熱い。甘く疼くように気持ちがいいが、体が溶けそうで、力が出ない」
ローゼの体に入っているジェイスが訴える。
ジェイスの体に入っているローゼも困っていた。
「ジェイス、ごめんなさい。我慢する方法がわからない」
股間から何かが弾け出そうな感覚があるが、ローゼはそれを我慢する方法がわからず混乱した。
顔を真っ赤にしてローゼが、ジェイスの体で腰を跳ね上げた。
打ち付けられる熱をジェイスはローゼの体で受けとめ、悲鳴を堪える。
「これが君の感覚か?俺の物が……こんな風に君に入っていたなんて知らなかった。こんな幸福があるか?体中が埋め尽くされ支配されているようだ。俺がそんな風に君を抱いていたのだと思うと最高だ」
「支配なんて……。あなたの物になったみたいで、いつも幸せだった」
「誰の身代わりでも」と、続きそうになった言葉をローゼは飲み込んだが、ジェイスは察した。魔力が入れ替わり、心は元の体に戻っていた。
ジェイスは疼くような快楽に耐えるローゼの体を仰向けの状態で見上げ、自身の熱がローゼの中におさまっている幸福な感覚に酔いしれた。
ローゼの体を支配し、快楽に溺れさせることが出来るのは自分だけだ。
魔力はまだ激しく渦巻いている。
立ち上がる力はなかったが、ジェイスはなんとか腰を押し上げた。
ローゼが鳴き、顔を赤くして恥ずかしそうに身をよじる。
ジェイスはその体を引き寄せ、毛布の中に隠した。
再び意識が入れ替わる。
ローゼの体は今のジェイスの体よりずっと動ける。
男の体を見ながら腰を振るというのは奇妙な感覚だが、ローゼの体に沸き上がる例えようもない快感は最高だった。快楽よりも、ジェイスにとっては、ローゼの体を完全に支配しているという感覚が気に入った。
ジェイスがローゼの体で腰を振ると、男の体の使い方など知らないローゼは嫌だと首を振りながら男の熱を何度も吐き出した。
「不思議だな……俺の顔なんて見たくもないが、君が喘いでいるのかと思うと、いじめたくなる」
ジェイスはローゼの体を動かし、男の物を中で擦り続ける。
「ひ、ひどいっ。あなたがいじめているのは自分の体よ!また……出ちゃうってば」
ごつい男の体だけみれば、間抜けな発言だが、ローゼが言っているのだと思うとこれはこれで楽しい。
「んっ……苦しい……あんまり擦らないでよ……」
ジェイスの低い声でローゼが苦しそうに喘ぐ。
脳が溶けそうな快感に耐え、ジェイスは張り切ってローゼの体を動かす。
胎内に熱く膨れ上がる肉棒はジェイスのもので、それをこすりあげるローゼの体を動かしているのもジェイスだ。
ローゼは初めて入った男の体に翻弄され、快感を堪えきれず何度も白濁した欲望を吐き出して喘いでいる。
「俺が何年耐えたと思っている。何十年分では足りないぞ。愛する女を目の前にして指をくわえ、虚しく一人で腰を振っていたんだ。屈辱に泣いて、君恋しさに意味のない後悔を繰り返し、自身の手で抜かなければならなかった年月は短くはなかった。
君の体に入りたかった。ずっと俺のものにしたかった」
いつの間にか、その声はローゼの声からジェイスの声にかわり、心はもとの体に戻っている。
ジェイスは胸にローゼの体を抱きしめた。腰だけが震え、再びローゼの中に熱いものを吐き出す。
「溢れちゃいそう……」
ローゼが心配そうにつぶやく。
ジェイスと体が入れ替わった時に、あっという間に頭が真っ白になるような快感を何度も味あわされた。飛び出したものが全部自分の体に入っていくのかと思うと恐ろしかったのだ。
そんなに入るところが自分の体にあっただろうかと心配になるほどだった。
ジェイスはそんなこと心配していなかった。
「ローゼ、気持ちいいか?」
体が入れ替わった時に、ジェイスが感じた、男に全身を支配されるような快感がローゼの体を包んでいることを確認する。
「うん……気持ちいい」
安堵して、ジェイスはローゼの体の中心に自身を埋め込んだまま動きを止めた。
「力尽きたな……。でも魔力は落ち着いてきている。朝になれば動けるようになるだろう」
ジェイスはローゼを胸の上で抱いたまま目を閉じた。
ローゼが驚いて目だけでジェイスを見上げる。
「このまま寝るの?中に入ったままだし、それに重くない?」
「このままにしてくれ。魔力が落ち着くまでだ」
目も開けず弱った口調で言われたら何も言い返せない。ジェイスの物を埋め込んだまま、疼くような快感に耐え、ローゼはなんとか眠ろうと目を閉じた。
ジェイスはローゼが前世の悲しみや苦しみを思い出さないように願った。思い出せば計り知れない悲しみの記憶を持つことになる。
呪いが解けた時、魂はまっさらになって生まれ変われるようになり、記憶を引き継がなくなった。
恐らく漆黒の髪の魔法使いならば魂に刻まれた記憶を戻せるのだろうが、ジェイスはそんなことは望まないし、頼むつもりもない。
「レアナのことは悪かった……。あの占い師がレアナにも媚薬を渡していた。俺はあれを飲ませられ、何も考えられなくなった。
完全に油断していた。俺のせいだ。君を傷つけるような真似をして申し訳なかった。ローゼ、どうか許してくれ。愛しているのは君だけだ」
「ウェンのこと……なんだかまだよくわからない。だって死にかけていた私を助けてくれた人なのに……」
孤独なローゼの唯一の味方のふりをして近づいてきたウェンの呪縛は簡単には解けない。
「魔法使いが人の情を解さないのは知っているだろう?あれは自分の利益のために利用できそうだと思えば助けるふりぐらいする生き物だ。長年信じてきたものに裏切られていたと考えることは難しいと思うが、俺の言葉だけを信じて欲しい」
ジェイスは強い口調でローゼに語り掛けた。
ローゼはもう何も言わず、二人はぴたりと体を寄せ合った。
折り曲げたジェイスの膝の上に頬を押し付けていたローゼは、ふと、ジェイスの腿の間に痛そうなほど腫れあがった膨らみを見つけた。
ズボンが破れてしまうのではないかと心配になるほど布地を突き上げている。
ジェイスが一人で性欲を慰めた話を思い出し、ローゼは手を伸ばしてズボンの紐を解いた。
ローゼが水晶に入っていた間の話であり、ローゼの記憶にはないことだったが、長い間欲求不満だったことだけはなんとなく伝わった。
「うっ……ローゼ?」
締め付けていたズボンが緩み、ジェイスは少しだけほっとしたが、中の物が跳ね上がるように飛び出した。
「ローゼ、ゲイトがそこに毛布を置いていった。俺達の体を包んでくれ」
頬を赤く染め、ジェイスが頼む。
ローゼはすぐに傍らに手を伸ばし、毛布を掴むと、それで二人の体を包み込む。
毛布の両端をジェイスの背中と塔の間に挟み、固定すると、小柄なローゼの体は毛布の中にすっぽり隠れてしまった。
「ローゼ、君の分の毛布もあるだろう?」
大きな体の下に隠れてしまったローゼは汗ばみ、息苦しそうだ。
ジェイスはまだ体が自由に動かず、疲れた様子で目まで閉じている。
ローゼは少しでも余計な苦痛を和らげようとジェイスの股間に潜り込み、先を濡らした張り詰めた肉の塊を柔らかくくわえこんだ。
その直後、ローゼの喉の奥に液体が迸った。
まさか口に含んだだけで噴き出してくるとは思わず、ローゼは慌てたが、その後頭部をジェイスがそっと抑えた。
その感触に、ローゼは落ち着きを取り戻し、喉の奥に吐き出されているものをゆっくり飲み込んだ。
先端を舐めて吸い出したが、口に頬張っているものはまだ固く張り詰め、熱を持っている。
「ローゼ………」
頭上から掠れたジェイスの声が聞こえ、ローゼはなんとかしなければと唇で肉棒の形をなぞるように擦り上げた。
今度は腰も震え、ジェイスの低いうめき声がローゼの耳に届く。
「この体……若いな……」
長年欲求不満だった想いと、肉体の若さで、あっというまに熱を持った肉棒は膨れ上がり、ジェイスはまたすぐに溜まっていたものを吐き出した。
後頭部を優しく押され、ローゼは喉まで咥えこみそれを飲み込む。
少しだけ力を失った肉の塊から口を離すと、ローゼが囁く。
「どう?楽になった?」
浅い息遣いで、ジェイスはうっすらと目を開けて膝の間にいるローゼの愛らしい顔を見おろした。
あんまりにも残酷な問いかけだ。こんなことまでされたら我慢できることも我慢できなくなる。
「だめだ。ローゼ、塔に上がろう」
ずり落ちそうなズボンを押さえ、よろめきながら立ち上がるジェイスに、ローゼが毛布を巻きつけながら寄り添う。
突然木立の向こうから声がした。
「どうした?ジェイス!手を貸すか?」
広場の外で見張りをしていた仲間の声だ。
答える気力はなく、ジェイスは片手をあげて大丈夫だと合図した。
ローゼが素早く塔の扉を開ける。
その顔は湯気が出そうなほど赤くなっている。
毛布で見えなかったとはいえ、見張りの騎士達の眼前で男のものをしゃぶっていたのだと今になって気が付いた。
ジェイスは毛布の端を掴むと恥ずかしそうに縮こまるローゼを庇い、塔に入った。
鍵を下ろし、体を引きずるように二階に上がる。
ジェイスの体をローゼは支えようとしたが、どちらかというと、ローゼの体を引きずっていたのはジェイスだった。
窓から少し離れたところで、ジェイスは横たわり、ローゼに頼んだ。
「ローゼ、毛布で体を隠して入れてくれ。入れるだけでいいから……」
窓からは見えない位置だと確認し、ローゼは毛布を落とし、下着を脱ぐとスカートをまくり上げジェイスの上にまたがった。ズボンを半ばまで下ろしたジェイスの股間には先ほど出したとは思えないほど大きな物がたちあがっている。
その体にまたがり、ローゼはまだ濡れていない柔らかな秘部をジェイスの熱いものにこすりつけた。
苦しそうにジェイスが喘ぎ、ローゼはゆっくりと慣らしながら、固そうで柔らかいそれを胎内に埋めていく。
「信じられない……」
ジェイスが呟いた。何十年もこの感覚に恋い焦がれ、窓から水晶に封じられたローゼを見つめ続けてきた。温かく愛しいその熱が信じがたい快楽をもたらし、例えようもない幸福が全身を包み込む。
「ローゼ、傍にきてくれ」
力を失っているジェイスの声は小さかったが、ローゼには聞こえた。
ドレスを脱ぐと素肌をジェイスの胸に滑らせる。
乳房の先端がジェイスの逞しい胸の上を滑り、胸毛がこすれると、ローゼは愛らしい声で鳴いた。
途端に、ジェイスの腰がわずかに浮いて、ローゼの奥を刺激する。
「あっ……」
その瞬間、ジェイスは驚いた声をあげた。
「な、なんだっ!体が……うずくように気持ちいい。奥が焼けるような……いや、こんな感覚は知らない」
ジェイスが目を開けると、そこには横たわる自分の姿があった。
「あ、なんか出ちゃいそう……」
目の前のジェイスが口を開き、少し間抜けな発言をする。
ジェイスは自分の体を見おろし、慌てて毛布をとりあげると背中からかぶった。
ジェイスの意識が入っているのはローゼの体だった。
となれば、今石の床に横たわり、困惑した様子で腰を振っているジェイスの体にはローゼの意識が入っている。
二人は普段鏡無しでは見ることのできない自身の顔を正面から見つめていた。
「ジェイス?なんか……これで合っている?」
ジェイスの体から出る方法などわからないローゼは、戸惑いながらも強い快感に翻弄され、助けを求めた。その体は無意識に腰を突き上げる。
その上にまたがるローゼの肉体にはジェイスの心が宿る。
未知の感覚に襲われ、ジェイスはローゼの声で思わず声をあげた。
「うわぁ……」
ローゼの声で発せられたその悲鳴はあまりにも間抜けで、ジェイスは恥ずかしさでローゼの顔を赤くした。
魔力が互いの体を行き来し、混ざり合い丁度良い量を探っている。
「ローゼ……奥が熱い。甘く疼くように気持ちがいいが、体が溶けそうで、力が出ない」
ローゼの体に入っているジェイスが訴える。
ジェイスの体に入っているローゼも困っていた。
「ジェイス、ごめんなさい。我慢する方法がわからない」
股間から何かが弾け出そうな感覚があるが、ローゼはそれを我慢する方法がわからず混乱した。
顔を真っ赤にしてローゼが、ジェイスの体で腰を跳ね上げた。
打ち付けられる熱をジェイスはローゼの体で受けとめ、悲鳴を堪える。
「これが君の感覚か?俺の物が……こんな風に君に入っていたなんて知らなかった。こんな幸福があるか?体中が埋め尽くされ支配されているようだ。俺がそんな風に君を抱いていたのだと思うと最高だ」
「支配なんて……。あなたの物になったみたいで、いつも幸せだった」
「誰の身代わりでも」と、続きそうになった言葉をローゼは飲み込んだが、ジェイスは察した。魔力が入れ替わり、心は元の体に戻っていた。
ジェイスは疼くような快楽に耐えるローゼの体を仰向けの状態で見上げ、自身の熱がローゼの中におさまっている幸福な感覚に酔いしれた。
ローゼの体を支配し、快楽に溺れさせることが出来るのは自分だけだ。
魔力はまだ激しく渦巻いている。
立ち上がる力はなかったが、ジェイスはなんとか腰を押し上げた。
ローゼが鳴き、顔を赤くして恥ずかしそうに身をよじる。
ジェイスはその体を引き寄せ、毛布の中に隠した。
再び意識が入れ替わる。
ローゼの体は今のジェイスの体よりずっと動ける。
男の体を見ながら腰を振るというのは奇妙な感覚だが、ローゼの体に沸き上がる例えようもない快感は最高だった。快楽よりも、ジェイスにとっては、ローゼの体を完全に支配しているという感覚が気に入った。
ジェイスがローゼの体で腰を振ると、男の体の使い方など知らないローゼは嫌だと首を振りながら男の熱を何度も吐き出した。
「不思議だな……俺の顔なんて見たくもないが、君が喘いでいるのかと思うと、いじめたくなる」
ジェイスはローゼの体を動かし、男の物を中で擦り続ける。
「ひ、ひどいっ。あなたがいじめているのは自分の体よ!また……出ちゃうってば」
ごつい男の体だけみれば、間抜けな発言だが、ローゼが言っているのだと思うとこれはこれで楽しい。
「んっ……苦しい……あんまり擦らないでよ……」
ジェイスの低い声でローゼが苦しそうに喘ぐ。
脳が溶けそうな快感に耐え、ジェイスは張り切ってローゼの体を動かす。
胎内に熱く膨れ上がる肉棒はジェイスのもので、それをこすりあげるローゼの体を動かしているのもジェイスだ。
ローゼは初めて入った男の体に翻弄され、快感を堪えきれず何度も白濁した欲望を吐き出して喘いでいる。
「俺が何年耐えたと思っている。何十年分では足りないぞ。愛する女を目の前にして指をくわえ、虚しく一人で腰を振っていたんだ。屈辱に泣いて、君恋しさに意味のない後悔を繰り返し、自身の手で抜かなければならなかった年月は短くはなかった。
君の体に入りたかった。ずっと俺のものにしたかった」
いつの間にか、その声はローゼの声からジェイスの声にかわり、心はもとの体に戻っている。
ジェイスは胸にローゼの体を抱きしめた。腰だけが震え、再びローゼの中に熱いものを吐き出す。
「溢れちゃいそう……」
ローゼが心配そうにつぶやく。
ジェイスと体が入れ替わった時に、あっという間に頭が真っ白になるような快感を何度も味あわされた。飛び出したものが全部自分の体に入っていくのかと思うと恐ろしかったのだ。
そんなに入るところが自分の体にあっただろうかと心配になるほどだった。
ジェイスはそんなこと心配していなかった。
「ローゼ、気持ちいいか?」
体が入れ替わった時に、ジェイスが感じた、男に全身を支配されるような快感がローゼの体を包んでいることを確認する。
「うん……気持ちいい」
安堵して、ジェイスはローゼの体の中心に自身を埋め込んだまま動きを止めた。
「力尽きたな……。でも魔力は落ち着いてきている。朝になれば動けるようになるだろう」
ジェイスはローゼを胸の上で抱いたまま目を閉じた。
ローゼが驚いて目だけでジェイスを見上げる。
「このまま寝るの?中に入ったままだし、それに重くない?」
「このままにしてくれ。魔力が落ち着くまでだ」
目も開けず弱った口調で言われたら何も言い返せない。ジェイスの物を埋め込んだまま、疼くような快感に耐え、ローゼはなんとか眠ろうと目を閉じた。
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