学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林

文字の大きさ
44 / 44
橋爪 裕翔

第十八話

しおりを挟む

なんとかゴールデンウィーク課題終わったなぁ。みんな頭いいし助かる。晴美は意外と苦戦してたみたいだけど
またみんなで放課後に学校のカフェテリアとか誰かの家で集まって勉強会するのもいいかも。別荘じゃなくて普通に家でお泊まり会してもいいしね
母さんも自慢の庭に人を呼ぶのは嬉しいだろうし!
社交界に出てない僕が友達連れてくるの見ると母さんも機嫌よくなるしね!


─────コンコンコンっ


こんな時間に誰だろ?
もう寝ようかと思ってたんだけどなぁ

そろそろ恭介がベットに座り色々と考えていた時、部屋の扉がノックされた

「はーい、どうぞー」
「……失礼します」

裕翔?
どうしたんだろ、なんか目の下赤くなってるけど……

「ど、どうしたの?泣いてるの?」
「はい、泣いていました」
「……なにか辛いことでもあったの?」
「いえ、逆です。凄く嬉しいことがありました。そして、自分の本当の気持ちに気づきました」
「本当の気持ち……?」

裕翔はベット脇に立っている恭介に一歩二歩と近づきその手を取った

「俺はあなたが好きだ。」
「え……?」

す、好きって友達として好きってこと?
でもでも、それならこんな感じでは言わないよね!?
これってもしかって恋愛的な意味で……?

「戸惑うのも分かります。同性からの告白なんてやっぱり気持ち悪いですよね……」

裕翔はすこし悲しくなって俯いた

「ううん!そんなことない!すっごい嬉しいよ!」
「……本当ですか?」
「うん!そりゃ多少はびっくりしたけど、気持ち悪いなんてことない!絶対に!」
「やっぱりあなたは天使だ」

裕翔は恭介の手を引いてすこし体勢を崩させるとすこし強引に、口付けをした。それは唇と唇を合わせるだけの簡単なものだった

え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
僕、また男の人にキスされた!?
まだ人生二回目なのにぃぃぃ!!

「俺はこの恋が実らなくてもいい。けどせめて少しだけでも考えてくれたら嬉しいです」
「う、うん!わ、分かった、考えとく!」
「ありがとう、大好きです」

少しの間気まづくなり、沈黙の時間が流れた

「あ、あの、そろそろ僕寝ようかな」
「はい、じゃあ俺も部屋に戻りますね。おやすみなさい」
「お、おやすみなさい」

裕翔はゆっくりとドアを閉めて恭介の部屋から出ていった。

恭介がこの夜、告白された余韻のせいであまり眠れなかったのはここだけの話だ



恭介がこの告白に『Yes』と答えるか『No』と答えるかはまだ分からない。
恭介にとって出来事が決して忘れられないものになったことは間違いのないことだ



END




─────────────────

完結遅くなって本当に申し訳ありません!
元々この『橋爪裕翔』編は十二話完結だったものを作者が思いつきで引き伸ばしたせいでこうなってしまいました笑
これにて『学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語』は完結となります
『西条 誠』編と『橋爪 裕翔』編は完結していないように見えるかもしれませんが、作者は的にはこの先も戸惑いながらも恭介くんは学院生活を歩んでいくんだと思います。読者の皆様もどうか彼らの先の未来を頭の中で描いてみてくださいませ


ではまた逢う日を願って          紅林
しおりを挟む

この作品は感想を受け付けておりません。

あなたにおすすめの小説

悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】

瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。 そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた! ……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。 ウィル様のおまけにて完結致しました。 長い間お付き合い頂きありがとうございました!

王道学園のモブ

四季織
BL
王道学園に転生した俺が出会ったのは、寡黙書記の先輩だった。 私立白鳳学園。山の上のこの学園は、政財界、文化界を担う子息達が通う超名門校で、特に、有名なのは生徒会だった。 そう、俺、小坂威(おさかたける)は王道学園BLゲームの世界に転生してしまったんだ。もちろんゲームに登場しない、名前も見た目も平凡なモブとして。

平凡ハイスペックのマイペース少年!〜王道学園風〜

ミクリ21
BL
竜城 梓という平凡な見た目のハイスペック高校生の話です。 王道学園物が元ネタで、とにかくコメディに走る物語を心掛けています! ※作者の遊び心を詰め込んだ作品になります。 ※現在連載中止中で、途中までしかないです。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

【完結済】俺のモノだと言わない彼氏

竹柏凪紗
BL
「俺と付き合ってみねぇ?…まぁ、俺、彼氏いるけど」彼女に罵倒されフラれるのを寮部屋が隣のイケメン&遊び人・水島大和に目撃されてしまう。それだけでもショックなのに壁ドン状態で付き合ってみないかと迫られてしまった東山和馬。「ははは。いいねぇ。お前と付き合ったら、教室中の女子に刺されそう」と軽く受け流した。…つもりだったのに、翌日からグイグイと迫られるうえ束縛まではじまってしまい──?! ■青春BLに限定した「第1回青春×BL小説カップ」最終21位まで残ることができ感謝しかありません。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

笑って下さい、シンデレラ

椿
BL
付き合った人と決まって12日で別れるという噂がある高嶺の花系ツンデレ攻め×昔から攻めの事が大好きでやっと付き合えたものの、それ故に空回って攻めの地雷を踏みぬきまくり結果的にクズな行動をする受け。 面倒くさい攻めと面倒くさい受けが噛み合わずに面倒くさいことになってる話。 ツンデレは振り回されるべき。

前世が俺の友人で、いまだに俺のことが好きだって本当ですか

Bee
BL
半年前に別れた元恋人だった男の結婚式で、ユウジはそこではじめて二股をかけられていたことを知る。8年も一緒にいた相手に裏切られていたことを知り、ショックを受けたユウジは式場を飛び出してしまう。 無我夢中で車を走らせて、気がつくとユウジは見知らぬ場所にいることに気がつく。そこはまるで天国のようで、そばには7年前に死んだ友人の黒木が。黒木はユウジのことが好きだったと言い出して―― 最初は主人公が別れた男の結婚式に参加しているところから始まります。 死んだ友人との再会と、その友人の生まれ変わりと思われる青年との出会いへと話が続きます。 生まれ変わり(?)21歳大学生×きれいめな48歳おっさんの話です。 ※軽い性的表現あり 短編から長編に変更しています

処理中です...