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終わったこと(2)(マリルノ視点)
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私がウィスカ・ペドロル第二王子との婚約関係を解消したという話は、この一か月ですっかり学校中に広まっています。
もちろん詳細を知る者はいません。私は誰にも話しませんでしたし、ペドロル様の方でもそれは同じことでしょう。
私が安心して打ち明けられると思うのはスコッテだけですけれど、彼女は気を遣って、その話題を避けて下さっていました。
だから彼女も、私たちが別れたということ以外は何も知らないのです。
表面はとても明るい子だけれど、本当は人一倍繊細な心を持っていて、私にいつも優しく接してくれるスコッテ。
彼女が余計に気を揉むことがないよう、私は表情を緩めました。
「それに、もうこのお屋敷に彼はいませんから」
「あ、そうなんだ……」
「ええ」
今回の一件で、事情を知った人々、特に親族から冷たい目で見られるようになった王子は、辺境の都市へ、逃げるように住いを移されました。
ペドロル様のお父様、つまり現国王も相当お怒りになられたようで、当分こちらへは帰ってこられないようです。
「じゃあ、誰に会いに来たの……?」
不思議そうな顔をするスコッテ。
私は胸を張って言いました。
「大切な友人に、ですよ」
もちろん詳細を知る者はいません。私は誰にも話しませんでしたし、ペドロル様の方でもそれは同じことでしょう。
私が安心して打ち明けられると思うのはスコッテだけですけれど、彼女は気を遣って、その話題を避けて下さっていました。
だから彼女も、私たちが別れたということ以外は何も知らないのです。
表面はとても明るい子だけれど、本当は人一倍繊細な心を持っていて、私にいつも優しく接してくれるスコッテ。
彼女が余計に気を揉むことがないよう、私は表情を緩めました。
「それに、もうこのお屋敷に彼はいませんから」
「あ、そうなんだ……」
「ええ」
今回の一件で、事情を知った人々、特に親族から冷たい目で見られるようになった王子は、辺境の都市へ、逃げるように住いを移されました。
ペドロル様のお父様、つまり現国王も相当お怒りになられたようで、当分こちらへは帰ってこられないようです。
「じゃあ、誰に会いに来たの……?」
不思議そうな顔をするスコッテ。
私は胸を張って言いました。
「大切な友人に、ですよ」
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