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使節団(マリルノ視点)
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帰路もダグラスさんのお家に泊まらせていただくことになっていたのですが、アルダタさんがそのお話をされたのは、三人で夕食を囲んでいる時のことでした。
「しばらくこの国を離れることになりました。
ナテナに送られる国の使節団に、私が随行させていただくことになったのです」
アルダタさんは明るい顔で言いました。
「どうしてそんなことが急に?」とダグラスさんは尋ねました。
「今回の一件で国王様がお屋敷に来てくださったでしょう。その時に私が文字を書けることを知って下さり、使節団への随行を許可してくださったのです」
そうなのです。
私とペドロル様の婚約解消を主に取りまとめて下さったのは、出会いの時にもお世話になったボンズ様でしたが、公務でお忙しいはずの国王様も話し合いに参加してくださったのです。
民の声をよく聴くこととそれを迅速に政治へ反映することができる賢王として知られる現国王様ですが、私はそんな国王様の行動の早さや誠実さを、今回の一件で垣間見た気がします。
ボンズ様の報告を受けてまず国王様がまず行ったのは、私と、私の家族に対する謝罪でした。
一国の主であらせられる方からの謝罪なんてと、私たちは恐縮するばかりでしたが、国王様は自分の息子が申し訳ないことをしたと真摯に謝ってくださいました。
それから国王様は私の話を聞いて下さり、さらには屋敷のお手伝いさんなど、事情を知っている人たちからもわざわざ時間を割いて、直接お話をお聞きになりました。
あの屋敷を残すという決定をされたのも、使用人の意向を聞いてのことだと、これはタラレッダさんから聞きました。
使用人たちの職を奪わないようにというご配慮だそうです。本当に素晴らしい国王様です。
どうやらアルダタさんの使節団随行も、その時に出た話のようです。
国王様のことですから、アルダタさんからも何があったのかを深く聞き、謝罪なさったのでしょう。
「へぇ。そりゃよかったじゃないか。つまり文字を書く仕事をもらえたってことだろう?」
「叔父さん、それだけじゃないんです。今回の使節団派遣の目的は、ナテナで最近、人々の耳目を集めている、ある珍しい学園を調査することなんです」
「しばらくこの国を離れることになりました。
ナテナに送られる国の使節団に、私が随行させていただくことになったのです」
アルダタさんは明るい顔で言いました。
「どうしてそんなことが急に?」とダグラスさんは尋ねました。
「今回の一件で国王様がお屋敷に来てくださったでしょう。その時に私が文字を書けることを知って下さり、使節団への随行を許可してくださったのです」
そうなのです。
私とペドロル様の婚約解消を主に取りまとめて下さったのは、出会いの時にもお世話になったボンズ様でしたが、公務でお忙しいはずの国王様も話し合いに参加してくださったのです。
民の声をよく聴くこととそれを迅速に政治へ反映することができる賢王として知られる現国王様ですが、私はそんな国王様の行動の早さや誠実さを、今回の一件で垣間見た気がします。
ボンズ様の報告を受けてまず国王様がまず行ったのは、私と、私の家族に対する謝罪でした。
一国の主であらせられる方からの謝罪なんてと、私たちは恐縮するばかりでしたが、国王様は自分の息子が申し訳ないことをしたと真摯に謝ってくださいました。
それから国王様は私の話を聞いて下さり、さらには屋敷のお手伝いさんなど、事情を知っている人たちからもわざわざ時間を割いて、直接お話をお聞きになりました。
あの屋敷を残すという決定をされたのも、使用人の意向を聞いてのことだと、これはタラレッダさんから聞きました。
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どうやらアルダタさんの使節団随行も、その時に出た話のようです。
国王様のことですから、アルダタさんからも何があったのかを深く聞き、謝罪なさったのでしょう。
「へぇ。そりゃよかったじゃないか。つまり文字を書く仕事をもらえたってことだろう?」
「叔父さん、それだけじゃないんです。今回の使節団派遣の目的は、ナテナで最近、人々の耳目を集めている、ある珍しい学園を調査することなんです」
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