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彼からの手紙(マリルノ視点)
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「マリルノお嬢様、マリルノお嬢様っ」
「はい?」
学園から帰り、屋敷に着くと、お手伝いのピペさんが、私のことをこっそりと呼びました。
「これ、届いておりましたよ」
「……まぁ!」
思わず声が大きくなってしまい、私はいけない、と慌てて口を閉じました。
ピペさんが渡してくださったのは、アルダタさんからの手紙でした。
ナテナでの調査は決して楽なものではないでしょうに、アルダタさんはとてもまめに手紙を送ってくださっています。
ただ、これまで私は、誰かから短い期間に繰り返し手紙をいただくということがなかったので、ちょっと困ったことになりました。
そこで三通目をいただいた後、私はお手伝いさん一人一人に、こっそりとお願いしたのです。
「この方からの手紙が届いたら、お母様に見せず、私に直接いただけますか?」と。
アルダタさんからの手紙が来たと知ったときの、お母様の『へ~』という感じの意味深な笑みは、どう返したら良いのか全く分かりませんからね。
「ありがとうございます、ピペさん」
私は彼女に小声でお礼を言って、早速、自分の部屋に持ち帰り、その手紙を読みました。
私は、楽しみは後にとっておきたい性格なのですが、アルダタさんからの手紙は嬉しい気持ちが強すぎて、届いたらすぐに読んでしまいます。
そして、楽しい時間というのは、どんなことでもあっという間です。
彼はいつも便箋一杯に文章を書いてくださっているのですが、私はすぐにそれを読み終えてしまいます。
そういうわけで今回の手紙も、気付けば最後の一文を読み終えてしまっていました。
「はい?」
学園から帰り、屋敷に着くと、お手伝いのピペさんが、私のことをこっそりと呼びました。
「これ、届いておりましたよ」
「……まぁ!」
思わず声が大きくなってしまい、私はいけない、と慌てて口を閉じました。
ピペさんが渡してくださったのは、アルダタさんからの手紙でした。
ナテナでの調査は決して楽なものではないでしょうに、アルダタさんはとてもまめに手紙を送ってくださっています。
ただ、これまで私は、誰かから短い期間に繰り返し手紙をいただくということがなかったので、ちょっと困ったことになりました。
そこで三通目をいただいた後、私はお手伝いさん一人一人に、こっそりとお願いしたのです。
「この方からの手紙が届いたら、お母様に見せず、私に直接いただけますか?」と。
アルダタさんからの手紙が来たと知ったときの、お母様の『へ~』という感じの意味深な笑みは、どう返したら良いのか全く分かりませんからね。
「ありがとうございます、ピペさん」
私は彼女に小声でお礼を言って、早速、自分の部屋に持ち帰り、その手紙を読みました。
私は、楽しみは後にとっておきたい性格なのですが、アルダタさんからの手紙は嬉しい気持ちが強すぎて、届いたらすぐに読んでしまいます。
そして、楽しい時間というのは、どんなことでもあっという間です。
彼はいつも便箋一杯に文章を書いてくださっているのですが、私はすぐにそれを読み終えてしまいます。
そういうわけで今回の手紙も、気付けば最後の一文を読み終えてしまっていました。
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