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重要参考人(ジョルジュ、レピシ)
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月がぽっかりと浮かんでいる。
風も少し吹いていた。
木こりが仮住まいにしている小屋のようなダイナの家。
レピシ団長はその扉を、はっきりとした音でノックした。
それから中で人が動く気配を、レピシ団長とジョルジュは感じた。
「誰だ」
ダイナの鋭い声が、二人の耳に届いた。
『こんな夜更けなのだから、警戒するのも当然だ』とジョルジュは思った。
「夜分遅くに申し訳ありません。ダイナさんの学園でお世話になっております、使節団のレピシとジョルジュです」と、レピシ団長は言った。
扉が細く開いた。その隙間から、ダイナが顔を覗かせている。
「何の用だ」
「突然おしかけてしまい申し訳ありません。
われわれ使節団員の一人であるアルダタが、こちらにお邪魔しておりませんでしょうか」
言葉の意味を頭の中で整理しているかのような間の後、ダイナは口を開いた。
「いや、居ないな」
「そうでしたか……」
「どうしてそんなことを聞く? 私に」
「いえ、その……彼が夕方ごろ出ていったまま、戻ってきていないのです。
配達屋に行くと言っていたので、私どもが行ってみましたところ、そこの店番が、アルダタとダイナさんが話していたとおっしゃっていたものですから……」
「……そうか。確かに、配達屋で彼と偶然に会った」
偶然、という言葉の発し方が、ジョルジュには引っかかった。なぜかまではわからなかったが、そこだけ強調しているように、彼の耳には聞こえた。
「その後、アルダタがどこへ向かったかご存知ですか?」
「……いや。知らないな」
「そうですか。わかりました。お休みのところ、大変失礼致しました」
レピシは頭を下げ、ダイナに背を向けた。ジョルジュもそれに倣う。
「待て」
ダイナに引き留められて、二人は振り返った。
「話さなければならないことがある。入ってくれ」
有無を言わさぬ口調で、ダイナは言った。
レピシとジョルジュは顔を見合わせた。
レピシは軽く頷き、ダイナの家に入った。
ジョルジュもただならぬ緊張を覚えつつ、その後に続いた。
風も少し吹いていた。
木こりが仮住まいにしている小屋のようなダイナの家。
レピシ団長はその扉を、はっきりとした音でノックした。
それから中で人が動く気配を、レピシ団長とジョルジュは感じた。
「誰だ」
ダイナの鋭い声が、二人の耳に届いた。
『こんな夜更けなのだから、警戒するのも当然だ』とジョルジュは思った。
「夜分遅くに申し訳ありません。ダイナさんの学園でお世話になっております、使節団のレピシとジョルジュです」と、レピシ団長は言った。
扉が細く開いた。その隙間から、ダイナが顔を覗かせている。
「何の用だ」
「突然おしかけてしまい申し訳ありません。
われわれ使節団員の一人であるアルダタが、こちらにお邪魔しておりませんでしょうか」
言葉の意味を頭の中で整理しているかのような間の後、ダイナは口を開いた。
「いや、居ないな」
「そうでしたか……」
「どうしてそんなことを聞く? 私に」
「いえ、その……彼が夕方ごろ出ていったまま、戻ってきていないのです。
配達屋に行くと言っていたので、私どもが行ってみましたところ、そこの店番が、アルダタとダイナさんが話していたとおっしゃっていたものですから……」
「……そうか。確かに、配達屋で彼と偶然に会った」
偶然、という言葉の発し方が、ジョルジュには引っかかった。なぜかまではわからなかったが、そこだけ強調しているように、彼の耳には聞こえた。
「その後、アルダタがどこへ向かったかご存知ですか?」
「……いや。知らないな」
「そうですか。わかりました。お休みのところ、大変失礼致しました」
レピシは頭を下げ、ダイナに背を向けた。ジョルジュもそれに倣う。
「待て」
ダイナに引き留められて、二人は振り返った。
「話さなければならないことがある。入ってくれ」
有無を言わさぬ口調で、ダイナは言った。
レピシとジョルジュは顔を見合わせた。
レピシは軽く頷き、ダイナの家に入った。
ジョルジュもただならぬ緊張を覚えつつ、その後に続いた。
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