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初めての経験
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村田鈴音24歳。フリーターで好きなことを好きなだけ自由に生きる道を歩んでいました。
老後なんて考えず、貯金も恋人もいない気楽でゆらゆらと気の向くままでした。
しかし、気づけば私は足の皮がずる剥けているのではないかと思うくらいの痛みを足に感じながらも止まるわけにもいかず見知らぬ街を走っていた。
後ろからなぜか怒鳴りながら私を追いかける男たち、そしてそれから逃げる私を街の人たちはあっけにとられた顔で見てくる。
見てくるなら助けてほしいのだが、どうやら追いかける人が増えていることを思うと街の人に助けを乞うこともできずただ私は知らない場所を目的地もなく逃げまどっていた。
いたい、これ絶対血が出ている
足の裏の皮も剥けているはず
こわい、いやだ、だれか
誰か、、助けてっ
適当な路地に入り続けて何個目かの角で突然体が浮くような浮遊感が起きる
『うわぁあっ!?』
「静かにしてなさい」
私は言葉通り浮いていた。そして、三階ほどの高さの建物の屋根にふわりと足がつく。
私はそこでようやくまぶたを閉じてことに気づき、そして同時に絶望した。
ついに捕まってしまったのだと。
ここまでできるだけなにも考えないようにしてきたが、この一瞬で嫌な考えが頭を巡った。
監禁されてあんなことやこんなこと…
私が一体何をしたっていうんだ…
気づいたらここにいて、いつの間にか知らない人たちに追われる身になり、こんな目に合っている。
さっきまで自由を謳歌していたのに…
「よし、もういいか…」
低く、まるで声優のように聞き取りやすい声が頭上からした。
「あ、すまない。不快だっただろう。すぐにおろしてあげよう」
どうやら、彼はさっきまで私を追いかけていた人たちの仲間ではなさそうだ。
『えっと、いえ、、あの助けてくれたんです、か?』
私はそっと彼の顔を見ようと上を見上げると、そこには真っ黒なフードを目深にかぶった…
『い、イケメン…』
イケメンがいた。
老後なんて考えず、貯金も恋人もいない気楽でゆらゆらと気の向くままでした。
しかし、気づけば私は足の皮がずる剥けているのではないかと思うくらいの痛みを足に感じながらも止まるわけにもいかず見知らぬ街を走っていた。
後ろからなぜか怒鳴りながら私を追いかける男たち、そしてそれから逃げる私を街の人たちはあっけにとられた顔で見てくる。
見てくるなら助けてほしいのだが、どうやら追いかける人が増えていることを思うと街の人に助けを乞うこともできずただ私は知らない場所を目的地もなく逃げまどっていた。
いたい、これ絶対血が出ている
足の裏の皮も剥けているはず
こわい、いやだ、だれか
誰か、、助けてっ
適当な路地に入り続けて何個目かの角で突然体が浮くような浮遊感が起きる
『うわぁあっ!?』
「静かにしてなさい」
私は言葉通り浮いていた。そして、三階ほどの高さの建物の屋根にふわりと足がつく。
私はそこでようやくまぶたを閉じてことに気づき、そして同時に絶望した。
ついに捕まってしまったのだと。
ここまでできるだけなにも考えないようにしてきたが、この一瞬で嫌な考えが頭を巡った。
監禁されてあんなことやこんなこと…
私が一体何をしたっていうんだ…
気づいたらここにいて、いつの間にか知らない人たちに追われる身になり、こんな目に合っている。
さっきまで自由を謳歌していたのに…
「よし、もういいか…」
低く、まるで声優のように聞き取りやすい声が頭上からした。
「あ、すまない。不快だっただろう。すぐにおろしてあげよう」
どうやら、彼はさっきまで私を追いかけていた人たちの仲間ではなさそうだ。
『えっと、いえ、、あの助けてくれたんです、か?』
私はそっと彼の顔を見ようと上を見上げると、そこには真っ黒なフードを目深にかぶった…
『い、イケメン…』
イケメンがいた。
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