ラブコメから始まる異世界転生

たまがわむさこ

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終わりと始まり

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休日にソファーで一人、
くつろいでテレビを見ていたら・・・・

「ウッ!?」
急に胸に痛みが走りだした。

この感じはちょっと不味いかも。
これはひょっとしたら心筋梗塞なのか!?
・・・・

「こんな事もあろうかと♪」
事前に準備は済ませてある。

とは言ったものの、ニトロ薬とかを用意している訳ではない。交通事故や流行り病で急死した際に周りが困らない用に、簡単な書き置きがしてあるだけだ。

資産、書類、手続、連絡先なんかを整理して、目録やチェックリストの用にしてある。よく使う書類入れの目のつきやすい処に入れてあるので、遅かれ早かれ誰かが見付けるだろう。

生命保険は満期前なので、地方なら豪邸の建つほどの金額が降りる。残した家族が生活に困る事は無いだろう。それどころか他にも動産、不動産がソコソコあるのでかえって心配だ。

命の危機の割には、冷静で落ち着いているなあ。自分を客観的に観察しながらも、ゆっくりと深呼吸を試してみる。これで治まれば良いのだけれど。この感じからすると、どうもこれは駄目っぽい。

過労には自信があるけれど、
心臓麻痺は嫌だなあ~。


・・・・ふと気が付くと、ソファーに横たわる自分を見下ろしていた。これが幽体離脱と言うものなのだろうか?

「幽体離脱ではありませんよ。」
すぐ側から声がかかる。

いつの間にか少女の姿をした何かが其処に居た。確かにさっきまでは何も無かった所にだ。

見た目は10歳を少し過ぎた位だろうか。
恐ろしく肌が白い。まるでアルビノだ。
目は蒼く、長い髪は銀の絹のようだ。
白いワンピースと銀色の髪が、風もないのにふんわりと漂っている。

「貴女は女神様なのでしょうか?」

「その質問にはお答えする事が出来ません。」

・・・所謂、禁則事項なのだろうか?

「神の定義が曖昧ですので。」

・・・確かにそうですね。

「それではお名前をお伺いしても?」

「私は只のユーザーインターフェース。取り敢えずユイとでも呼んで下さい。先ずは此方から説明をさせて頂きますね・・・・」

ユイの話を要約するとこうだ。

・私は心臓麻痺で死んだ。
・脳死前にナノマシンで治された。
・死体のダミーコピーが用意された。
・ユイもナノマシンも宇宙人の凄い技術。

ムーアの法則というものがある。ざっくり言うとコンピューターは10年で千倍に成長するというやつだ。

この宇宙は137億歳。地球は45億歳。1億年レベルの文化の違いがあれば、それは神様と変わらないという事か。

ユイの説明はまだ続く。

・この宇宙の管理者のようなモノから提案。
・其処にはヒトのようなモノが居た。
・大気中や体内のナノマシンを使い、魔法のような生活をしていた。
・ヒトは多くの亜人や怪物をも創造した。
・愚か者が争い、文明が滅んだ。
・外宇宙になるがそこで生活をしてみるか?

あらゆる意味で断る選択肢は無いだろう。

「私は其処で何をすれば良いのでしょうか?
  やはり、魔王の討伐とかでしょうか?」

「目的は貴方経由の観測なので、其処に居てくれるだけで構いません。なるべく長期間。出来れば1億年以上で。」

「ご冗談はよして下さい。人間はそんなに生きられませんよね・・・、いや、もしかして、出来るのか?」

「察しが良いですね。そのためのナノマシンです。」
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