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2018年 05月08日
しおりを挟むこないだからの流れでずっとマンガばっかり読んでる今日このごろ。
もちろんほとんどエロマンガなんですが。
せっかくなのであんまり読んだことがなかったすごく昔のヤツとかマニアックなヤツとかにもチャレンジしたりしなかったり。
お陰で天才的な作家センセイ達の溢れるリビドーが齎すフィクションと自己表現が訴える無限のエロス地獄に囚われてしまい何が妄想で何が現実なのかわからなくなりつつあります。
女性器を口の部分に移植するのって保険適用内の一般的なオペだよなぁ とか。
かぶと虫がコクワガタのメスをレイプするのって自然界では良くあることだよなぁ とか。
腹とか手足の切断面にアレを無理やり入れていたすのって世の中のカップルならば大抵経験する普通のプレイ内容だよね とか。
そんなおまわりさんに見つかったら職質間違いなしの毎日の中、いつしか頭の中で小人さんが囁き始めたところによると、「エロと芸術は紙一重」なんだとか。
すごく猥雑で扇情的、ごりっごりにデフォルメしまくっていい意味で単純かつ下品なエロ作品も好きなんですが。
同じくらい、叙情的で繊細な匂い立つようなエロス満々で雰囲気たっぷりの作品も好きなんです。
でもそういう作品って一歩間違うと「高尚になりすぎて芸術作品」になってしまうリスクがあります。
あまりにもテーマとかメッセージ性が強くなってしまい、エロく感じるよりも感動させられてしまう。
感心したり、考えさせられてしまう。
そうなってしまったらもうそれはエロではなく芸術なんです。
とても素晴らしくて価値があることは間違いないのですが、エッチな実用性はなくなってしまいます。
だからその境界を意識的に見極めてギリギリのところで「エロ」に落とし込んでいるような作品を見つけるとうれしくてハァハァが止まりません。
魂の躍動感にウッキウキになってしまって軽犯罪くらいなら「ノリ」で出来ちゃいそうな全能感に満たされちゃうんです。
山本 直樹センセイは正にその代表だと思います。
それまでのエロ劇画に対し、新しい世代の絵柄で可愛い女の子の性描写がある作品群が美少女マンガとかロリコンマンガと言われて並立していた1980年代。
そこに颯爽と登場して、それまでに無い独自の作風のエロマンガで一気に人気を不動としたのが山本センセイでした。
劇画ともロリとも異なる、生々しさとコミカルさ。
生活感漂うセリフや描写で等身大でありながらもどこか幻想的な女性像。
淡々としたやり取りの中で描かれる濃密な人間性、言葉にならない沈黙などの「間」を読ませる手法。
社会的なメッセージ性と哲学的なテーマを感じさせつつ、しかしはっきりとエロい。
とってもエロい。
他の人なら完全に社会的だったり文学的な文脈になってしまい、「芸術」になっちゃうところを山本センセイに限ってはちゃんと「エロ」として成立させてます。
例えば「ありがとう」という作品の中で描かれたのは当時問題に成っていた青少年非行、家庭崩壊、宗教問題など社会的なテーマが盛り込まれたものでしたが、それでいてしっかりと「エロ」として成立していました。
拉致監禁レイプされた女子高生の悲惨さ理不尽さがきちんと描かれつつ、否応無く体が適応していき生物的機能として快感すら得てしまうところなど凄まじいエロさです。
同時に女の子が排泄のために行為を中断してトイレに行く描写など、生々しさを演出する描写がとても有効に機能していました。
「死ぬなミミズ」では東南アジアをモデルとした紛争地域を舞台とし、内戦とテロリズムというとてもリアルな現実問題を提示しつつも。
後進国に赴いた日本の女の子がテロリストに拉致されてやはり無理やり犯されて快感を得てしまうという流れでしっかりとエロを成立させています。
さらにはそのままテロリストの一員になり銃撃戦の上に負傷した体を引きずって歩き去っていくラストは「生きるために戦う現実が我々の国の外にある」という重いテーマ性を感じさせながらも何故か読後感はエロさに満足できているというアクロバティックで奇跡的なバランスを感じさせる作品です。
以上で挙げたもの以外も基本的には山本センセイの作品は「哲学的で社会風刺的な高尚さを漂わせつつあくまでもエロい」というところでは一貫していると思います。
普通だと芸術的だったり学術的なところを感じさせちゃうとエロさが減退しちゃうのですが。
そういったシュールで前衛的な表現や現実の不条理、滑稽さを淡々と盛り込むことでエロさが損なわれるどころかむしろ増しているようにすら見えてしまう。
マンガに限らず性描写に関わる創作物が少なからず直面する、「エロと芸術の境界」という問題の一つの回答を見出すような気持ちにさせられます。
いまやエロだけでなく一般マンガの分野においても人気と実績を築き上げ、名実共にマンガ界の大家となった観のある山本センセイ。
師弟関係にある奥克哉氏など、芸術的で文学的な文脈をありありと持ちつつエロやエンターテイメントとして成立させるという山本イズムを継承しているフォロワー的な作品が後を絶たず、その遺伝子は確実に創作界隈に残されて広がり続けています。
そして斯く言う自分も山本センセイみたいに「文学的だったり社会的だったり高尚な雰囲気を可能な限り纏わせつつエロ」くしたいと常々思っているのですが、なかなかうまくいきません。
あまりにも理想と現実が違いすぎて、思わず自分の未熟さを社会や政治や世の中の偉い人とかその他誰か他人のせいにして現実逃避することでやっと安定しているような状態です。
だからしばらく勉強しなおしますという言い訳で小説の続きを書くのをサボろうかと思います。
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