エロスな徒然

かめのこたろう

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2022年6月28日

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 「BSS」(僕が先に好きだったのに)が結局業界に定着してなさそうな現状に思わずほくそえみが止まないあたり、自分はまだまだ修行が足りないみたいです。


 もう数年くらい前になるんでしょうか、ある時期から突然、寝取られの定義に対する疑義がこの言葉で表されるようになりだしたのは。
 どうも「片思いしている女性が他の男にとられる」「母や姉など親しい存在が下種な男と付き合い始める」といったシチュがNTRとして扱われていることに違和感を覚える方々がいたらしく、しきりに「BSS」という言葉でジャンル分けするべきだみたいな論調が出始めて、持て囃されたことがありました。

 当時からこういった主張はもともとの寝取られ愛好家じゃない外部の意見、それも主に女性からの指摘だったのかなぁという印象だったんですが。
 「一方的に想いを寄せてるだけなのに寝取られ云々表現する」ことはあくまでも男性視点の話ではあるので、これに厚かましさとか自意識過剰さ、ある種の傲慢のような心証をNTR愛好家以外の、特に女性が感じそうなのはなんとなくわからないでもなかったからです。
 そういった身勝手で未熟な(ように思える)男の理屈に対して、「これが寝取られってwww」とマウント気味に軽蔑と揶揄を含めてアンチテーゼを打ち出そうとする運動が始まったのもむしろ当然だったのかもしれません。
 寝取られ作品を嗜好している当事者からしてみたら余計なお世話以外の何物でもなかったんですけど、「NTR」という言葉が人口に膾炙し始めてその趣味がない人も否応なく認識せざるをえなくなるにつれて、いつかはぶち当たらざるをえない壁だったと。

 およそ閉じた世界にいる人間にとってどれだけ当たり前な常識でも外部からの視点が齎された途端、異常で奇妙になってしまうのはよくあること。
 BSSを提唱したり、それに乗っかる人たちが出たのもしょうがない、避けられないことだったんだろうと思います。
 彼ら彼女らが感じた違和感、苛立ち、齟齬をこそきちんと受け止めて尊重する。
 それが真正の寝取られ愛好家が示すべき態度なのだと、ボクチンは信じているのです。



 ……………………。



 と分別ある大人の上から目線で語らってみましたけど、やっぱり「あー、普及しなくてよかった♪」というのが本音の大半だったり。
 だって「寝取られ」の最も肝要なところは「奪われる痛みの有無」であって、両想いか否かとか恋人とか婚姻関係とかにはさほど依存しないのが愛好家の間にある暗黙の了解的な不可知的共通認識なんですもの。
 だからどう考えても寝取られ業界じゃない、外部からの一方的な問題定義と視点の提唱は迷惑千万甚だったし、寝取られジャンルと嗜好者双方にまるで敬意の無い愚かな蛮行以外じゃなかったと思います。
 あたかも自称文明人が未開だと一方的に決めつけた異文化人に対して行う価値観の押し売り、選民思想に基づいた啓蒙主義そのもの。
 そんな現代文化的侵略主義が端的に現されたのが「BSS」だったのだろうと、ワタクシはそう確信するのです。


 FANZA(DMM)で「NTR」を検索しました。
 ヒット数は95840件でした。  

 「BSS」を検索しました。
 ヒット数は447件でした。


 こうして侵略主義への勝利を確信し、今日もほくそ笑みが止まなくなってしまうのでしたとさ。
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