異世界に転生したのにスキルも貰えずに吸血鬼に拉致されてロボットを修理しろってどういうことなのか

ピモラス

文字の大きさ
42 / 167
村での生活

儀式

しおりを挟む
俺はすこしだけ髪型や身なりをなおしてジンナの家のドアをノックして家に入った。
ジンナは椅子に腰かけていた。
ぱっと顔をあげたジンナはかわいかったのだが
「ケン・・・顔が真っ赤だけど大丈夫?」
と言われまた恥ずかしくなってジンナを見れなくなってしまった。
「う、うん。だ、大丈夫。食事を持ってきたよ」
自分でもわかるようなギクシャクした動きでテーブルの上に食事を置いた。
ばれないように「すーはー」と深呼吸をして席について
「よく眠れた?」
と自分ではさりげなく言ったつもりだったが心臓がドキドキしていた。
「うん・・・おうちに一人になっちゃったけどね・・・」
「ジンナ・・・」
俺はちらりと奥の部屋、アレックスが寝ていた診察台の部屋を見た。
「そっか・・・アレックスも長い間眠っていたしね」
「うん・・・でもケンは毎日来てくれる」
ジンナははにかんだ顔で俺を見つめた。
俺はふと考えた。ジンナは・・・ジンナはずっと夜に起きて今まで一人で?
自分の事に必死で俺はジンナの事を全然知らない事に気付いた。
「・・・ごめんジンナ。俺・・・」
「え?ちょっとケン!なんで急に謝ってるの?泣かないで!」
俺は今まで自分の事に必死でジンナが夜に一人でいることに気付けなかった。
それが申し訳ないと、うなだれながらジンナに謝った。ジンナは穏やかに俺の話しを聞いてくれた。
俺は自分が旅だってジンナを待たせるのが悪いと思い、慰めるはずだったのに・・・
情けないことに慰められていた。
「ケン・・・あなたは優しすぎるわ。私なんかに謝る人なんていなかった」
「うん・・・ごめん」
「だからもうあやまらないで!あ・・・!」
ジンナは俯いて
「じゃ、じゃあ一つだけお願いを聞いてくれる?」
「うん、なんでも聞くよ」
「今日・・・ううん・・・明日でもいいけど、もうちょっとだけでいいから・・・長く一緒にいてほしいな・・・」
俺はジンナが無性にいとおしくなり、「一日くらい寝なくても大丈夫だろう。以前もオールでDVD見て仕事にいったことあるし」くらいの気持ちで
「うん、じゃあ今日は日の出までいるよ」
俯いていたジンナが顔をパッと上げて
「ホント?」
そう答えた時のジンナの笑顔がまぶしかった。

ジンナは太陽に長時間当たると多分死んでしまう。直接日に当たるだけでも弱ってしまうと教えてくれた。そのせいでケンと一緒に外で活動できないとも。
俺は日が沈んだら眠くなってしまう体質なので朝は結構強い自覚があった。
「じゃあ一緒に住んだら俺は早起きしてジンナが寝たら仕事をしようかな」
そんな事を言ったらジンナが俯いて黙ってしまった。
「え?ゴメンまたなんか変な事言ってた?俺バカだから・・・」
「・・・ち、違うのケン。・・・一緒に・・・一緒に住んでくれるの?」
「あ・・・ま、まだ早かったよね。ちゃんと交際もしてないのに・・・」
「コウサイって?でも、私ケンと・・・」
ジンナはまた黙ってしまった。
俺は「この世界で『付き合うとか彼氏彼女ってあるのか?』」なんて漠然と考えていた。
「そ、そうだ!ちょ、ちょっと変なお願いがあるんだ。イヤならイヤでいいんだけどね・・・」
俺は以前にエータから言われていた「ジンナの血液」の話しをした。
当然断られると思っていた。
が??
「私・・・ケンと血を混ぜたい・・・」
熱っぽい目でそう言った。そして
「・・・少しでいいから・・・私もケンの血をもらってもいい?」
と上目使いに聞いてきた。かわいかったので
「・・・うん」
そう答えたらジンナはさらに
「私がケンの血を取るから、私の血を・・・ケンが取って」
それ難易度高すぎませんか先輩。
「え、でも俺注射とか・・・注射器ってあるの?針のついた・・・」
「チュウシャって・・・針のこれ?」
ジンナは診察台の部屋に行き太い針の注射器を持ってきた。針に穴開いていないように見えるのですが・・・
俺は色々と不安になって、やっぱりエータにやってもらったほうがいいのでは?と思っていたが、ジンナさんはやる気満々で今すぐやる様子です。はい。
「これで血脈に穴を開けて悪い血や体にたまった液体を抜くのよね。ケン」
じっと見つめるジンナに気圧されていた。
「準備するわ。向こうの部屋にいきましょう」

ジンナに手を引かれて俺は診察室に移動した。
診察室は真っ暗だったが台の上のろうそくをつけてぼんやりとした光に照らされた。
ジンナは慣れた手つきで台の上に桶や布を準備していた。
「ケン。これにお水を入れといて」
「は、はい先生」
「あは、センセイって何?」
俺は桶を持って水瓶から水を入れた。僅かに手が震えていた。
「だ、大丈夫だよな。ジンナは怪我治せるし。で、でもジンナに針刺すとかできるかな・・・」
俺は一人でブツブツ言いながらもどったら既に準備できているようで
「私が先にケンの血を取ってもいい?」
「・・・あ、ああ・・・」
すこし目が座っているように感じるジンナは俺を椅子に座らせて、肘の内側の少し下に針を刺した。
「チクっ」とするよりも「ブスっ」「グサっ」といった感じで重い痛みが走った。
ゆっくりと針を抜くと血がドクドクと出てきた。
腕の下に置いた、たらいに少し曲げた肘から血が滴っていた。
俺とジンナはしばらく無言で、ろうそくの光を反射する滴る血を眺めていた。
「これくらいでいいのかな?」
俺は量がわからないことに今更気が付いたが、ジンナはわかっているようだった。
「そう・・・ね。あんまり血を抜いたらケンが弱ってしまうし」
そういってジンナは針でつけた傷口に自らの口を持っていき吸った。
俺は何か他人事のように見ていたが
「やっぱりジンナは美しい」
そうつぶやいた。ジンナはその言葉にはっとして頬を赤くして
「血を止めるね」
そう言ってミミズの右手の先端を傷口に10秒程度ぎゅっと押し付けたら傷口が無くなっていた。
「今度はあなたの番。ケン・・・もう一つだけワガママ聞いてくれる?」
「うん?なんでも」
「私の血も・・・少しでいいから飲んでほしい」
ジンナは顔を真っ赤にして目をそらしてそう言った。
俺は少し不思議な気分だったが嫌ではなかった。
「うん。ちょっとどれくらい血をとったらいいかわからないから教えて」
そう答えてジンナの指示にしたがいジンナの左腕に針をさして同じように血を取った。
途中で
「ケン、もういいかな・・・お願い」
俺はジンナの真似をしてジンナの腕に顔を寄せて口をつけてジンナの血を啜った。
自分の口の中を切った時と同じような鉄の味がした。
しばらく啜って口を放したら、ジンナはおなじように自分で止血をして傷をふさいだ。
そして俺をじっと見つめ
「これで・・・私たちは繋がった・・・本当に・・・」
そう告げた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。

克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

処理中です...