異世界に転生したのにスキルも貰えずに吸血鬼に拉致されてロボットを修理しろってどういうことなのか

ピモラス

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地底人を探して

無敵の存在

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アレックスの切られた指とそこから流れる血を見ていた。
無敵のアレックスが怪我を負い出血をしているのが信じられなかった。
遠くの方で「どうしよう、なんとかしなきゃ」と考えているような気がするのだが、頭の中が真っ白でなにも考えられなかった。
「あ、あれから逃げれるっすかね・・・早いしなぁ」
俺を部屋に入れないように腰に抱きついて首だけ回して室内を見るエルがつぶやいた。
天井に張り付いている蜘蛛は息を吐くように一度「シュー」と音を出した。
アレックスが手を伸ばしても届かない高さ4メートルくらいありそうな天井の高さだった。
エルが落とした松明はドア付近に転がっている。松明の弱い光で照れされている蜘蛛は闇の中に半分溶け込んでいるように見える。
「ア、アレックス・・・」
俺は言葉も思考も失いかけていた。蜘蛛が消えた。
「兄貴!」
エルは俺を強く押した。ゴーも俺の前から背中で俺を押して俺は後ろに尻もちをつく姿勢で転んだ。
「な、な、なんだ・・・」
「ぶ、無事ですかケンのあ、兄貴?」
俺の前でうつ伏せに倒れるエルは顔を上げて俺に笑いかけた。
背中には一筋の傷があり、血がドクドクと出ている。
「え、エル?だ、大丈夫か?な、なんで・・・」
「いてて、言ったでしょう?あっしは丈夫だからこれくらいならすぐ・・・うっ」
「無理して喋るな!ご、ゴーは無事か?」
俺はエルを抱きかかえて尻もちをついたままゴーを見上げた。
ゴーは俺の前で盾を構えて仁王立ちしている。振り向きもせずに
「我が命にかえてもお守りします。ご安心を!」
俺はそうじゃないと思い、「ゴー!怪我はないか?」
そう言おうとして「ひっ」と悲鳴をあげた。
地の底から響くようなうなり声が聞こえた。
「・・・貴様・・・殺す・・・」
アレックスの目が真っ赤に光っていた。松明の光よりも強い光だった。
アレックスはもう目で見えない速度で左右の手を振り回し蜘蛛に攻撃をした。
天井に逃げる蜘蛛を追い、壁を蹴って天井をも爪でひっかいて「きいぃ」とイヤな音を響かせた。
蜘蛛はその姿をかすませるような速度でアレックスの攻撃を回避していたが、壁と地面の部分で一度躓いたようなしぐさをした。
アレックスは見逃さず、素早く近付いてサッカーボールを蹴るような動きで蹴った。
モニターに激突した蜘蛛は・・・
地面に落ちてひっくり返っていたが、すぐに元の体勢に戻ると反撃をしてきた。
アレックスは蹴った後の姿勢で、回避でないと判断して腕を十字に防御姿勢を取った。
ズシュ
という音が聞こえた。
アレックスの腕に蜘蛛の足が一本刺さっていたが、アレックスはお構いなしに反対の手で蜘蛛を掴み地面に叩きつけ、ひっくり返っている蜘蛛を踏みつけた。
ドスンと地響きが起きた。天井からすこし埃が降った。
俺は
「やった!」
そう思った。
アレックスが崩れた。膝から下の部分を切断されている。
「そ、そんな・・・」
蜘蛛はひっくり返った体勢のままアレックスの切れた足を乗せていたが、足を投げ飛ばし元の体勢に戻るとすばやく天井に移動した。
「ここでみんな死ぬ」そう覚悟した。アレックスが勝てない存在がいるのは信じられなかったけど、アレックスが望み通り死ねるのならよかったのかもしれないとぼんやり考えていた。ゴメンなジンナ。一緒に住むって約束したのに・・・
絶望した俺はエルを抱えて立ち上がった。

アレックスは諦めていなかった。
はって足を拾い、切られた部分に押し付けている。
「・・・クソッ!早く治れ!」
そう言って立ち上がった。しかし・・・
天井の蜘蛛が静かに「カシャリ」と地上に降りた。
その僅か後ろでもう一度「カシャリ」と音がした。
二体目の蜘蛛がどこからか現れていた。
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