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プロローグ
冒険者たるもの常に淑女紳士であれ
しおりを挟む ここは、VRMMORPG『緋色の国オンライン』と言うゲームの世界。
このゲームは二十年間廃れることなく未だに人気の高いゲームだ。
もちろん引退するユーザーはいるが、新規加入のユーザーも居なくなることがないほどだった。
このゲームの人気が高い理由の一つに、ゲームの方針は全てユーザーが決めている点がある。
専用掲示板で意見を交わし、決まった内容を妥協することなく、優秀な開発が短期間で作り上げ、不具合もほぼ無い。
また、ガチャがなくアイテムは全てゲーム内通貨での取引となる。
驚くことに公式でRMTが行われている。
これは課金税有利なシステムかと思いきや、そうでもない。
VRと言うゲームの都合上一番必要なのがプレイヤースキルになるからだ。
どんなにキャラが強くいい装備をつけていても動きが鈍ければ的にしかならない。
逆にプレイヤー自体が強ければ裸一貫でも生きていけるのだ。
ちなみにこのゲーム内で就職も可能だ。
もちろん、リアルでの就職だ。
冒険者ギルドの受付やマスターは、ほとんどかプレイヤーだ。
NPCの開発費より人を雇った方が安いらしい。
人口の八割がプレイヤーと言われており、経済すら回っている世界はとてもゲームだと思えない。
ちなみにこのゲームは月額制でゲーム内課金はない。
あるとしても先ほどのRMT位だ。
そして、このゲームは日本製。
セクラコーポレーションと言う主に術具を作っている会社が作ったゲームだ。
百年ほど間には存在していなかった魔法と言う異能の力、それが今では当たり前のように復旧している時代。
まぁ、魔法と言っても小説やアニメ、ゲームなどに出てくる派手でかっこいい魔法はほとんど存在しないだけどね。
精々、生活に便利とか機器類のシステム補助、そう言った使い方がメインだ。
でも、その魔法がこのVRと言うシステムを完成させた、魔法が無ければもう百年はかかると言われているシステムだ。
意識そのものをゲームに入り込ませるのはやはり魔法の力無くしては無理だろう。
魔法万々歳である。
一応、俺も魔法は使えるが精々ライターくらいの火を出せる程度だ。
だから、ゲームの大魔法に憧れる。
定時になり仕事を終え、急いで退社する。
帰宅途中でジャンクフードを持ち帰りで買い、歩きながら食べる。
家に帰ったら、即シャワーを浴び、歯を磨く。
着替えは十日分はあり、週に一度の洗濯で済むようにしている。
故に今日は洗濯はしない。
可能な限り『緋色の国』にログインするためだ。
何より今日は大イベント、レイドボス討伐だ。
既にイベントは始まっていてリアルタイムで掲示板に状況が書き込まれている。
出現から数時間経っているにも関わらず、レイドボスの体力はまだ、一割程度しか削れていない。
トッププレイヤーが参加する時間帯にみんなの期待が集まっているようだ。
有名どこのギルドの名前が上がっていて、そこに所属するプレイヤーに向けて有力な情報が集まっている。
当然、俺が所属しているギルド『深夜の紳士淑女の集い』通称『MLG』の名前もある。
ふっふっふ、期待に応えてやろうじゃないの。
ログインするとすでにみんな集まっており俺が一番遅かった。
俺たちのギルドは全員で十人しかいない。
その十人全員が集まっていた。
フルメンバーだ。
トップギルドはほとんどが大員数のギルドだが『MLG』だけが十人と言う少人数なのには理由があった。
まずはギルドマスターである『レッドエンジェル』さん。
ムキムキの筋肉質にパイナップル頭。
ドラ〇ンボールの人〇人間16号みたいな姿に、ピンクのレオタードを着ている。
イメージはキャッ〇アイだそうだ。
性別は男。メイン職業は暗殺者でメインウェポンが突起のついた超大型メイスだ。
サブマスターの『木工ボンド』さん。
細マッチョでブーメランパンツとマフラーを付けた男の重戦士だ。
装備は大盾とつるはしだ。
もう一人のサブマスター『ロリコン戦士車道』。
黄色い園児用帽子に園児服。
魔法少女ステッキを装備した男のヒーラー。
ちなみにスキンヘッドの細マッチョ。
この時点でわかるだろう。
どう見ても変態不審者でしかない。
そんなギルドに集まったメンバーは。
『腰の伝道者ボサツ』
水中眼鏡に女性用ビキニアーマーを付けた男のアーチャー。
即死上等が売りの突撃アーチャーだ。
『不良魔法少女キューティーα』
魔法が使えない女の錬金術師。
キャラそのものは超美少女だが鼻ひげ眼鏡とスクール水着。
背中にはランドセル。
『夜の哀戦士』
マスターと同じ超マッチョの男の重戦士。
髪型は金髪縦ロール、ピンクのフリフリドレスを着ている。
装備するピンクの大盾には有名なリンゴ三個分の体重の猫の絵が描いてある。
そして口調が何故か侍風だ。
『(゚Д゚)ノ』
もはや名前ではない名前。
通称『俺氏』。
セーラー服に大剣、どうやって魔法を使うんだと言う男の魔導士。
『神奈川県大雪山』
地名ですらなくなってしまった名前。
自慢の装備は靴下にタンクトップとブリーフパンツ。
魔法を極めた男の格闘家。
『雪兎__ゆきうさぎ__#』
唯一まともな格好の女の裁縫師。
ゴスロリ服に大鎌、見た目もロリっぽい。
ただし、中身が女性でありながら、さらにその中身がオヤジという言動がとても残念な人。
『裸王IPA』
最後は俺、ラオウイソプロピルアルコールと読む。
長すぎるのでみんなアルと呼ぶ。
ラオウはかっこいいので却下だそうだ。
パンツ一丁にハルバードを持つ戦士だ。
戦場では『戦死のアル』と呼ばれる。
どうしても実力よりネタとして話題になるギルドである。
このゲームは二十年間廃れることなく未だに人気の高いゲームだ。
もちろん引退するユーザーはいるが、新規加入のユーザーも居なくなることがないほどだった。
このゲームの人気が高い理由の一つに、ゲームの方針は全てユーザーが決めている点がある。
専用掲示板で意見を交わし、決まった内容を妥協することなく、優秀な開発が短期間で作り上げ、不具合もほぼ無い。
また、ガチャがなくアイテムは全てゲーム内通貨での取引となる。
驚くことに公式でRMTが行われている。
これは課金税有利なシステムかと思いきや、そうでもない。
VRと言うゲームの都合上一番必要なのがプレイヤースキルになるからだ。
どんなにキャラが強くいい装備をつけていても動きが鈍ければ的にしかならない。
逆にプレイヤー自体が強ければ裸一貫でも生きていけるのだ。
ちなみにこのゲーム内で就職も可能だ。
もちろん、リアルでの就職だ。
冒険者ギルドの受付やマスターは、ほとんどかプレイヤーだ。
NPCの開発費より人を雇った方が安いらしい。
人口の八割がプレイヤーと言われており、経済すら回っている世界はとてもゲームだと思えない。
ちなみにこのゲームは月額制でゲーム内課金はない。
あるとしても先ほどのRMT位だ。
そして、このゲームは日本製。
セクラコーポレーションと言う主に術具を作っている会社が作ったゲームだ。
百年ほど間には存在していなかった魔法と言う異能の力、それが今では当たり前のように復旧している時代。
まぁ、魔法と言っても小説やアニメ、ゲームなどに出てくる派手でかっこいい魔法はほとんど存在しないだけどね。
精々、生活に便利とか機器類のシステム補助、そう言った使い方がメインだ。
でも、その魔法がこのVRと言うシステムを完成させた、魔法が無ければもう百年はかかると言われているシステムだ。
意識そのものをゲームに入り込ませるのはやはり魔法の力無くしては無理だろう。
魔法万々歳である。
一応、俺も魔法は使えるが精々ライターくらいの火を出せる程度だ。
だから、ゲームの大魔法に憧れる。
定時になり仕事を終え、急いで退社する。
帰宅途中でジャンクフードを持ち帰りで買い、歩きながら食べる。
家に帰ったら、即シャワーを浴び、歯を磨く。
着替えは十日分はあり、週に一度の洗濯で済むようにしている。
故に今日は洗濯はしない。
可能な限り『緋色の国』にログインするためだ。
何より今日は大イベント、レイドボス討伐だ。
既にイベントは始まっていてリアルタイムで掲示板に状況が書き込まれている。
出現から数時間経っているにも関わらず、レイドボスの体力はまだ、一割程度しか削れていない。
トッププレイヤーが参加する時間帯にみんなの期待が集まっているようだ。
有名どこのギルドの名前が上がっていて、そこに所属するプレイヤーに向けて有力な情報が集まっている。
当然、俺が所属しているギルド『深夜の紳士淑女の集い』通称『MLG』の名前もある。
ふっふっふ、期待に応えてやろうじゃないの。
ログインするとすでにみんな集まっており俺が一番遅かった。
俺たちのギルドは全員で十人しかいない。
その十人全員が集まっていた。
フルメンバーだ。
トップギルドはほとんどが大員数のギルドだが『MLG』だけが十人と言う少人数なのには理由があった。
まずはギルドマスターである『レッドエンジェル』さん。
ムキムキの筋肉質にパイナップル頭。
ドラ〇ンボールの人〇人間16号みたいな姿に、ピンクのレオタードを着ている。
イメージはキャッ〇アイだそうだ。
性別は男。メイン職業は暗殺者でメインウェポンが突起のついた超大型メイスだ。
サブマスターの『木工ボンド』さん。
細マッチョでブーメランパンツとマフラーを付けた男の重戦士だ。
装備は大盾とつるはしだ。
もう一人のサブマスター『ロリコン戦士車道』。
黄色い園児用帽子に園児服。
魔法少女ステッキを装備した男のヒーラー。
ちなみにスキンヘッドの細マッチョ。
この時点でわかるだろう。
どう見ても変態不審者でしかない。
そんなギルドに集まったメンバーは。
『腰の伝道者ボサツ』
水中眼鏡に女性用ビキニアーマーを付けた男のアーチャー。
即死上等が売りの突撃アーチャーだ。
『不良魔法少女キューティーα』
魔法が使えない女の錬金術師。
キャラそのものは超美少女だが鼻ひげ眼鏡とスクール水着。
背中にはランドセル。
『夜の哀戦士』
マスターと同じ超マッチョの男の重戦士。
髪型は金髪縦ロール、ピンクのフリフリドレスを着ている。
装備するピンクの大盾には有名なリンゴ三個分の体重の猫の絵が描いてある。
そして口調が何故か侍風だ。
『(゚Д゚)ノ』
もはや名前ではない名前。
通称『俺氏』。
セーラー服に大剣、どうやって魔法を使うんだと言う男の魔導士。
『神奈川県大雪山』
地名ですらなくなってしまった名前。
自慢の装備は靴下にタンクトップとブリーフパンツ。
魔法を極めた男の格闘家。
『雪兎__ゆきうさぎ__#』
唯一まともな格好の女の裁縫師。
ゴスロリ服に大鎌、見た目もロリっぽい。
ただし、中身が女性でありながら、さらにその中身がオヤジという言動がとても残念な人。
『裸王IPA』
最後は俺、ラオウイソプロピルアルコールと読む。
長すぎるのでみんなアルと呼ぶ。
ラオウはかっこいいので却下だそうだ。
パンツ一丁にハルバードを持つ戦士だ。
戦場では『戦死のアル』と呼ばれる。
どうしても実力よりネタとして話題になるギルドである。
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