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人工勇者編

戦争準備と新武装

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「うむ、お前の名前は「セバスチャン」だ」

 エンジェルさんは帰ってくるなり老紳士を見て名前を付けた。

 あれ、何で?
 俺何も説明してないよ。
 しかも定番の名前だ。

「私め「セバスチャン」はあなた方の駒となりこの身を尽くしましょう」

「よろしくたのむ」

「つきましては……」

「許可しよう」

「ありがとうございます」

 エンジェルさんはセバスチャンが良い終わる前に許可を出した。
 意思疎通が出来てる?

「それでは」

 セバスチャンの両脇に魔法陣が浮かび上がり、そこから二人のメイドが現れた。

「この二人は私と同じ古代竜であります」
「「メアリー」と「ジェーン」だ」

 メイドにも定番の名前を付けた!

「あの……エンジェルさん聞かないんですか?」
「何をだ?」
「いや、セバスチャンを連れてきたわけを」
「説明は無用! 見ればわかる!」

 あ、そうですか……。

 セバスチャン、メアリー、ジェーンの三人はまるで長年仕えてたかのように、戻ってきたメンバーにそれぞれ一番いいタイミングでお茶を出す。
 それも一人一人、居れているお茶を変えているからすごい。
 エンジェルさんだけ定番の湯飲みに緑茶で、あとは紅茶だけど。
 メンバーは誰一人三人を気にせず当たり前のように受け入れている。
 何人かは俺を見て親指を立てている。
 まぁ、「MLG」はこういう所だよな。
 おそらく、近いうちにシャドウさんがケモミミの幼女メイドを連れてきそうだ。
 シャドウさんが犯罪を犯すことは無いが、絶対、犯罪を探すだろう。

「猫耳ではないけど、竜の角に巨乳……これはこれでありね。、そうだわ、羽を出してもらうのも良いかもしれない」

 雪兎さんが何かぶつぶつ呟いている。

「早く……早く獣人の国を見つけないと……絶対に執事見習いとして男の子を」

 キューティーさんは顔までやばいことになっている。
 なぜそんなに必死なんだろう。

「よし、全員集まったな。紳士会議を行う」

 エンジェルさんが宣言すると、全員真面目な顔つきに変わった。
 まずは確認事項。
 メンバーより提案されていることに関し一つ一つ確認をして行く。
 俺の出した、勇者の称号については全員同じ「異世界の勇者」がついていた。
 討伐対象になるのかという疑問にはエンジェルさんが答えてくれた、ならないそうだ。

 ほかのメンバーからの確認点も問題なく進んでいった。
 そして、次の議題、勇者討伐になり、そこでエンジェルさんからどんでもない話が出てきた。

 レムレス王国が大量の勇者を引きつれティマイオス王国に向けて進軍中。
 しかも四つの部隊が、それぞれ別ルートで進軍しているそうだ。

 これに対抗すべく、まずはメインである帝王様の部隊が本体と思われるレムレス軍を迎え撃つ。
 帝王様の部隊に「黄昏の翼」のメンバー全員が参加するとのこと。
 そして「自由世界のアリス」は二手に分かれて、それぞれの軍に参加する。
 佳乃杜も参加し佳乃杜は一人で残りの部隊に参加だ。

 そして俺達「MGL」は遊撃部隊として個別に行動する。

「作戦としては以上だ。最後に重要な案件だ」

 「MGL」にとって一番重要な話だ。
 この重要案件は大きな戦闘時には必ず話し合われる。

「紳士としての衣装を決めたいと思う」

 メンバーが次々と手を上げる。
 異世界デビュー戦という重要な舞台の衣装だ、みんなそれなりに気合が入っている。
 紳士衣装会議は深夜まで及んだ。

「よし! これで各自の衣装は決まった、アル、雪兎、制作を頼むぞ」

「「……了解……」」

 会議が終わるころには日が昇っていた。
 考えてみれば、異世界にきて初日なんだよな……すんごい濃い一日だった。

 そして、異世界生活二日目は全員寝て終わった。





「ところで、ティマイオス王国はいつ進軍を始めるんですか?」

「しらん!」

 朝、みんなで食事をしているときに、なんとなくエンジェルさんに聞いてみたら予想外の答えが返ってきた。
 え?
 いや、あれだけ会議したのに肝心な所と言うか基本的な所がすっぽ抜けてますよね。

「よし、猫鍋にメッセージを飛ばそう」

「エンジェル様、三日後に出立となります。そして明日、王城にて決起集会が開かれますので正装で出席して下さい」

 エンジェルさんがメッセージを飛ばそうとすると、横から、さらっとセバスチャンが答えた。

「了解した、制作班は間に合うか?」
「問題ないよ」
「私も」

 ゲームと同じでスキルを使えば製作は一瞬だし。
 最高品質以外は売り払ってしまおう。
 材料は豊富にあるので半日もせずに全員分が完成した。

 そして、完成したお披露目会だ。

 まずはリーダーであるエンジェルさん。(暗殺者)
 マッスルな体に露出の高い巫女風の服。
 そして、暗殺者であるが為の火力不足を補うべく美少女化した戦艦物風の重装備。
 極大魔法を封じた魔石を使用して作ったミサイルポッド、一斉射撃で都市一つは余裕で更地にできる。
 そして肩に二門のレーザー砲、特製魔石バッテリーを使用することで城すら溶解するほどの高火力を可能としている。
 極めつけは腰のスリットから除くピンクの紐ブリーフ!

「うむ、素晴らしい。戦場の紳士として立てるだろう」

 サブマスターの木工ボンドさん。(重戦士)
 お気に入りのブーメランパンツはラメ加工を施し、七色に光を乱反射できる。
 マフラーは皮ベストへ変更、ボンテージ風に仕上げている。
 こちらも火力不足を補うべく背中に六本のアームを取り付けそれぞれに機関銃を装備。
 地、水、火、風、光、闇全ての属性を同時に装備することで属性防御できないようにしている。
 弾薬はストレージから自動補給、ストレージにはそれぞれ三十万発入っている。

 同じくサブマスターのロリコン戦士車道さん。(回復術師)
 腰までスリットのある白いシスター服だ。
 細マッチョの体がわかるようピッチピチに仕上げてある。
 武器も魔法ステッキから、十字架をかたどった巨大ハンマーに変更。
 全属性の強化魔石を使用しているので、一発で全属性攻撃を可能としている。
 パンツは黒のフリルのついたブリーフだ。

 続いていこう。
 腰の伝道師ボサツさん。(弓戦士)
 ビキニアーマーからピッチピチの女性用競泳水着に変更。
 背中の露出はお尻半分までありセクシーさを強調。
 弓の他に超遠距離可能なライフルを装備。
 連射こそ聞かないものの、全属性の弾丸を用意。
 凍らせる弾丸は町一つ全部凍らせるほどの威力がある。

 不良魔法少女キューティーαさん。(錬金術師)
 いまいちインパクトが無かったため、錬金術師らしく黄金のフルプレートアーマーに変更。
 その姿は十二宮の黄〇聖闘士だ。
 装備している黄金のガントレットは全属性の魔石を使用し、数千発の拳大の衝撃波を生み出すことでペ〇サス流星拳を再現している。

 夜の哀戦士さん。(重戦士)
 ピンクのドレスから、ピンクのウェディングドレスに変更。
 頭の装備を金髪縦ロールのカツラにすることでヴェールも装備できると言う二重装備仕様だ。
 盾は純潔を現す白に変更し、ゲートの魔法を付与し、攻撃を威力を殺すことなく前方に打ち返せるようにしてある。
 そしてブーケをかたどった魔石爆弾、連鎖で爆発するため多属性の爆発が長く続くようになっている。

 (゚Д゚)ノ俺氏さん。(魔導士)
 セーラー服から体操服変更、下はブルマだ。
 魔法が使いやすいよう大剣から七支刀へ変更。
 頭は紅白ハチマキ。
 足は白のハイソックスに白い運動靴。
 運動靴に爆発の魔石を仕込むことで突進力を高めている。

 神奈川県大雪山さん。(格闘家)
 ブリーフを伸縮性の高いものに変更し腰の部分を肩にかけることを可能にした。
 足は網タイツにハイヒール。
 頭は黒のレースに中割れのある女性用パンツだ。
 紳士の中の紳士、変態〇面だ!
 格闘アクションの幅を広げるためロープと鞭を装備した。

 雪兎さん。(裁縫師)
 大人の雰囲気を出すべく、ゴスロリからチャイナ服へ変更。
 白のガーターベルトも着用し色気を出す。
 ただし、見た目がJCのため誰もコメントが出来ない。
 武器は大鎌から、おどろおどろしい髑髏をかたどったメイス。
 このメイスには殴った相手を禿げさせる恐ろしい呪いが追加効果でかかっている。

 そして、俺!
 裸王IPA(戦士)
 パンツ一丁にボディーペイントでスーツを着ているように見える。
 ただし水に弱い。
 武器はハルバードから大斧へ変更。
 範囲攻撃可能で範囲内の敵全てに尿意をもたらす効果付きだ!

「雪兎、アル。素晴らしい出来だ。これでより隠密行動がしやすくなるだろう」

 エンジェルさんが代表してお礼を言ってくれた。
 皆、気に入ってくれたようだ。
 頑張ったかいがあったぜ。
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