12 / 29
第12話:理(ロゴス)の食い潰し、あるいは禁忌の再構築
しおりを挟む
第28階層の隅、幾何学的な結晶世界に穿たれた「傷跡」のような場所。
埃の積もった旧書庫の空気は、外の冷徹な世界とは対照的に、古びた紙と微かな魔力の残り香で満たされていた。
「……主、右腕の神経接続、および魔力回路の暫定的修復を完了。ですが、出力は依然として平常時の四割に留まります」
銀色の装甲の至る所を焼き切られたグリムが、火花を散らしながら報告する。リィネは、カイの傍らに跪き、必死に癒やしの呪術を施していた。
「カイ様……お願い、無茶はしないでください。あの人の『理』は、私たちの知る力とはあまりに違いすぎます」
カイは答えなかった。
彼は、書庫の中央に鎮座する、半ば崩れかけた石碑を凝視していた。
そこには、かつて前世の摩天が切り捨てた「魔術」を、彼の弟子たちが師に代わって研鑽し、遺した禁忌の記録があった。
(私は、世界を半分しか見ていなかったのか――)
カイは自嘲気味に口角を上げた。
前世、彼は最強への最短距離を求めた。感情を糧とし、因果を歪める「呪術」こそが、静的な法則を積み上げるだけの「魔術」を凌駕すると信じた。確かにそれは正しかった。だが、管理局が磨き上げたソロモンという「理」は、その不確かさそのものを「エラー」として処理する、呪術の天敵であった。
「理(ロゴス)の食い潰し……」
石碑に刻まれた文字が、カイの黄金の瞳に映る。
それは、術式を壊すのではなく、呪力という「不純物」を魔術の「論理(ルール)」の中に滑り込ませ、内側からすべてを飲み込むという、極めて邪悪で緻密な再構築の理論だった。
「リィネ、グリム。下がっていろ。……少し、自分の中の『ゴミ』と向き合ってくる」
カイは目を閉じ、深い瞑想に入った。
カイの内面世界。
そこは、漆黒の海と、天を覆う無数の金色の数式が交差する、静寂の極致だった。
目の前に、取り戻した「左腕」が浮かんでいる。
『……求メルカ。理ヲ、飲み込ムチカラヲ』
左腕に残された摩天の残留思念が、直接脳内に響く。
「ああ。ソロモンは私が捨てた『善性』や『秩序』の欠片から作られた木偶だ。奴が完璧な算式を解くというなら、私はその問いそのものを汚し、私の色に染める必要がある」
カイは躊躇なく、左腕の呪印を自らの右腕に、そして全身へと伝播させた。
「ガ、アアアアアッ!!」
精神世界の中で、カイの絶叫が轟く。
それは、肉体という「器」を無理やり書き換える激痛だった。呪力をただ放つのではなく、魔術の「算式」を受け入れるための回路を、呪力で無理やり神経に彫り込んでいく。
秩序を混沌に、混沌を秩序に。
相容れぬ二つの極を、カイは力ずくで自身の魂の中に統合していく。
「壊すのではない。……飲み込み、我が一部とするのだ!」
その時、隠し書庫の入り口が、眼を焼くような純白の光によって分解され始めた。
「見つけたよ、不合理な変数たち」
ソロモンの声が、回廊全体に響き渡る。
彼は玉座に座ったまま、その意志だけで階層全体の「再定義(フォーマット)」を開始していた。
書庫の壁が、天井が、床が。すべてが金色の数式に変換され、ソロモンの「絶対算式」に従って消去されていく。
「カイ様! 空間が……消えていきます!」
リィネが叫び、黒い茨を放つが、その茨も空中で数字の羅列に変わり、霧散した。
「無駄だよ。この階層のすべては私の計算下にある。君たちの存在も、この古い記憶も、すべては『解』を導くためのノイズだ。消去(デリート)する」
ソロモンの眼鏡が冷たく光り、巨大な消去プログラムが書庫の心臓部へと迫る。
その崩壊する空間の中から、一人の男がゆっくりと立ち上がった。
黒いオーラを纏いながらも、その輪郭は驚くほど鋭利で、静謐。
カイの左腕は、もはや禍々しい闇を垂れ流してはいなかった。それは光さえも内側に閉じ込めたような、深淵の「虚無の黒」へと変質していた。
「……ホーゥ? 出力が安定したか。だが、数式を伴わない力に意味はない」
ソロモンが指を弾く。
「定理:存在の否定。空間座標28-Xにおける全質量の抹消」
ソロモンの放った最強の消去算式が、カイの胸元に突き刺さる。
しかし、起きたのは消去ではなかった。
カイが突き出した指先に、ソロモンの放った金色の数式が触れた瞬間――その数式が、ドロリとした黒い色に染まった。
「――呪術・魔術融合術式:『理食(ロゴス・イーター)』」
カイの低い声と共に、ソロモンの展開した計算式が「逆流」を始めた。
カイはソロモンの放った攻撃を「食べて」いた。魔術の論理を自身の呪力で汚染し、そのエネルギーを自らの糧として再構築し、右腕から黒い雷光として放出したのだ。
「な……ッ!? 私の計算式が……エラーを吐いている!? バカな、論理が……汚染されているだと!?」
ソロモンが初めて、玉座から立ち上がった。
彼の周囲に浮かぶ完璧な数式たちが、黒い染みが広がったように歪み、意味をなさない文字列へと崩れていく。
「ソロモン。お前は正しい『解』を求めた。だが、私はその『問い』そのものを呪うことにした」
カイが一歩踏み出す。
彼が歩くたび、消去されかけていた書庫の空間が、黒い光を伴って再構築されていく。それはソロモンの理ではなく、カイが支配する「新たな法則」だった。
「世界という計算式に、私が『毒』を混ぜてやった。お前の解く算数は、もう一歩先へは進めない」
カイの全身から、魔術の緻密さと呪術の凶悪さが融合した、見たこともないほど濃密な圧力が放たれた。
「……主、主の魔力波形に新系統を確認。……これこそが、かつての摩天様すら到達し得なかった、真の全能への第一歩」
グリムのセンサーが、歓喜するように激しく明滅する。
「……カイ様……」
リィネは、目の前の背中に神々しささえ感じていた。それは光でも闇でもない。すべてを統べる「理の王」の姿だった。
「……不快だ。実に不快なノイズだ」
ソロモンが眼鏡を歪ませ、顔を怒りに染める。論理を至上とする彼にとって、計算できない存在の出現は、魂の否定に等しかった。
「いいだろう。ならば、計算など不要なほどの圧倒的な質量で、その歪みを押し潰してあげよう」
ソロモンの背後に、第28階層すべてのリソースを注ぎ込んだ、巨大な「終焉の魔導陣」が展開される。
「算数は終わりだ、ソロモン。ここからは……私がお前に、『毒物混じりの魔術』の本当の怖さを教えてやる」
カイは右腕を突き出し、不敵に笑った。
敗北を糧とし、自らの限界を超えた元最強呪術師。
自分自身との決戦は、いよいよ互いの存在を賭けた、最終計算(ラスト・シークエンス)へと突入する。
埃の積もった旧書庫の空気は、外の冷徹な世界とは対照的に、古びた紙と微かな魔力の残り香で満たされていた。
「……主、右腕の神経接続、および魔力回路の暫定的修復を完了。ですが、出力は依然として平常時の四割に留まります」
銀色の装甲の至る所を焼き切られたグリムが、火花を散らしながら報告する。リィネは、カイの傍らに跪き、必死に癒やしの呪術を施していた。
「カイ様……お願い、無茶はしないでください。あの人の『理』は、私たちの知る力とはあまりに違いすぎます」
カイは答えなかった。
彼は、書庫の中央に鎮座する、半ば崩れかけた石碑を凝視していた。
そこには、かつて前世の摩天が切り捨てた「魔術」を、彼の弟子たちが師に代わって研鑽し、遺した禁忌の記録があった。
(私は、世界を半分しか見ていなかったのか――)
カイは自嘲気味に口角を上げた。
前世、彼は最強への最短距離を求めた。感情を糧とし、因果を歪める「呪術」こそが、静的な法則を積み上げるだけの「魔術」を凌駕すると信じた。確かにそれは正しかった。だが、管理局が磨き上げたソロモンという「理」は、その不確かさそのものを「エラー」として処理する、呪術の天敵であった。
「理(ロゴス)の食い潰し……」
石碑に刻まれた文字が、カイの黄金の瞳に映る。
それは、術式を壊すのではなく、呪力という「不純物」を魔術の「論理(ルール)」の中に滑り込ませ、内側からすべてを飲み込むという、極めて邪悪で緻密な再構築の理論だった。
「リィネ、グリム。下がっていろ。……少し、自分の中の『ゴミ』と向き合ってくる」
カイは目を閉じ、深い瞑想に入った。
カイの内面世界。
そこは、漆黒の海と、天を覆う無数の金色の数式が交差する、静寂の極致だった。
目の前に、取り戻した「左腕」が浮かんでいる。
『……求メルカ。理ヲ、飲み込ムチカラヲ』
左腕に残された摩天の残留思念が、直接脳内に響く。
「ああ。ソロモンは私が捨てた『善性』や『秩序』の欠片から作られた木偶だ。奴が完璧な算式を解くというなら、私はその問いそのものを汚し、私の色に染める必要がある」
カイは躊躇なく、左腕の呪印を自らの右腕に、そして全身へと伝播させた。
「ガ、アアアアアッ!!」
精神世界の中で、カイの絶叫が轟く。
それは、肉体という「器」を無理やり書き換える激痛だった。呪力をただ放つのではなく、魔術の「算式」を受け入れるための回路を、呪力で無理やり神経に彫り込んでいく。
秩序を混沌に、混沌を秩序に。
相容れぬ二つの極を、カイは力ずくで自身の魂の中に統合していく。
「壊すのではない。……飲み込み、我が一部とするのだ!」
その時、隠し書庫の入り口が、眼を焼くような純白の光によって分解され始めた。
「見つけたよ、不合理な変数たち」
ソロモンの声が、回廊全体に響き渡る。
彼は玉座に座ったまま、その意志だけで階層全体の「再定義(フォーマット)」を開始していた。
書庫の壁が、天井が、床が。すべてが金色の数式に変換され、ソロモンの「絶対算式」に従って消去されていく。
「カイ様! 空間が……消えていきます!」
リィネが叫び、黒い茨を放つが、その茨も空中で数字の羅列に変わり、霧散した。
「無駄だよ。この階層のすべては私の計算下にある。君たちの存在も、この古い記憶も、すべては『解』を導くためのノイズだ。消去(デリート)する」
ソロモンの眼鏡が冷たく光り、巨大な消去プログラムが書庫の心臓部へと迫る。
その崩壊する空間の中から、一人の男がゆっくりと立ち上がった。
黒いオーラを纏いながらも、その輪郭は驚くほど鋭利で、静謐。
カイの左腕は、もはや禍々しい闇を垂れ流してはいなかった。それは光さえも内側に閉じ込めたような、深淵の「虚無の黒」へと変質していた。
「……ホーゥ? 出力が安定したか。だが、数式を伴わない力に意味はない」
ソロモンが指を弾く。
「定理:存在の否定。空間座標28-Xにおける全質量の抹消」
ソロモンの放った最強の消去算式が、カイの胸元に突き刺さる。
しかし、起きたのは消去ではなかった。
カイが突き出した指先に、ソロモンの放った金色の数式が触れた瞬間――その数式が、ドロリとした黒い色に染まった。
「――呪術・魔術融合術式:『理食(ロゴス・イーター)』」
カイの低い声と共に、ソロモンの展開した計算式が「逆流」を始めた。
カイはソロモンの放った攻撃を「食べて」いた。魔術の論理を自身の呪力で汚染し、そのエネルギーを自らの糧として再構築し、右腕から黒い雷光として放出したのだ。
「な……ッ!? 私の計算式が……エラーを吐いている!? バカな、論理が……汚染されているだと!?」
ソロモンが初めて、玉座から立ち上がった。
彼の周囲に浮かぶ完璧な数式たちが、黒い染みが広がったように歪み、意味をなさない文字列へと崩れていく。
「ソロモン。お前は正しい『解』を求めた。だが、私はその『問い』そのものを呪うことにした」
カイが一歩踏み出す。
彼が歩くたび、消去されかけていた書庫の空間が、黒い光を伴って再構築されていく。それはソロモンの理ではなく、カイが支配する「新たな法則」だった。
「世界という計算式に、私が『毒』を混ぜてやった。お前の解く算数は、もう一歩先へは進めない」
カイの全身から、魔術の緻密さと呪術の凶悪さが融合した、見たこともないほど濃密な圧力が放たれた。
「……主、主の魔力波形に新系統を確認。……これこそが、かつての摩天様すら到達し得なかった、真の全能への第一歩」
グリムのセンサーが、歓喜するように激しく明滅する。
「……カイ様……」
リィネは、目の前の背中に神々しささえ感じていた。それは光でも闇でもない。すべてを統べる「理の王」の姿だった。
「……不快だ。実に不快なノイズだ」
ソロモンが眼鏡を歪ませ、顔を怒りに染める。論理を至上とする彼にとって、計算できない存在の出現は、魂の否定に等しかった。
「いいだろう。ならば、計算など不要なほどの圧倒的な質量で、その歪みを押し潰してあげよう」
ソロモンの背後に、第28階層すべてのリソースを注ぎ込んだ、巨大な「終焉の魔導陣」が展開される。
「算数は終わりだ、ソロモン。ここからは……私がお前に、『毒物混じりの魔術』の本当の怖さを教えてやる」
カイは右腕を突き出し、不敵に笑った。
敗北を糧とし、自らの限界を超えた元最強呪術師。
自分自身との決戦は、いよいよ互いの存在を賭けた、最終計算(ラスト・シークエンス)へと突入する。
10
あなたにおすすめの小説
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
最弱弓術士、全距離支配で最強へ
Y.
ファンタジー
「弓術士? ああ、あの器用貧乏な最弱職のことか」
剣と魔法が全てを決める世界において、弓は「射程は魔法に及ばず、威力は剣に劣る」不遇の武器と蔑まれていた。
若き冒険者リアンは、亡き叔父から譲り受けた一振りの弓「ストーム・ウィスパー」を手に、冒険者の門を叩く。周囲の嘲笑を余所に、彼が秘めていたのは、世界をナノ単位で解析する「化け物じみた集中力」だった。
リアンの放つ一矢は、もはや単なる遠距離攻撃ではない。
風を読み、空間を計算し、敵の急所をミリ単位で射抜く精密射撃。
弓本体に仕込まれたブレードを操り、剣士を圧倒する近接弓術。
そして、魔力の波長を読み取り、呪文そのものを撃ち落とす対魔法技術。
「近距離、中距離、遠距離……俺の射程に逃げ場はない」
孤独な修行の末に辿り着いた「全距離対応型弓術」は、次第に王道パーティやエリート冒険者たちの常識を塗り替えていく。
しかし、その弓には叔父が命を懸けて守り抜いた**「世界の理(ことわり)」を揺るがす秘密**が隠されていた――。
最弱と笑われた少年が、一張の弓で最強へと駆け上がる、至高の異世界アクションファンタジー、開幕!
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
タイム連打ってなんだよ(困惑)
こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
「リオ、お前をパーティから追放する。お前のようなハズレスキルのザコは足手まといなんだよ」
王都の冒険者ギルドにて、若手冒険者のリオは、リーダーの身勝手な都合によってパーティから追い出されてしまい、同時に後宮では、聖女の降臨や第一王子の婚約破棄などが話題になっていた。
パーティを追放されたリオは、ある日商隊の護衛依頼を受けた際、野盗に襲われる可憐な少女を助けることになるのだが、彼女は第一王子から婚約破棄された上に濡れ衣を着せられて迫害された元公爵令嬢こと、アイリスだった。
アイリスとの出会いから始まる冒険の旅、行く先々で様々な思惑によって爪弾きにされてしまった者達を受け入れていく内に、彼はある決意をする。
「作ろう。誰もが幸せに過ごせる、そんな居場所を」
目指すべき理想、突き動かされる世界、そしてハズレスキル【タイム連打】に隠されたリオの本当の力とは?
※安心安全安定安泰の四安揃った、ハピエン確定のハズレスキル無双です。
『エ○ーマンが倒せない』は関係ありません。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
古代文明の最強王、5000年後に転生すると魔法が弱体化しすぎていたのでもう一度最強になります。~底辺貴族からの成り上がり~
しNぱ
ファンタジー
5000年前、魔法文明マギア魔導王国を築き、
魔法体系そのものを創造した王アーケ・マギアス・マギアは、
さらなる魔法の発展を求め、自らの魂を未来へ送る転生魔法を発動した。成熟した古代魔法を超える研究が進んだ世界を見たいという純粋な探求心から、5000年後の世界へと意識を沈めた。
目覚めた先は、スケルド男爵家三男レイフとしての赤子の身体だった。産まれた瞬間から記憶を持つ彼は、質素な家と薄い魔力の流れを前に、未来の魔法研究が古代よりも大きく退化していることに気づく。最底辺と呼ばれる家に生まれながらも、家族は温かく、彼の異常な魔力量を希望として受け入れた。
幼少期から魔力操作を自然に行い、三歳で石を浮かせ、五歳で光魔法を自在に扱うなど、古代王としての力を隠しながら成長する。外では古代魔法を使わず、転生者であることを悟られないよう慎重に振る舞いながら、未来の魔法体系を観察し続けた。
十歳になると身体強化などの古代魔法を最低限だけ使い、父との剣術訓練でも圧倒的な動きを見せるが、本来の力は隠したまま過ごす。そして十六歳、高等魔導学園に入学したレイフは、初日の実技試験で無詠唱魔法や術式無効化を用いて試験官を圧倒し、最底辺男爵家ながらA級判定を受ける。
その姿を見たストラング公爵家の令嬢エリナは、彼に強い興味を抱く。5000年後の世界は古代より魔法が退化していたが、だからこそ発展の余地がある。レイフは古代王としての知識をもとに、もう一度魔法の未来を切り開くことを決意する。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる