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偶然
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次の日、祝日明け…
翔太はいつも通り学校へ行き、いつもの夕方下校の時間になった。
電車の扉近くに乗りながら、スマホもいじらず、流れる外の景色をボーっと見る。
昨日のパン屋のバイト中から今日の授業中から今まで…
ずっとあの、あーちゃんに似た少年と、トレイにピタリとくっついていた、スクランブルエッグコッペパンが気になって仕方なかった。
(やっぱり、あいつ、あーちゃんなのかな?)
自宅の最寄り駅に降りても、そんな事ばかりを考える。
でも、聞いて、又昔みたいな嫌な思いはしたくないし、あーちゃんの事は早く忘れた方がいいと思う。
こんな事してたら、受験にも身が入らない。
(まだ、バイトしたかったけど、早めに辞めるか…)
翔太は、あと今週、来週の出勤を最後に、パン屋も辞める事にした。
本当は翔太は、あーちゃんによく料理などをして上げてただけあって、パン屋になりたいとずっと思っていた。
しかし、パン屋がどんなに大変かバイトしてみて分かったし…
正直、ゆくゆく自分で店を開くなんて、金銭的に大変で自信が無いし無理だと思っている。
今は、母の言う通り、父親と同じそこそこの大学に行き、大手上場企業に就職した方が人生無難で過ごせそうだと思っていた。
そしていずれ、同じ会社のそこそこかわいい同僚女子とそこそこお付き合いしてなんとなく結婚して、なんとなく子供が出来るんだろう。
子供の時と違い、何事も凄く好き…だけでは人生は上手くやっていけない。
成長する度に好きなモノをどんどん手放していき、諦めていき、社会の普通や社会の現実に合わせないといけない。
それが、大人になると言う事で…
翔太のようなありきたりの人間の生き方で、そう生きる事が幸せに繋がる…
早々と、翔太はそう大人びた事を思っていた。
バイトは元々、土日祝だけの手伝いだったし…
翔太が手伝えばオーナー夫婦が少し助かる程度で、翔太が辞めても、店は忙しいながらもなんとかオーナー夫婦だけで回るのは分かっている。
オーナーの親戚は残念がるだろうが、早く受験モードになってほしがっていた母は大喜びだろう。
そんな事を考えながら、広い公園の前を歩いていたら、突然後ろから声がした。
「あの…」
自分を呼んだのか不確実なまま、
翔太が振り返ると…
そこに、あのあーちゃんに似た美少年がいた。
翔太がビックリして固まっていると、あーちゃん似の美少年がニッコリ笑って言った。
「あの…間違っていればすいません。パン屋の店員さんですか?」
翔太があーちゃん似の美少年と思っている篤志は、勿論、幼なじみの翔太を忘れているフリをしていた。
そして、わざと余り面識がないかのような半信半疑を装う見事な演技をしていた。
篤志は何がなんでも、篤志を忘れてると篤志が思ってる翔太に、翔太から「もしかして、あーちゃん?」と思い出させ言わせる気満々だった。
そして、偶然会ったように見せかけていたが、実は翔太をずっとここで待っていた。
翔太はいつも通り学校へ行き、いつもの夕方下校の時間になった。
電車の扉近くに乗りながら、スマホもいじらず、流れる外の景色をボーっと見る。
昨日のパン屋のバイト中から今日の授業中から今まで…
ずっとあの、あーちゃんに似た少年と、トレイにピタリとくっついていた、スクランブルエッグコッペパンが気になって仕方なかった。
(やっぱり、あいつ、あーちゃんなのかな?)
自宅の最寄り駅に降りても、そんな事ばかりを考える。
でも、聞いて、又昔みたいな嫌な思いはしたくないし、あーちゃんの事は早く忘れた方がいいと思う。
こんな事してたら、受験にも身が入らない。
(まだ、バイトしたかったけど、早めに辞めるか…)
翔太は、あと今週、来週の出勤を最後に、パン屋も辞める事にした。
本当は翔太は、あーちゃんによく料理などをして上げてただけあって、パン屋になりたいとずっと思っていた。
しかし、パン屋がどんなに大変かバイトしてみて分かったし…
正直、ゆくゆく自分で店を開くなんて、金銭的に大変で自信が無いし無理だと思っている。
今は、母の言う通り、父親と同じそこそこの大学に行き、大手上場企業に就職した方が人生無難で過ごせそうだと思っていた。
そしていずれ、同じ会社のそこそこかわいい同僚女子とそこそこお付き合いしてなんとなく結婚して、なんとなく子供が出来るんだろう。
子供の時と違い、何事も凄く好き…だけでは人生は上手くやっていけない。
成長する度に好きなモノをどんどん手放していき、諦めていき、社会の普通や社会の現実に合わせないといけない。
それが、大人になると言う事で…
翔太のようなありきたりの人間の生き方で、そう生きる事が幸せに繋がる…
早々と、翔太はそう大人びた事を思っていた。
バイトは元々、土日祝だけの手伝いだったし…
翔太が手伝えばオーナー夫婦が少し助かる程度で、翔太が辞めても、店は忙しいながらもなんとかオーナー夫婦だけで回るのは分かっている。
オーナーの親戚は残念がるだろうが、早く受験モードになってほしがっていた母は大喜びだろう。
そんな事を考えながら、広い公園の前を歩いていたら、突然後ろから声がした。
「あの…」
自分を呼んだのか不確実なまま、
翔太が振り返ると…
そこに、あのあーちゃんに似た美少年がいた。
翔太がビックリして固まっていると、あーちゃん似の美少年がニッコリ笑って言った。
「あの…間違っていればすいません。パン屋の店員さんですか?」
翔太があーちゃん似の美少年と思っている篤志は、勿論、幼なじみの翔太を忘れているフリをしていた。
そして、わざと余り面識がないかのような半信半疑を装う見事な演技をしていた。
篤志は何がなんでも、篤志を忘れてると篤志が思ってる翔太に、翔太から「もしかして、あーちゃん?」と思い出させ言わせる気満々だった。
そして、偶然会ったように見せかけていたが、実は翔太をずっとここで待っていた。
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