マイベイビー(傲慢王子は、偽装愛人少年を溺愛する。この気持ちは、恋であってはならない)

みゃー

文字の大きさ
7 / 45

偽装

しおりを挟む
事が終わるとグレンは、アシュに隣の大部屋に人を呼びに行かせ
た。

そこには、

皆同じ黒のメイド服に白のエプロンをした、圧巻の美しい侍女達が数人待機していた。

その美女達にアシュは、グレンの命令でに大浴場に連れて行かれ
た。

まさか、侍女達に体を洗われるのではないかと、アシュは一瞬焦ったが、大浴場に一人入れられて安堵した。

体を洗い、仕立ての良い白いシャツと黒いズボンに着替える。

普段は、どんなに暑くてもシャツを何枚か重ねる事で、普通の男子より僅かにだが膨らんだ胸と母乳染みを隠してきたアシュだったから、着替えのシャツは3枚頼んでいた。

その後、グレンに呼ばれているという事で、再び侍女達の後を付いて行く。

しかし、今度は一度城内を出て、
ただただ広大な薔薇園の中を通
る。

大理石の大噴水や沢山の美しい彫像の回りには…

そこには、ピンク、白、黄色…

そして、真紅に青…

かわいいものから妖しく美しいものまで…

沢山の花々が葉や蔦を複雑に絡ませ合いながら、色鮮やかに美を競い合っているかのようで、

それぞれ独特の甘い甘い香りが、深く誘惑するように流れてくる。

「何処へ行くのですか?」と、アシュは侍女に聞いたが、

「それは、グレン様直々にお話しされます…」と、何故か酷く冷た気に突き放された。

やがて前方正面に、大きな2階建ての離宮が見えた。

白亜に、愛らしい薄いマゼンダピンクの差し色のコントラストの美しい壁が印象的だ。

豪奢な玄関を入ると、そこは2階まで吹き抜けで、美しい白の渦巻き模様の手摺の螺旋階段が正面にある。

天井には、空を優美に舞うこの国の女神の巨大な絵が下を見下ろしている。

すでに沢山の侍女達が通路の両側に並び、アシュが通ると一斉に頭を下げた。

ただならぬ雰囲気に、アシュに嫌な予感が走った。

(早く!早く!乳母を辞退しないと!)

アシュの脈が早くなり、暑くもないのに嫌な汗が額から滲み出てきた。

離宮内も、城と変わらぬ豪華さ
だ。

螺旋階段を2階へ上がり、又暫く歩き廊下を行くと、侍女がある部屋をノックした。

「入れ!」

聞こえたのは、間違いなくグレンの声だ。

アシュはどんな事があっても、グレンの声だけは絶対間違わない自信があった。

「アシュだけ置いて、お前は下がれ!」

そのグレンの言葉に、ドアを開けすぐ侍女は一礼し立ち去った。

廊下で戸惑うアシュに、グレンが部屋の中から声を掛けた。

「入れ!アシュ!」

人を従わせる強い声に、アシュは
室内の奥に足を踏み入れた。

広い広い部屋には、やはりここ
も、金や銀の派手な装飾がいたる所に散りばめられ、いかにも値の張りそうな拵えのイスやテーブルなどの調度品が、品のとても良い白一色で統一されていた。

しかし、ふとアシュが横を見ると
寝室へのドアが開いていて、その中が見えた。

人が4人は横になれそうな、今は幕の上がった天蓋付きのキングサイズのベッドが存在感が強烈で、アシュの視線を奪った。

更に、そのベッドの頭の方と更に右手の壁の一部は、ベッドの上での姿があらわに映る巨大な鏡張りにされているのがアシュには確認出来たが…

実は左の壁も、鏡に一部占領されていた。

余りに異質な雰囲気にキョロキョロしているアシュに、グレンが不意に言った。

「所で…お前の立場だか…いくら何でも、私に未だに乳母がいるというのは公言出来ない。だから…お前は今日から、表向きは私の愛人という事にする。アシュ。今からお前は、私の愛人のフリをしろ」

「愛人の…フリ…?」

アシュは、話しの内容に付いていけず、グレンの目を見てただ呆然とした。

「まぁ…さっきのように、これからも互いのペニスを愛撫し合う事までならあるだろうが…それ以上は無い」

アシュは、体が硬直した。

「私とお前は、愛し合う仲では決して無い。お前は私の愛人では決して無い。私とお前は、あくまで主人と乳母。それ以上でもそれ以下でも無い。だから愛人のフリをしろ!」

グレンは、ひたすら淡々と続け
る。















しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

大学一軍イケメンにいちご狩りに誘われた陰キャの俺、なぜかいちごじゃなくて俺が喰われたんだが(?)

子犬一 はぁて
BL
大学一軍イケメン×大学九軍陰キャ 喰われるなんて聞いてないんだが(?) 俺はただ、 いちご狩りに誘われただけだが。 なのに── 誘ってきた大学一軍イケメンの海皇(21)に なぜか俺が捕まって食われる展開に? ちょっと待てい。 意味がわからないんだが! いちご狩りから始まる ケンカップルいちゃらぶBL ※大人描写のある話はタイトルに『※』あり

入社1ヶ月のワンコ系男子が、知らずのうちに射止めたのはイケメン社長!?

monteri
BL
CM制作会社の新入社員、藤白純太は入社1ヶ月で教育係の先輩が過労で倒れたため、特別なクライアントの担当を引き継ぐことになる。 そのクライアントは、女子禁制ミーハー厳禁の芸能事務所だった。 主人公の無知で純なところに、翻弄されたり、骨抜きにされるイケメン社長と、何も知らない純太がドキドキするお話です。 ※今回の表紙はAI生成です ※小説家になろうにも公開してます

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

処理中です...