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使者
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(とんでも無い事になってしまった!)
アシュが、呆然と静まり返っている部屋で立ち尽くしていると、すぐ又、ドアを3回ノックする音がした。
「はい…」
仕方無く返事をすると、外の廊下から、長い銀の髪の若い美しい青年が入室してきた。
「アシュ様、初めてお目にかかります。今日よりアシュ様のお世話をさせていただくロイと申しま
す」
青年は、美しい声で淡々と言っ
た。
その表情も、笑み一つ無く、ただ
ただ事務的に見えた。
アシュは、すぐにでも乳母を退職してこの宮殿も出ていくつもりだったが、グレンの帰りを待たざるを得ず、取り敢えず話しを合わ
す。
「はい…ロイさん…」
「ロイ…と、呼び捨てて下さいませ…」
その後ロイは、アシュに食事を勧めてきた。
そして…続けてこうも言った。
「お食事以外でも、何なりと必要な事をお申し付け下さいませ。グレン様より、アシュ様に絶対に御不自由な思いはさせぬよう、常に満足のいく暮らしを送って頂くようにと、キツく申し渡されておりますので…」
王室のいや、グレンからの破格の厚遇だった。
しかし、礼を言い食事を断り、アシュは又部屋に一人になった。
そして、思う。
城も、この離宮も、何もかもが高価な物に囲まれて豪奢で豊かさに満ちている。
しかし、何もかもが、人ですらとても冷めていて、冷淡に感じる。
あんな小さくて貧しい自分の実家の方が、どんなにか温かみがあったか。
グレンも、例外でない。
グレンも、この宮殿内と同じ寒々しさを持っているのを今日、アシュは知ってしまった。
それでも…アシュは…
グレンのアシュに対する言葉、そして表情の一つ一つを思い出し…
そして、グレンのアシュのペニスを触る仕草を、頭の中で再現す
る。
すると、アシュの平常時のペニスが、ピクんとした。
アシュとグレンは、まだ喋り触れ合って数時間だ。
そして、確かに…確かに…グレンも、冷然な所があった。
しかし、それは皇太子としての立場もあるし、何より、アシュは、
どうしても、グレンがただただ冷淡なだけの男には思えなかった。
(違う…グレン様は、俺に触る時、
とても優しい時があった!俺に喋りかける時、とても優しい時があった!)
アシュは、ぐっと両手を握り、両目を閉じる。
そして、未だにグレンを尊崇する気持ちに、一切変わりが無い事を
確信する。
だが、だからこそアシュは…
尚更グレンの元から去らねばならないと思った。
暫くグレンの帰りを待ち、部屋のテーブル席に座っていると…
突然…
アシュの元に、国王からの召喚の使者が来た。
アシュは、極度の緊張感と共になんだか、更なる嫌な予感を感じてしまった。
アシュが、呆然と静まり返っている部屋で立ち尽くしていると、すぐ又、ドアを3回ノックする音がした。
「はい…」
仕方無く返事をすると、外の廊下から、長い銀の髪の若い美しい青年が入室してきた。
「アシュ様、初めてお目にかかります。今日よりアシュ様のお世話をさせていただくロイと申しま
す」
青年は、美しい声で淡々と言っ
た。
その表情も、笑み一つ無く、ただ
ただ事務的に見えた。
アシュは、すぐにでも乳母を退職してこの宮殿も出ていくつもりだったが、グレンの帰りを待たざるを得ず、取り敢えず話しを合わ
す。
「はい…ロイさん…」
「ロイ…と、呼び捨てて下さいませ…」
その後ロイは、アシュに食事を勧めてきた。
そして…続けてこうも言った。
「お食事以外でも、何なりと必要な事をお申し付け下さいませ。グレン様より、アシュ様に絶対に御不自由な思いはさせぬよう、常に満足のいく暮らしを送って頂くようにと、キツく申し渡されておりますので…」
王室のいや、グレンからの破格の厚遇だった。
しかし、礼を言い食事を断り、アシュは又部屋に一人になった。
そして、思う。
城も、この離宮も、何もかもが高価な物に囲まれて豪奢で豊かさに満ちている。
しかし、何もかもが、人ですらとても冷めていて、冷淡に感じる。
あんな小さくて貧しい自分の実家の方が、どんなにか温かみがあったか。
グレンも、例外でない。
グレンも、この宮殿内と同じ寒々しさを持っているのを今日、アシュは知ってしまった。
それでも…アシュは…
グレンのアシュに対する言葉、そして表情の一つ一つを思い出し…
そして、グレンのアシュのペニスを触る仕草を、頭の中で再現す
る。
すると、アシュの平常時のペニスが、ピクんとした。
アシュとグレンは、まだ喋り触れ合って数時間だ。
そして、確かに…確かに…グレンも、冷然な所があった。
しかし、それは皇太子としての立場もあるし、何より、アシュは、
どうしても、グレンがただただ冷淡なだけの男には思えなかった。
(違う…グレン様は、俺に触る時、
とても優しい時があった!俺に喋りかける時、とても優しい時があった!)
アシュは、ぐっと両手を握り、両目を閉じる。
そして、未だにグレンを尊崇する気持ちに、一切変わりが無い事を
確信する。
だが、だからこそアシュは…
尚更グレンの元から去らねばならないと思った。
暫くグレンの帰りを待ち、部屋のテーブル席に座っていると…
突然…
アシュの元に、国王からの召喚の使者が来た。
アシュは、極度の緊張感と共になんだか、更なる嫌な予感を感じてしまった。
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