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第1話 占いって、いい結果だと信じたくなるよね
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実子環は拉致された。
時刻は放課後、環を拉致したのは、この学校最大の力を持つ生徒会。その下っ端に教室にいたところを捕獲されたのだ。
「実子環、なぜここに呼ばれたか分かるか?」
そう、私に問うのは副会長の川蝉蓮副会長だ。長身、前髪、クール、気持ち長めにのばされた髪がさらにクールを磨く。目つきは悪いが、正義感が強い。さすがは警察のお偉いさんとこのご子息なことだ。
っと、こんなこと考えている場合ではない。私は早く帰らなければならない用事があるのだ。
生徒会の面々を前に恐る恐る、口を開く。
「……すみません、早く返してくれないですかね?」
「何勝手にしゃべっているんだ!」
そんな言葉に返ってきたのは、副会長の怒号だった。
「ええ!?だって、あなたが質問したから……」
「つべこべ言うな!」
私をギリッとにらみつける、副会長。
——り、理不尽。
「まぁまぁ、それは後にして、話を進めません?カワセミ先輩」
そんな、副会長をなだめるように声かけるのは、書記の番一。私と同じ一年にして、生徒会の重役という超のつくエリート。芸術において天才、副会長はオールマイティにできるタイプの秀才だとすれば、こっちは芸術特化の天才。音楽、絵画、書道etc……何でもでき、一つやらせれば先生を超える。それに、なつっこい小型犬気質で、その性格に答えるようなくるくるてんぱ。学校一の愛玩動物……と先輩たちが言ってた。
まずい、また余計なことを考えてしまった。
「そうだよ蓮、まずは協力的な雰囲気を見せてからね」
副会長と書記の間、その奥、窓に向けられた椅子から声がする。
「申し訳ありません、会長」
「はじめ、今回はこちらが頼むのだから、そのひもを解いてあげて」
「はい、会長」
会長と呼ばれる人物が椅子から立ち上がり、こちらに顔を向ける。
「すまないね、礼儀も知らないやつらで」
皆から、会長と呼ばれる存在。あの副会長にこの書記をまとめるこの学校の総大将。
「始めまして、生徒会長の勘解由小路 聖です」
彼が学校のトップ。
「環さん、あなたにお願いがあります」
時刻は放課後、環を拉致したのは、この学校最大の力を持つ生徒会。その下っ端に教室にいたところを捕獲されたのだ。
「実子環、なぜここに呼ばれたか分かるか?」
そう、私に問うのは副会長の川蝉蓮副会長だ。長身、前髪、クール、気持ち長めにのばされた髪がさらにクールを磨く。目つきは悪いが、正義感が強い。さすがは警察のお偉いさんとこのご子息なことだ。
っと、こんなこと考えている場合ではない。私は早く帰らなければならない用事があるのだ。
生徒会の面々を前に恐る恐る、口を開く。
「……すみません、早く返してくれないですかね?」
「何勝手にしゃべっているんだ!」
そんな言葉に返ってきたのは、副会長の怒号だった。
「ええ!?だって、あなたが質問したから……」
「つべこべ言うな!」
私をギリッとにらみつける、副会長。
——り、理不尽。
「まぁまぁ、それは後にして、話を進めません?カワセミ先輩」
そんな、副会長をなだめるように声かけるのは、書記の番一。私と同じ一年にして、生徒会の重役という超のつくエリート。芸術において天才、副会長はオールマイティにできるタイプの秀才だとすれば、こっちは芸術特化の天才。音楽、絵画、書道etc……何でもでき、一つやらせれば先生を超える。それに、なつっこい小型犬気質で、その性格に答えるようなくるくるてんぱ。学校一の愛玩動物……と先輩たちが言ってた。
まずい、また余計なことを考えてしまった。
「そうだよ蓮、まずは協力的な雰囲気を見せてからね」
副会長と書記の間、その奥、窓に向けられた椅子から声がする。
「申し訳ありません、会長」
「はじめ、今回はこちらが頼むのだから、そのひもを解いてあげて」
「はい、会長」
会長と呼ばれる人物が椅子から立ち上がり、こちらに顔を向ける。
「すまないね、礼儀も知らないやつらで」
皆から、会長と呼ばれる存在。あの副会長にこの書記をまとめるこの学校の総大将。
「始めまして、生徒会長の勘解由小路 聖です」
彼が学校のトップ。
「環さん、あなたにお願いがあります」
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