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生徒会入会篇

第26話 神様は占いを楽しめない気がする

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夕ご飯食べた後、母から社務室に呼ばれた。

「ねぇ、環?」

「はい、なんでしょうか、オカアサマ」

「ちゃんと、目を見て話してほしいな」

社務室は母と二人っきりで、重い空気がただよっていた。
母親は、年甲斐もなく巫女服を着ている。もちろん、プライベートでは私服だ。しかし、私にとって巫女服か私服かは大きな違いを持つ。

私服のときは優しい。少し過ぎたことがあれば、注意はされる。でも、注意だけで本当にその程度の優しい母親なのだ。

しかし、巫女服のときは、母親から同じ神に使える同僚の関係に近くなる。そして、一応格式高い神社であり、主に神事を執り行うのも巫女なのだ、

つまり、今のように、わざわざ社務室に巫女服まで着ているということは。

ーーこれ怒られるやつだ。

「なんで呼ばれたかわかる?」

「さぁ、、?」

心当たりがありすぎる。

「仕方ないわ、ヒントをあげる」

ヒントをあげるとは、もう確定してるからあなたをを断罪するね、と宣言されたようなもの。

「生徒会、占い、かいちょ「すみませんでした!!!!!!」

私は即頭を下げた。
よりによって、一番バレたく無いものが!
でも、もう知られてしまったなら仕方ない、ここは潔く謝り続けるのみ!

そして、誰だ、私を売ったのは⁉︎凪、おまえついに⁉︎

いや、こいつ裏切りやがったな。

「お母さん!私のこと占ったね⁉︎お互い占わないって、前に条約結んだじゃん!」

相手がその気なら私もカードを切る。

「いいんだ!私もお父さんに、金髪の社長さんのこと言っちゃうよ!」

「ちょっと!金髪の社長って、最近じゃないの!あなたこそ占ってるじゃない!」

言い合いから、掴み合いに発展し、お互い力尽きた。

「怒るのもあったけど、他にも話があるのよ」

息も絶え絶えに母親は言う。

「他ってなに……オエ」

女の子が絶対に出してはいけない嗚咽を出す私。

「あなたの状況はわかってる」

「チッ」

占いは私の方が上手いが、占いの精度を上げるための情報収集は母親の方が上手だ。本当に今日一日のことは把握しているんだろう。
さすが、国お抱えの占い師の補助。
ちなみに私は国お抱えの占い師の補欠。

「だから提案よ」

母親が、少し息が整ったところで、襟を直しながら言う。

「環、生徒会長と結婚しなさい」


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