10 / 60
第1章 ぼっち君の日常
第10話 運命と出会いは似て非なるもの
しおりを挟む
何かに取り憑かれたように図書室を出て走っていく様は、薄ら寒いなにかを覚える。
だがまさか『いも好き』だったとは。あれは『妹を好きで何が悪い』というアニメで何年か前のアニメだったはずだが、再放送でもしてるのかもしれない。
「・・・変わった人ですね」
唖然と見ていた古瀬さんは、先程の祐樹を見てそんなことを呟いた。変わった人で済むなら俺も困んないんですけどね。
「はい。あいつは変わっちゃいましたよ・・」
「・・・どういう意味ですか?」
あっまずい。つい余計なことを口に出してしまった。
「いえ何でもないです。それより、そろそろ俺も帰りますね」
「・・・あなたは聞かないのですか?」
?一体何のことだろう。
「何を?」
「私が昨日あなたの家の前に居たことを、です」
あぁそれか。確かに少しは気にはなるが、聞く必要はないと思っていた。自分は何も悪くないはずなのに、いざ言ってみると逆に責められるとかね(体験談)。陽キャ怖い。
「何もしてないって言い張ってませんでしたか?」
「そ、それはそうですが・・・」
「ぶっちゃけ言うとあまり興味がないからです」
「っ・・あ、あなたは私に興味がないのですか?」
なんだこの人。そんなに自分に自信があるのかい、確かに綺麗な人だが。
「まぁ強いて言えば、ですが・・・」
「そう、ですか・・・」
なんか口元がニヤついてますよお姉さん。
これはしくじったかもしれない。馬鹿正直に答えすぎるのはいけなかったか。表面上は笑ってるけど内心憤慨中、みたいな。
「嬉しい・・・」
「ヘ?」
小さな声でボソボソと呟くような声だったが、確かに聞こえた。だがこれは、相当なご立腹とみた。まずいぞこれはっ。早く帰って我が要塞に帰還しなければ。
「で、では俺はこれで・・・」
その時、バシっと俺の手首を掴んだものが居た。無論、自信過剰系不審女子こと古瀬さんである。
やばい殺されるっ俺のボッチ生活がっ(社会的に)。
「あの・・・私と一緒に帰ってくれませんか・・・?」
「・・・ヘ?」
さっきからずっと間抜けた声を出している気がするが仕方ないだろう。なんなんだ一体この子。路地裏まで連行され、ヤンキーたちに囲まれるみたいなパターンかもしれん。
「あの・・実はストーカーが居るかもしれないんです・・・」
俺の方へ体を近づけて、小さな声で言う古瀬さん。いやストーカーって・・・
「・・・ストーカー?」
「は、はい」
ハッキリと言うと、実は俺も最近そんな感じの目を受けているような気がするが、気のせいだろう。
「そのストーカーの顔はわかるんですか?」
「え、えっと・・」
そう言って目線をカウンターから見て、東の方にある本棚へ向ける。何があるのかと思い、俺も目線を向ける。
「あれは・・・」
「はい。この学校の生徒です・・・」
目線を向けた先に居たものは、こちらに背を向け、本棚で何かを探している男子生徒だった。
この図書室には、俺含め3人しかしない。古瀬さん、俺、そしてもう一人はストーカー疑惑の男子である。
「・・・その・・・確証はあるんですか?」
「確証とまではいきませんが、彼はここ数日図書室に入り浸り、この学校の下校時間である7時までずっと居るのです」
確かに俺も、さっきから同じ本棚でずっと何かを探しているあの男子に、疑惑を抱かなかった訳ではない。だがそれだけでは・・・
「確証とまではいきませんね」
「はい・・え、えっと、そ、その・・」
どこかぎこちなく言うのを躊躇うかのような挙動に、不審感を覚える。
「じ、実は・・・1週間前、彼に交際の申し出を受けまして・・・」
「・・・」
・・・そうか、それは怖いな。彼女は全生徒が図書室から退出するまで帰れない。あの男子が7時まで居るということは、ほぼ確実に二人きりの状況に陥るだろう。
「それは・・・怪しすぎますね」
「は、はい・・・」
「これまでなにか直接的な被害をうけたことはあるんですか?」
「いいえ、ありません。ですが、視線を感じると思ったら彼がこちらに目を向けていた、ということが度々・・・」
「・・・先生に相談などしましたか?」
「いえ、まだ確証に至ってませんので・・・」
それもそうだ。まだ直接的な被害に遭っていないのに報告するのは、彼女に不利すぎる。
「それで・・・俺と一緒に帰るというのは毎日、ということですか?」
「差し出がましいお願いとは重々承知の上です。それでもお願いできませんか・・・?私にできる範疇ならば何でもしてみせます」
「・・・なんでも、ねぇ~」
ほんとに、なんでもしてくれのかね。お兄さん欲張りだぞっ。ぐふふッ
「えぇ、なんでも、です」
「・・・・」
この子ガード甘すぎじゃない?小悪党風な顔をして見せたのに、全く動じない。
こんなんだから、ストーカーとか現れるんでないの?
「あのーあなたもっと自分を大事にした方が良いと思いますよ」
「これでも、とても大事にしてるつもりです」
「それなら、女子友達に頼めばいいのでは・・・?」
「それは、あの・・少し・・「もしかして、ボッ」チではありません」
なんだい、少し親近感が湧いてきたと思ったのにさ。
「それじゃぁなんで?」
「その、言いにくいではありませんか?友達にこう言うことを相談するのは・・・」
間接的にボッチの俺にダメージを与えてきやがる。友達いないので分かりません。
「・・・というかまず、俺もあの生徒と同じ男ですよ。なんでもするって・・・自分で何言ってるか分かってます?」
「はい。分かっています」
「じゃぁなんで?」
「あなた、無害そうなので」
「・・・・・・え?」
「特にその目です。全く私に興味ありませんよね?」
「・・・・・・」
「さっきの私を舐める様な視線もわざとですよね?」
「・・・・・・」
「優しいですね。芦田さん?ふふッ」
泣きそう。
だがまさか『いも好き』だったとは。あれは『妹を好きで何が悪い』というアニメで何年か前のアニメだったはずだが、再放送でもしてるのかもしれない。
「・・・変わった人ですね」
唖然と見ていた古瀬さんは、先程の祐樹を見てそんなことを呟いた。変わった人で済むなら俺も困んないんですけどね。
「はい。あいつは変わっちゃいましたよ・・」
「・・・どういう意味ですか?」
あっまずい。つい余計なことを口に出してしまった。
「いえ何でもないです。それより、そろそろ俺も帰りますね」
「・・・あなたは聞かないのですか?」
?一体何のことだろう。
「何を?」
「私が昨日あなたの家の前に居たことを、です」
あぁそれか。確かに少しは気にはなるが、聞く必要はないと思っていた。自分は何も悪くないはずなのに、いざ言ってみると逆に責められるとかね(体験談)。陽キャ怖い。
「何もしてないって言い張ってませんでしたか?」
「そ、それはそうですが・・・」
「ぶっちゃけ言うとあまり興味がないからです」
「っ・・あ、あなたは私に興味がないのですか?」
なんだこの人。そんなに自分に自信があるのかい、確かに綺麗な人だが。
「まぁ強いて言えば、ですが・・・」
「そう、ですか・・・」
なんか口元がニヤついてますよお姉さん。
これはしくじったかもしれない。馬鹿正直に答えすぎるのはいけなかったか。表面上は笑ってるけど内心憤慨中、みたいな。
「嬉しい・・・」
「ヘ?」
小さな声でボソボソと呟くような声だったが、確かに聞こえた。だがこれは、相当なご立腹とみた。まずいぞこれはっ。早く帰って我が要塞に帰還しなければ。
「で、では俺はこれで・・・」
その時、バシっと俺の手首を掴んだものが居た。無論、自信過剰系不審女子こと古瀬さんである。
やばい殺されるっ俺のボッチ生活がっ(社会的に)。
「あの・・・私と一緒に帰ってくれませんか・・・?」
「・・・ヘ?」
さっきからずっと間抜けた声を出している気がするが仕方ないだろう。なんなんだ一体この子。路地裏まで連行され、ヤンキーたちに囲まれるみたいなパターンかもしれん。
「あの・・実はストーカーが居るかもしれないんです・・・」
俺の方へ体を近づけて、小さな声で言う古瀬さん。いやストーカーって・・・
「・・・ストーカー?」
「は、はい」
ハッキリと言うと、実は俺も最近そんな感じの目を受けているような気がするが、気のせいだろう。
「そのストーカーの顔はわかるんですか?」
「え、えっと・・」
そう言って目線をカウンターから見て、東の方にある本棚へ向ける。何があるのかと思い、俺も目線を向ける。
「あれは・・・」
「はい。この学校の生徒です・・・」
目線を向けた先に居たものは、こちらに背を向け、本棚で何かを探している男子生徒だった。
この図書室には、俺含め3人しかしない。古瀬さん、俺、そしてもう一人はストーカー疑惑の男子である。
「・・・その・・・確証はあるんですか?」
「確証とまではいきませんが、彼はここ数日図書室に入り浸り、この学校の下校時間である7時までずっと居るのです」
確かに俺も、さっきから同じ本棚でずっと何かを探しているあの男子に、疑惑を抱かなかった訳ではない。だがそれだけでは・・・
「確証とまではいきませんね」
「はい・・え、えっと、そ、その・・」
どこかぎこちなく言うのを躊躇うかのような挙動に、不審感を覚える。
「じ、実は・・・1週間前、彼に交際の申し出を受けまして・・・」
「・・・」
・・・そうか、それは怖いな。彼女は全生徒が図書室から退出するまで帰れない。あの男子が7時まで居るということは、ほぼ確実に二人きりの状況に陥るだろう。
「それは・・・怪しすぎますね」
「は、はい・・・」
「これまでなにか直接的な被害をうけたことはあるんですか?」
「いいえ、ありません。ですが、視線を感じると思ったら彼がこちらに目を向けていた、ということが度々・・・」
「・・・先生に相談などしましたか?」
「いえ、まだ確証に至ってませんので・・・」
それもそうだ。まだ直接的な被害に遭っていないのに報告するのは、彼女に不利すぎる。
「それで・・・俺と一緒に帰るというのは毎日、ということですか?」
「差し出がましいお願いとは重々承知の上です。それでもお願いできませんか・・・?私にできる範疇ならば何でもしてみせます」
「・・・なんでも、ねぇ~」
ほんとに、なんでもしてくれのかね。お兄さん欲張りだぞっ。ぐふふッ
「えぇ、なんでも、です」
「・・・・」
この子ガード甘すぎじゃない?小悪党風な顔をして見せたのに、全く動じない。
こんなんだから、ストーカーとか現れるんでないの?
「あのーあなたもっと自分を大事にした方が良いと思いますよ」
「これでも、とても大事にしてるつもりです」
「それなら、女子友達に頼めばいいのでは・・・?」
「それは、あの・・少し・・「もしかして、ボッ」チではありません」
なんだい、少し親近感が湧いてきたと思ったのにさ。
「それじゃぁなんで?」
「その、言いにくいではありませんか?友達にこう言うことを相談するのは・・・」
間接的にボッチの俺にダメージを与えてきやがる。友達いないので分かりません。
「・・・というかまず、俺もあの生徒と同じ男ですよ。なんでもするって・・・自分で何言ってるか分かってます?」
「はい。分かっています」
「じゃぁなんで?」
「あなた、無害そうなので」
「・・・・・・え?」
「特にその目です。全く私に興味ありませんよね?」
「・・・・・・」
「さっきの私を舐める様な視線もわざとですよね?」
「・・・・・・」
「優しいですね。芦田さん?ふふッ」
泣きそう。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染に告白したら、交際契約書にサインを求められた件。クーリングオフは可能らしいけど、そんなつもりはない。
久野真一
青春
羽多野幸久(はたのゆきひさ)は成績そこそこだけど、運動などそれ以外全般が優秀な高校二年生。
そんな彼が最近考えるのは想い人の、湯川雅(ゆかわみやび)。異常な頭の良さで「博士」のあだ名で呼ばれる才媛。
彼はある日、勇気を出して雅に告白したのだが―
「交際してくれるなら、この契約書にサインして欲しいの」とずれた返事がかえってきたのだった。
幸久は呆れつつも契約書を読むのだが、そこに書かれていたのは予想と少し違った、想いの籠もった、
ある意味ラブレターのような代物で―
彼女を想い続けた男の子と頭がいいけどどこかずれた思考を持つ彼女の、ちょっと変な、でもほっとする恋模様をお届けします。
全三話構成です。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?
さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。
しかしあっさりと玉砕。
クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。
しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。
そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが……
病み上がりなんで、こんなのです。
プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
彼女に振られた俺の転生先が高校生だった。それはいいけどなんで元カノ達まで居るんだろう。
遊。
青春
主人公、三澄悠太35才。
彼女にフラれ、現実にうんざりしていた彼は、事故にあって転生。
……した先はまるで俺がこうだったら良かったと思っていた世界を絵に書いたような学生時代。
でも何故か俺をフッた筈の元カノ達も居て!?
もう恋愛したくないリベンジ主人公❌そんな主人公がどこか気になる元カノ、他多数のドタバタラブコメディー!
ちょっとずつちょっとずつの更新になります!(主に土日。)
略称はフラれろう(色とりどりのラブコメに精一杯の呪いを添えて、、笑)
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる