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第2章 ぼちお君、奮闘
第39話 美女が故に
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「俺も最近知ったからな。あの1年生が芦田の妹だってこと」
西条が未だ信じられないといった様子で呟く。
「私は信じないよ・・・」
「・・・そう」
別に今はそれでいいが、その内本当の兄妹って事が分かるだろう。良く千恵と話すなら尚更だ。
「芦田は妹ちゃんにいつもベッタリだもんな?」
「・・・うわー」
神咲さんが俺から30センチほど退いた。
「おい、変な誤解を生むような真似やめろ西条」
「だって大抵いつも一緒に登校してるじゃん」
「それは千恵が一緒に付いてくるんだよ」
「はいはい(笑)」
絶対信じてないなこいつ・・・。
はぁ、まあ確かに傍から見れば俺が千恵に張り付いているように見えるのか。本当はあいつなんだけどね・・・。
この誤解は解くのに時間が掛かるだろう。誤解は極力解きたいが、時間が掛かるのは面倒くさいので放置しよう。直接的な被害に遭ってる訳じゃないし。
「?一緒に登校してるなら、私も知ってるはずなんだけど」
「ああ、芦田兄妹はいつも登校ギリギリだからな。今日だって遅刻の3分前に来ただろ?」
「・・・確かに」
だって学校早く来ても何もすること無いじゃん。やれることは精々本を読むくらいだが、教室はザワザワとしてあまり集中できない。家でゆっくりした方がよっぽど良い。ちなみに遅刻は一度もしたこと無いですよ?
「やっぱり・・・兄妹、なの?」
「うん」
「今度千恵ちゃんに聞いてみよ・・・」
どんだけ信じてくれないんだよこの子。確かに似てないけど。
「にしてもグランドアイドルなんて凄いな」
「正確にはまだ違うけどね」
一体、そのアイドルグループはいつ発足したのだろうか。そんなものできたなら生徒に報告すればいいのに、この学校。
「そのグランドアイドルって何?」
「「は?」」
「・・・どした?」
なんだ?二人合わせてこちらを見て。俺なんか変なこと言ったかな?
「・・・はぁ、まっ、芦田だもんな。知らないのも仕方ない」
「アッシーやば~」
「・・・」
そんな可哀そうなものを見る目で俺を見ないで欲しい。なんか虚しくなってくるじゃんか。
「グランドアイドルってのは、文化祭の2日目に投票発表により選ばれた人の事だ」
「?」
何の選挙なのだろうか。
「本当に知らないの?」
「まぁうん」
「・・・はぁ。説明するとね、この学校は今まで沢山のモデルを輩出してきたの。そのモデルさんは大体がスカウトされてプロになったんだけどね」
そうなのか、それは知らなかった。
「それで、東総高校からのモデルの輩出率が高いという所に目を付けた某モデル会社が、その企画を数年前から学校と連携して取り組み始めたんだ。ちなみに名前は【トーソーモデルズ】って皆呼んでるよ」
「知らなった」
「アッシーにはあまり関係ないかもしれないけど、これくらいはこの学校の常識だと思うよ?」
「そうか・・・」
知らないもんは知らないじゃんか。君だって俺の名前知らなかったくせにっ。
「つまり、自分が美男美女と思う人に投票して、文化祭当日、各学年ごとに男女上位3名を発表するって事だ」
「あれは【東総文祭】の大目玉だよっ」
「そう」
なんかラブコメみたいな事やってんのね。一丁前にやってる所が逆にすごい。
「ていうか、去年もあったんだし、アッシーも知ってるはずだよ?」
「ああ、去年の文化祭は用事があって行けなかったんだ」
「?そうなんだ。じゃあ今年は楽しまなきゃねっ」
まぁ・・・・・色々あった。
「芦田の妹ちゃんは絶対投票数多いだろうな」
「・・・千恵ちゃんは1年生だから今年が初めてだけど、私からすると、まず間違いなく1位だと思うね」
めっちゃ褒められるね、千恵。
神咲さん、俺も褒めていいんですよ?兄妹なんですから。
「・・・去年の1年生の1位は誰だったんだ?」
ふと思ったことを口にしてみる。
「去年のグランドアイドルは古瀬麻衣さん、だよ」
「っ・・・そうなんだ」
古瀬、と聞いて少し体が反応してしまった。バレてないよな・・・?
あの件が解決し、あのアパートで別れてから1か月程会っていない気がするが、古瀬さん元気してるだろうか。
「・・・でも、麻衣さん。あの時、自分がグランドアイドルになったって分かった時、物凄く嫌そうな顔してたよね?」
「・・・ああ、だな」
?1位になれた事は普通は嬉しいんじゃないのかね。
「芦田、この【トーソーモデルズ】は生徒達にとっても先生達にとっても、一番の目玉イベントだ。だが、その一方で欠点もある」
「・・・そうだね、麻衣さんは選ばれたくなかったんだと思うよ」
「ああ、この【トーソーモデルズ】は言わば全生徒参加だ。もちろん芦田、お前もな」
俺が選べばれる訳ないと分かってて言ってる所がまたムカつく。
「拒否権なんてものはそもそも存在しない。友達同士、ふざけ合って投票してもいいんだ。投票は自分の自由意志。自分へ投票してもいい。好きな人に投票してもいい。その点、この【トーソーモデルズ】は参加したくない人まで参加せざるをえないんだ」
古瀬さんのようにな、と付け加えるように言った西条。
そうか、難しいな。そのような目立つ舞台に立ちたくない人も居るだろうし、そもそもモデルなんて目指してない人も居る。もちろん、大体の人は選ばれたら嬉しいだろう。この800名近い生徒数の中で上位3名に選ばれたのだから。
だがそもそも、選ばれた人は嬉しいだろう、という考えは企画者側の、投票者側の意見であって、古瀬さんみたいに選ばれて嬉しくない人だっているはずだ。そこまで配慮したうえで開催した方が良いのではないのだろうか。
「そうか・・・」
「あ、ちなみに2位のスペシャルアイドルはえりっちだよ」
「そう」
別に、驚きも動揺もない。あいつが選ばれているのは何となく分かっていたし。
「俺的には1位は絵里奈さんだったんだけどなー」
「「・・・」」
・・・・・グレーテル役頑張れば少しは振り向いてくれると思うよ。
西条が未だ信じられないといった様子で呟く。
「私は信じないよ・・・」
「・・・そう」
別に今はそれでいいが、その内本当の兄妹って事が分かるだろう。良く千恵と話すなら尚更だ。
「芦田は妹ちゃんにいつもベッタリだもんな?」
「・・・うわー」
神咲さんが俺から30センチほど退いた。
「おい、変な誤解を生むような真似やめろ西条」
「だって大抵いつも一緒に登校してるじゃん」
「それは千恵が一緒に付いてくるんだよ」
「はいはい(笑)」
絶対信じてないなこいつ・・・。
はぁ、まあ確かに傍から見れば俺が千恵に張り付いているように見えるのか。本当はあいつなんだけどね・・・。
この誤解は解くのに時間が掛かるだろう。誤解は極力解きたいが、時間が掛かるのは面倒くさいので放置しよう。直接的な被害に遭ってる訳じゃないし。
「?一緒に登校してるなら、私も知ってるはずなんだけど」
「ああ、芦田兄妹はいつも登校ギリギリだからな。今日だって遅刻の3分前に来ただろ?」
「・・・確かに」
だって学校早く来ても何もすること無いじゃん。やれることは精々本を読むくらいだが、教室はザワザワとしてあまり集中できない。家でゆっくりした方がよっぽど良い。ちなみに遅刻は一度もしたこと無いですよ?
「やっぱり・・・兄妹、なの?」
「うん」
「今度千恵ちゃんに聞いてみよ・・・」
どんだけ信じてくれないんだよこの子。確かに似てないけど。
「にしてもグランドアイドルなんて凄いな」
「正確にはまだ違うけどね」
一体、そのアイドルグループはいつ発足したのだろうか。そんなものできたなら生徒に報告すればいいのに、この学校。
「そのグランドアイドルって何?」
「「は?」」
「・・・どした?」
なんだ?二人合わせてこちらを見て。俺なんか変なこと言ったかな?
「・・・はぁ、まっ、芦田だもんな。知らないのも仕方ない」
「アッシーやば~」
「・・・」
そんな可哀そうなものを見る目で俺を見ないで欲しい。なんか虚しくなってくるじゃんか。
「グランドアイドルってのは、文化祭の2日目に投票発表により選ばれた人の事だ」
「?」
何の選挙なのだろうか。
「本当に知らないの?」
「まぁうん」
「・・・はぁ。説明するとね、この学校は今まで沢山のモデルを輩出してきたの。そのモデルさんは大体がスカウトされてプロになったんだけどね」
そうなのか、それは知らなかった。
「それで、東総高校からのモデルの輩出率が高いという所に目を付けた某モデル会社が、その企画を数年前から学校と連携して取り組み始めたんだ。ちなみに名前は【トーソーモデルズ】って皆呼んでるよ」
「知らなった」
「アッシーにはあまり関係ないかもしれないけど、これくらいはこの学校の常識だと思うよ?」
「そうか・・・」
知らないもんは知らないじゃんか。君だって俺の名前知らなかったくせにっ。
「つまり、自分が美男美女と思う人に投票して、文化祭当日、各学年ごとに男女上位3名を発表するって事だ」
「あれは【東総文祭】の大目玉だよっ」
「そう」
なんかラブコメみたいな事やってんのね。一丁前にやってる所が逆にすごい。
「ていうか、去年もあったんだし、アッシーも知ってるはずだよ?」
「ああ、去年の文化祭は用事があって行けなかったんだ」
「?そうなんだ。じゃあ今年は楽しまなきゃねっ」
まぁ・・・・・色々あった。
「芦田の妹ちゃんは絶対投票数多いだろうな」
「・・・千恵ちゃんは1年生だから今年が初めてだけど、私からすると、まず間違いなく1位だと思うね」
めっちゃ褒められるね、千恵。
神咲さん、俺も褒めていいんですよ?兄妹なんですから。
「・・・去年の1年生の1位は誰だったんだ?」
ふと思ったことを口にしてみる。
「去年のグランドアイドルは古瀬麻衣さん、だよ」
「っ・・・そうなんだ」
古瀬、と聞いて少し体が反応してしまった。バレてないよな・・・?
あの件が解決し、あのアパートで別れてから1か月程会っていない気がするが、古瀬さん元気してるだろうか。
「・・・でも、麻衣さん。あの時、自分がグランドアイドルになったって分かった時、物凄く嫌そうな顔してたよね?」
「・・・ああ、だな」
?1位になれた事は普通は嬉しいんじゃないのかね。
「芦田、この【トーソーモデルズ】は生徒達にとっても先生達にとっても、一番の目玉イベントだ。だが、その一方で欠点もある」
「・・・そうだね、麻衣さんは選ばれたくなかったんだと思うよ」
「ああ、この【トーソーモデルズ】は言わば全生徒参加だ。もちろん芦田、お前もな」
俺が選べばれる訳ないと分かってて言ってる所がまたムカつく。
「拒否権なんてものはそもそも存在しない。友達同士、ふざけ合って投票してもいいんだ。投票は自分の自由意志。自分へ投票してもいい。好きな人に投票してもいい。その点、この【トーソーモデルズ】は参加したくない人まで参加せざるをえないんだ」
古瀬さんのようにな、と付け加えるように言った西条。
そうか、難しいな。そのような目立つ舞台に立ちたくない人も居るだろうし、そもそもモデルなんて目指してない人も居る。もちろん、大体の人は選ばれたら嬉しいだろう。この800名近い生徒数の中で上位3名に選ばれたのだから。
だがそもそも、選ばれた人は嬉しいだろう、という考えは企画者側の、投票者側の意見であって、古瀬さんみたいに選ばれて嬉しくない人だっているはずだ。そこまで配慮したうえで開催した方が良いのではないのだろうか。
「そうか・・・」
「あ、ちなみに2位のスペシャルアイドルはえりっちだよ」
「そう」
別に、驚きも動揺もない。あいつが選ばれているのは何となく分かっていたし。
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・・・・・グレーテル役頑張れば少しは振り向いてくれると思うよ。
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