67 / 252
侍の里 剣聖の師は無職
第10話 レミさんの意見に賛成だ
しおりを挟む
朝の日差しが部屋に入る前。
まだ暗闇が空を支配している頃。
「おはようじゃ! さ! 起きろじゃ!」
「え?」
声に驚いて目が覚めた。
起きたと同時に外を見ると。
「暗! まだ朝じゃねえわ」
「起きる時間じゃ!」
「いやだから朝じゃねえって、つうかまだレミさんいたの。夢じゃなかったの!?」
「現実じゃぞ!」
枕元で、踊っているレミさんは、夢の住人じゃないらしい。
現実の世界にいる話す鳥だ。
頭がおかしくなったと思ったからこそ、オレは早く寝たのに、一日経っても現実が変わらなかった。
ということは、本当に現実なのか。
「マジで・・・現実なの。夢であってよ」
「何がっかりしてるのじゃ」
「いやだって、まだ小鳥が話してるんだぜ。オレ頭おかしくなったんだなってさ。思っちゃうじゃん。やっぱ病院行こうかな……どうしよう」
「それはそれは大変じゃな」
「ああ。これはこれは大変だぜ」
なんて会話して、謎の鳥と意気投合してから、真っ暗な庭に出た。
まだ夜だろうが、朝一の風だと思い込んで、風を感じて、深呼吸してからの仕切り直しである。
澄み切った山の空気で心機一転してみた。
「オレの肩に乗るなよ」
「なんでじゃ、乗り心地抜群じゃ」
「へぇ~。乗り心地ってあるんだ」
「あるのじゃ!」
なんてまた普通に会話しながら準備運動をしていると。
「朝早いな」
「お! アマルか。軽く体操でもするか。動こう!」
「・・・うむ。そうしよう。リフレッシュだ」
「ああ、気分を変えようぜ。オレも、お前もさ」
「??????」
アマルが来てくれたので、オレは二人で準備運動をした。
戦いでよく動かす肩や腰などを重点的にして、体操が終わるとオレたちは縁側に並んで座った。
「どうだ。アマル。心と体は休まったか」
「うむ。だいぶ回復してきたと思う」
「そうか。お前、まあまあ回復力あるな。ハードモードで鍛えて、ボロボロの体だったろうにな。頑丈でよかったな」
「うむ。ボロボロである。ぬしの鍛え方は異常である」
普通に会話ができるようになってきた。
だいぶ、クソガキ感が抜けてきた。
「そうだな。オレもそこは思う所はある。だが」
「だが?」
「時間がない。強くなるにはな。お前さ、このままだと死ぬわ。これは決定事項と言ってもいいくらいだ。それにな、いくらオレとルナさんが一緒にダンジョンに行くと言っても、お前のレベルが、二級よりもやっぱり準一級程度に入らねば、進み切れないかもしれない。いいか。あそこは、モンスターのレベルも出現回数も桁が違うからな。オレたちでも、お前を気遣う時間がないかもしれないんだ。分かってくれるか?」
戦いに集中しだせば、オレもだが、ルナさんもきっと、アマルを気にしていられない可能性がある。
そうなると二級程度では足りないかもしれない。
準一級は必須かもしれない。
「・・・うむ。わかっている。拙者、あの時のおぬしの戦いで分かったのだ。拙者には力が足りない。あのミノタウロスを前にして、余裕でいるくらいの実力でなければ、ダンジョンを突破できないんだと、思い知らされた」
「おお。そうか。じゃ、オレの指導。明日からまたハードに行くぞ」
「え・・・え、さすがに・・・」
「意気込みどうした?」
「・・・うむ。やろう。生きるために」
「おお! そんじゃ、今日も全力で休め。親父さんとどこか出かけろ。英気を養うんだ」
「わかった。そうする!」
「おう! 切り替えが大事だからな。今日は目一杯休むんだぞ」
「わかった」
と言ってアマルはいい顔つきになって来た。
親父さんの愛情の効果があったかもしれない。
うん。やっぱり成長には愛だぜ。
無償の愛が必須だわ。
◇
自分の部屋に戻るアマルの背中を見て、レミさんは急に話しかけてきた。
「ルルよ」
「なんだ。レミさん?」
「なんか切羽詰まっておるのじゃ? あの小僧、顔が暗いのじゃ」
「ああ。あの子はな。ガルズタワーに挑戦しなきゃいけんのよ」
レミさんは人間の表情の変化を読み解けるらしい。
オレの設定上の鳥にしてはやけに人間臭い一面がある。
「ガルズタワー……ああ、あそこの斜めのじゃな・・・え? 子供じゃぞ。あそこに?」
「そうだぞ。子供でも挑戦しないといけないんだ。よく分からんがここの掟らしいぞ」
「なに。子供にあそこをか。あの子・・・死ぬのじゃな」
「ああ。でもオレとルナさんが行くからな。死なせん」
「ほう。あの昨日、ご飯の時にいた女子じゃな?」
「ああ。そうだ。オレの剣の師匠でもある。それと姉さんみたいな存在の人だな」
「そうか・・・でも、あの女子でも厳しいのでは?・・・あそこは並大抵のモンスターの設定じゃないのじゃ」
たしかに、ルナさんの実力でもダンジョンは厳しいような気がする。
なぜなら、ダンジョンは、準特級クラスのオレのような冒険者ですら行く手を阻むギミックが多数あるのだ。
そのダンジョンに対して、数多の戦場を駆けてきたルナさんでも、軍の戦場と同じように上手く立ち回れるかと言われたら難しい。
今回、オレ以外がド素人というパーティーだ。
それで、最高難易度のダンジョンに挑む。
普通の冒険者ならやらない馬鹿クエストだわ。
あえてランクをつけるとなると、Sランクの護衛任務となるだろう。
改めて思う。
オレってアホだな・・・・。
相変わらず一銭にもならんことをするのが好きらしいわ。
「まあな。オレもそこを気にしてるのさ。ってオレはいいのかよ」
「ルルは強いのじゃ。なんでも適応できるじゃろうて」
「マジかよ。あんた、嘘くせえ」
「なんでじゃ、そちは強いと褒めておるじゃろが」
「いや、オレって英雄職じゃないしさ。無職だぞ」
「英雄職? 無職?」
「あんた。ジョブ知らんの?」
「知らん!」
「なんで、神様じゃないんか。オレたちは必ず10で天啓をもらうんだぞ」
「天啓????」
「は? やっぱ夢じゃん。皆さん、この人、俺の設定で話してますよ。どうしよう。病院行った方がいいかもしれない。困るわ。時間がないのに」
俺はマジで頭がおかしくなったのかもしれない。
「もしや・・・まだ、やっておるのじゃ・・・あやつは・・・相変わらずじゃな」
レミさんは誰かのことを友達みたいに話した。
天啓を与える人の事を言っているなら、女神の事だよな。
「あやつって誰よ。女神さまの事か」
「女神・・・・あやつが・・・悪たれじゃろ。あやつ」
「悪たれだって、はぁ?」
「まあよいのじゃ。あやつは好き勝手やればじゃ。それより余を連れてってくれ」
話をはぐらかされた。
「なんだっけ。聖なる泉だっけ?」
「おお。そうじゃ」
「それ、ファイナの洗礼に守られているジークラッド大陸に行かないとダメなんでしょ」
「そうじゃ!! 覚えておったか!!! でかしたのじゃ!!!」
「昨日の事だよ。覚えてますよ。オレの頭がおかしくなったってね」
「おかしくないのじゃ! ちゃんとしておるのじゃ!」
「ああ。はいはい。そうですよね。そういう風に最初は思いますよね。自分が異常じゃないって、最初は思いたいですよね」
「だから! ルルは正常じゃ! 何故か、余の声が聞こえるだけで、他は正常だ」
「ああ。オレに優しい設定で嬉しいですね。おかしくないよって言ってくれるだけでありがたいっすね」
こんな言い合いをした後に、朝食を食べに行った。
◇
レミさんは四六時中、オレの肩に乗っている。
だから、オレが見ている幻とかではないことは明らかだ。
なんせレミさんのことは、確実に皆に見えている。
オレの肩に皆の視線があるからだ。
でも、このレミさん声が、皆には届いていない。
オレにだけ声が聞こえるらしい。
なんで?
マジで頭おかしくなったのかと思ったが、翌日に認識が変わる。
「アマル。いいぞ! キレが増した」
「本当か!」
「おお。自信持っていけよ!」
アマルはついにオレの指導に応え始めた。
だいぶ動きが良くなったので、ゴブリンジェネラルを呼び出して再戦させてみた。
ごめんよ。
ご近所のゴブリンジェネラルさん。
アマルの戦闘経験値になってくれ。
でも、いざゴブリンと対峙するとアマルの動きが悪い。
訓練の時の三分の一の実力になってしまっていた。
「ん? なんでだ」
「そうじゃな。動きが悪いのじゃな」
「おお。レミさんもそう思うか」
「うむ。修練の時の動きは悪くないのじゃ・・・でも今は・・・」
オレとレミさんは同じ意見だった。
アマルの動きは、練習だと遥かに良い動きをしている。
動きとしては、準一級くらいに強くて速い。
なのに、今だと三級程度の動きになっていて、やっと動いているような形だ。
せっかくの強さがあるのに、心が邪魔して、その実力を発揮していない。
「アマル。焦るな。お前はもう強い。ゴブリンジェネラル如きの攻撃はいなせるし。倒せるぞ!」
「・・・う・・・うむ」
素直に返事はしてくれるが、動きがまだ固い。
どうにかしてやりたいが、こればかりは本人次第だ。
心を鍛える。
これは誰かが介入してできるものじゃない。
自分が乗り越えるべき課題だ。
心だけは誰かに鍛えてもらえるわけじゃないんだ。
自分で気付いて、自分で心を叩いていくしかない。
鋼を鍛えるように・・・。
「自信じゃな・・・あやつ、どこかで自信をつけなければ、死ぬのじゃな。ガルズタワーに行くのじゃろ。ぶっつけ本番では死ぬのじゃ」
「なるほど。それもそうだよな。たしかに、レミさんの言う通りだ」
オレを納得させる意見を言ってくれたので、レミさんが、オレの意思で喋る小鳥ではないことを知ったのだった。
まだ暗闇が空を支配している頃。
「おはようじゃ! さ! 起きろじゃ!」
「え?」
声に驚いて目が覚めた。
起きたと同時に外を見ると。
「暗! まだ朝じゃねえわ」
「起きる時間じゃ!」
「いやだから朝じゃねえって、つうかまだレミさんいたの。夢じゃなかったの!?」
「現実じゃぞ!」
枕元で、踊っているレミさんは、夢の住人じゃないらしい。
現実の世界にいる話す鳥だ。
頭がおかしくなったと思ったからこそ、オレは早く寝たのに、一日経っても現実が変わらなかった。
ということは、本当に現実なのか。
「マジで・・・現実なの。夢であってよ」
「何がっかりしてるのじゃ」
「いやだって、まだ小鳥が話してるんだぜ。オレ頭おかしくなったんだなってさ。思っちゃうじゃん。やっぱ病院行こうかな……どうしよう」
「それはそれは大変じゃな」
「ああ。これはこれは大変だぜ」
なんて会話して、謎の鳥と意気投合してから、真っ暗な庭に出た。
まだ夜だろうが、朝一の風だと思い込んで、風を感じて、深呼吸してからの仕切り直しである。
澄み切った山の空気で心機一転してみた。
「オレの肩に乗るなよ」
「なんでじゃ、乗り心地抜群じゃ」
「へぇ~。乗り心地ってあるんだ」
「あるのじゃ!」
なんてまた普通に会話しながら準備運動をしていると。
「朝早いな」
「お! アマルか。軽く体操でもするか。動こう!」
「・・・うむ。そうしよう。リフレッシュだ」
「ああ、気分を変えようぜ。オレも、お前もさ」
「??????」
アマルが来てくれたので、オレは二人で準備運動をした。
戦いでよく動かす肩や腰などを重点的にして、体操が終わるとオレたちは縁側に並んで座った。
「どうだ。アマル。心と体は休まったか」
「うむ。だいぶ回復してきたと思う」
「そうか。お前、まあまあ回復力あるな。ハードモードで鍛えて、ボロボロの体だったろうにな。頑丈でよかったな」
「うむ。ボロボロである。ぬしの鍛え方は異常である」
普通に会話ができるようになってきた。
だいぶ、クソガキ感が抜けてきた。
「そうだな。オレもそこは思う所はある。だが」
「だが?」
「時間がない。強くなるにはな。お前さ、このままだと死ぬわ。これは決定事項と言ってもいいくらいだ。それにな、いくらオレとルナさんが一緒にダンジョンに行くと言っても、お前のレベルが、二級よりもやっぱり準一級程度に入らねば、進み切れないかもしれない。いいか。あそこは、モンスターのレベルも出現回数も桁が違うからな。オレたちでも、お前を気遣う時間がないかもしれないんだ。分かってくれるか?」
戦いに集中しだせば、オレもだが、ルナさんもきっと、アマルを気にしていられない可能性がある。
そうなると二級程度では足りないかもしれない。
準一級は必須かもしれない。
「・・・うむ。わかっている。拙者、あの時のおぬしの戦いで分かったのだ。拙者には力が足りない。あのミノタウロスを前にして、余裕でいるくらいの実力でなければ、ダンジョンを突破できないんだと、思い知らされた」
「おお。そうか。じゃ、オレの指導。明日からまたハードに行くぞ」
「え・・・え、さすがに・・・」
「意気込みどうした?」
「・・・うむ。やろう。生きるために」
「おお! そんじゃ、今日も全力で休め。親父さんとどこか出かけろ。英気を養うんだ」
「わかった。そうする!」
「おう! 切り替えが大事だからな。今日は目一杯休むんだぞ」
「わかった」
と言ってアマルはいい顔つきになって来た。
親父さんの愛情の効果があったかもしれない。
うん。やっぱり成長には愛だぜ。
無償の愛が必須だわ。
◇
自分の部屋に戻るアマルの背中を見て、レミさんは急に話しかけてきた。
「ルルよ」
「なんだ。レミさん?」
「なんか切羽詰まっておるのじゃ? あの小僧、顔が暗いのじゃ」
「ああ。あの子はな。ガルズタワーに挑戦しなきゃいけんのよ」
レミさんは人間の表情の変化を読み解けるらしい。
オレの設定上の鳥にしてはやけに人間臭い一面がある。
「ガルズタワー……ああ、あそこの斜めのじゃな・・・え? 子供じゃぞ。あそこに?」
「そうだぞ。子供でも挑戦しないといけないんだ。よく分からんがここの掟らしいぞ」
「なに。子供にあそこをか。あの子・・・死ぬのじゃな」
「ああ。でもオレとルナさんが行くからな。死なせん」
「ほう。あの昨日、ご飯の時にいた女子じゃな?」
「ああ。そうだ。オレの剣の師匠でもある。それと姉さんみたいな存在の人だな」
「そうか・・・でも、あの女子でも厳しいのでは?・・・あそこは並大抵のモンスターの設定じゃないのじゃ」
たしかに、ルナさんの実力でもダンジョンは厳しいような気がする。
なぜなら、ダンジョンは、準特級クラスのオレのような冒険者ですら行く手を阻むギミックが多数あるのだ。
そのダンジョンに対して、数多の戦場を駆けてきたルナさんでも、軍の戦場と同じように上手く立ち回れるかと言われたら難しい。
今回、オレ以外がド素人というパーティーだ。
それで、最高難易度のダンジョンに挑む。
普通の冒険者ならやらない馬鹿クエストだわ。
あえてランクをつけるとなると、Sランクの護衛任務となるだろう。
改めて思う。
オレってアホだな・・・・。
相変わらず一銭にもならんことをするのが好きらしいわ。
「まあな。オレもそこを気にしてるのさ。ってオレはいいのかよ」
「ルルは強いのじゃ。なんでも適応できるじゃろうて」
「マジかよ。あんた、嘘くせえ」
「なんでじゃ、そちは強いと褒めておるじゃろが」
「いや、オレって英雄職じゃないしさ。無職だぞ」
「英雄職? 無職?」
「あんた。ジョブ知らんの?」
「知らん!」
「なんで、神様じゃないんか。オレたちは必ず10で天啓をもらうんだぞ」
「天啓????」
「は? やっぱ夢じゃん。皆さん、この人、俺の設定で話してますよ。どうしよう。病院行った方がいいかもしれない。困るわ。時間がないのに」
俺はマジで頭がおかしくなったのかもしれない。
「もしや・・・まだ、やっておるのじゃ・・・あやつは・・・相変わらずじゃな」
レミさんは誰かのことを友達みたいに話した。
天啓を与える人の事を言っているなら、女神の事だよな。
「あやつって誰よ。女神さまの事か」
「女神・・・・あやつが・・・悪たれじゃろ。あやつ」
「悪たれだって、はぁ?」
「まあよいのじゃ。あやつは好き勝手やればじゃ。それより余を連れてってくれ」
話をはぐらかされた。
「なんだっけ。聖なる泉だっけ?」
「おお。そうじゃ」
「それ、ファイナの洗礼に守られているジークラッド大陸に行かないとダメなんでしょ」
「そうじゃ!! 覚えておったか!!! でかしたのじゃ!!!」
「昨日の事だよ。覚えてますよ。オレの頭がおかしくなったってね」
「おかしくないのじゃ! ちゃんとしておるのじゃ!」
「ああ。はいはい。そうですよね。そういう風に最初は思いますよね。自分が異常じゃないって、最初は思いたいですよね」
「だから! ルルは正常じゃ! 何故か、余の声が聞こえるだけで、他は正常だ」
「ああ。オレに優しい設定で嬉しいですね。おかしくないよって言ってくれるだけでありがたいっすね」
こんな言い合いをした後に、朝食を食べに行った。
◇
レミさんは四六時中、オレの肩に乗っている。
だから、オレが見ている幻とかではないことは明らかだ。
なんせレミさんのことは、確実に皆に見えている。
オレの肩に皆の視線があるからだ。
でも、このレミさん声が、皆には届いていない。
オレにだけ声が聞こえるらしい。
なんで?
マジで頭おかしくなったのかと思ったが、翌日に認識が変わる。
「アマル。いいぞ! キレが増した」
「本当か!」
「おお。自信持っていけよ!」
アマルはついにオレの指導に応え始めた。
だいぶ動きが良くなったので、ゴブリンジェネラルを呼び出して再戦させてみた。
ごめんよ。
ご近所のゴブリンジェネラルさん。
アマルの戦闘経験値になってくれ。
でも、いざゴブリンと対峙するとアマルの動きが悪い。
訓練の時の三分の一の実力になってしまっていた。
「ん? なんでだ」
「そうじゃな。動きが悪いのじゃな」
「おお。レミさんもそう思うか」
「うむ。修練の時の動きは悪くないのじゃ・・・でも今は・・・」
オレとレミさんは同じ意見だった。
アマルの動きは、練習だと遥かに良い動きをしている。
動きとしては、準一級くらいに強くて速い。
なのに、今だと三級程度の動きになっていて、やっと動いているような形だ。
せっかくの強さがあるのに、心が邪魔して、その実力を発揮していない。
「アマル。焦るな。お前はもう強い。ゴブリンジェネラル如きの攻撃はいなせるし。倒せるぞ!」
「・・・う・・・うむ」
素直に返事はしてくれるが、動きがまだ固い。
どうにかしてやりたいが、こればかりは本人次第だ。
心を鍛える。
これは誰かが介入してできるものじゃない。
自分が乗り越えるべき課題だ。
心だけは誰かに鍛えてもらえるわけじゃないんだ。
自分で気付いて、自分で心を叩いていくしかない。
鋼を鍛えるように・・・。
「自信じゃな・・・あやつ、どこかで自信をつけなければ、死ぬのじゃな。ガルズタワーに行くのじゃろ。ぶっつけ本番では死ぬのじゃ」
「なるほど。それもそうだよな。たしかに、レミさんの言う通りだ」
オレを納得させる意見を言ってくれたので、レミさんが、オレの意思で喋る小鳥ではないことを知ったのだった。
25
あなたにおすすめの小説
スキル【レベル転生】でダンジョン無双
世界るい
ファンタジー
六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。
そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。
そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。
小説家になろう、カクヨムにて同時掲載
カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】
なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】
【第一章改稿中】転生したヒロインと、人と魔の物語 ~召喚された勇者は前世の夫と息子でした~
田尾風香
ファンタジー
ある日、リィカの住む村が大量の魔物に襲われた。恐怖から魔力を暴走させそうになったとき前世の記憶が蘇り、奇跡的に暴走を制御する。その後、国立の学園へと入学。王族や貴族と遭遇しつつも無事に一年が過ぎたとき、魔王が誕生した。そして、召喚された勇者が、前世の夫と息子であったことに驚くことになる。
【改稿】2026/02/20、第一章の40話までを大幅改稿しました。
これまで一人称だった第一章を三人称へと改稿。その後の話も徐々に三人称へ改稿していきます。話の展開など色々変わっていますが、大きな話の流れは変更ありません。
・都合により、リィカの前世「凪沙」を「渚沙」へ変更していきます(徐々に変更予定)。
・12から16話までにあったレーナニアの過去編は、第十六章(第二部)へ移動となりました。
ダンジョン経営から始める魔王討伐のすゝめ 追放された転生ダンジョンマスターが影から行う人類救済
斑目 ごたく
ファンタジー
異世界でドッペルゲンガーとして転生した、しがないサラリーマン古木海(ふるき かい)は、意外な事に魔王軍の中で順調に出世していた。
しかし順調であった筈の彼の生活は、あっさりと崩壊してしまう。
中央の魔王軍から辺境のど田舎へと追放されてしまった彼は、しかしそこで自らの天職とも言える立場を手に入れる。
ダンジョンマスターとしてダンジョンを運営し、こっそりと冒険者を強化することで人類を滅びの危機から救いたい彼は、恐ろしい部下達の目を盗みながら彼らの味方をしていく。
しかしそれらの行動は何故かいつも思いも寄らぬ方向へと転がっていき、その度に彼らは周りからの評価を高めていってしまう。
これは戦闘能力が皆無の主人公が、強大な力を秘める部下と恐ろしい上司の板ばさみに苦しめられながら、影から人類を救済していく物語。
毎週水・土 20:10更新です。
この作品は「小説家になろう」様にも投降されています。
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
固有スキルガチャで最底辺からの大逆転だモ~モンスターのスキルを使えるようになった俺のお気楽ダンジョンライフ~
うみ
ファンタジー
恵まれない固有スキルを持って生まれたクラウディオだったが、一人、ダンジョンの一階層で宝箱を漁ることで生計を立てていた。
いつものように一階層を探索していたところ、弱い癖に探索者を続けている彼の態度が気に入らない探索者によって深層に飛ばされてしまう。
モンスターに襲われ絶体絶命のピンチに機転を利かせて切り抜けるも、ただの雑魚モンスター一匹を倒したに過ぎなかった。
そこで、クラウディオは固有スキルを入れ替えるアイテムを手に入れ、大逆転。
モンスターの力を吸収できるようになった彼は深層から無事帰還することができた。
その後、彼と同じように深層に転移した探索者の手助けをしたり、彼を深層に飛ばした探索者にお灸をすえたり、と彼の生活が一変する。
稼いだ金で郊外で隠居生活を送ることを目標に今日もまたダンジョンに挑むクラウディオなのであった。
『箱を開けるモ』
「餌は待てと言ってるだろうに」
とあるイベントでくっついてくることになった生意気なマーモットと共に。
神樹の里で暮らす創造魔法使い ~幻獣たちとののんびりライフ~
あきさけ
ファンタジー
貧乏な田舎村を追い出された少年〝シント〟は森の中をあてどなくさまよい一本の新木を発見する。
それは本当に小さな新木だったがかすかな光を帯びた不思議な木。
彼が不思議そうに新木を見つめているとそこから『私に魔法をかけてほしい』という声が聞こえた。
シントが唯一使えたのは〝創造魔法〟といういままでまともに使えた試しのないもの。
それでも森の中でこのまま死ぬよりはまだいいだろうと考え魔法をかける。
すると新木は一気に生長し、天をつくほどの巨木にまで変化しそこから新木に宿っていたという聖霊まで姿を現した。
〝この地はあなたが創造した聖地。あなたがこの地を去らない限りこの地を必要とするもの以外は誰も踏み入れませんよ〟
そんな言葉から始まるシントののんびりとした生活。
同じように行き場を失った少女や幻獣や精霊、妖精たちなど様々な面々が集まり織りなすスローライフの幕開けです。
※この小説はカクヨム様でも連載しています。アルファポリス様とカクヨム様以外の場所では公開しておりません。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる