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ジョブは関係がない 無職と英雄たち
第22話 希望の星を見た者たち
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一回戦最終試合。
黄金騎士レオナルドVSマールヴァー騎士団ハルミナ。
白熱の戦いは、高速の戦場。
最初の斬り合いで、互いに十個の剣戟を繰り出していた。
「女性を斬るなんて、申し訳ないな。降参してくれませんか」
「なにを。この私を舐めていますね」
黄金騎士の男性の一声に怒りをあらわにしたハルミナは、上空へ飛び跳ねた。
空中へと駆け上る姿を見て・・・。
「竜騎士か・・・珍しい」
レオナルドは、天空へと昇る女性を見つめた。
足場を生み出して、空中の姿勢を維持する。
竜騎士独特のスタイルで、戦闘のタイミングを見計らう。
「落下の勢いを使う気か」
女性の目を見て、相手のしたい事を先読みした黄金騎士は、彼女が動く瞬間に動いた。
「なに!? 空中の私と同じ速度!?」
稲妻のようなジグザグの移動で、高速落下する竜騎士を捉える。
そして竜騎士ハルミナも負けじと攻撃を仕掛けた。
「竜旋風!」
竜騎士ハルミナは剣型。
珍しい武器選択をした彼女の必殺技は、内側に巻いてくる一撃。
外から巻き込む形で一閃を繰り広げる。
「素晴らしい一撃だ。これに勝つには、こっちの力を制限しなければ・・・」
黄金騎士の剣から、光が放たれる。
三色の眩い輝きで、竜旋風を迎え撃った。
剣と剣が、空中で衝突すると、武闘大会会場が光に包まれた。
太陽の光を見たような明るい光。
だからお客さんたちは目を瞑ってしまっていた。
次に目を開けた時には、黄金騎士が竜騎士をお姫様抱っこしていた。
唖然とする会場の人たちの中で一番早く声を出したのが司会者。
「あ・・あれ?」
しかし、決着の瞬間を見られずで、司会者の人間の思考が止まってしまった。
なので、会場アナウンスが。
「しょ・・勝者は、黄金騎士レオナルド選手です。皆さん、拍手を!」
代わりに伝えると。
『パチパチ……パチパチ』
戸惑っているから軽く鳴り響いた。
◇
「あれは……」
リング脇で戦いを見学していたオレは、先程の戦いに違和感を覚える。
黄金の鎧で、全身を覆っていて、顔も仮面を装着している。
だから、姿を隠したいのか。
隠したくないのか。
目立ちたいのか。
目立ちたくないのか。
黄金騎士は、よく分からない人間だ。
それに加えて、あの独特な移動方法。
動きの速さの中にある力の強さ。
あの強烈な強さを持っている人物。
あれは、オレの知り合いに一人だけいるぞ。
・・・・。
まあ、戦ってみればわかるだろう。
とオレが悩んでいると背後に人の気配がした。
「え? だ、誰だ」
振り向くと懐かしい人だった。
一瞬だけ姿を現して姿を隠す。
だから、この場には声だけがする。
「よ。ルル坊」
「な、なんで。こんな所に? なぜガストさんが!? え、選手じゃないですよね」
「ああ。あたいは、ちょうどさ。仕事終わりでさ。お前の顔があったから、会いに来たわ」
「仕事終わり?」
「ああ。護衛任務だ。結構羽振りの良い感じの人でさ。儲けた儲けた!」
「かなり高額だったんですね」
「まあな。なんでも新事業の開拓をしているから、既存の人たちに狙われるってさ」
「へえ。危ないんですね。その仕事」
「ああ。でもこれが上手くいけば人の生活がより良くなるらしいぜ。この後、仕事の再延長でジーバードに帰るところだ」
「へえ。続けて仕事ですか。珍しいタイプの仕事だ」
暗殺任務とか、裏ギルド討伐任務とかじゃないものも受け付けていたのか。
ガストさんの声が弾んでいた。
「そんで、お前なんでここに一人でいるんだ? ファミリーはどうした?」
「それは、残念な事に、今はこうなってて」
全部を説明すると。
「そうか・・・あいつら、お前が引き下がったのをよく許可したな。歯食いしばって追放したな。そいつはな」
ガストさんは、オレがファミリーを離れる事が出来た事に驚いていた。
「歯ですか?」
「ああ。そうよ。あいつらにとってのお前……。あいつらの思いを知ってるあたいとしてはな。お前を手放すなんてありえねえんだわな」
「思い?」
「そうだ。あいつらにとってのお前。信じきってるからな。もはや神だろな」
「神? まさか。ただの友人ですよ。親友ですよ」
「違うな。あれはさ・・・」
◇
ハイスロ山最終決戦。
ルルロアが人質救出した後。
ガストたちが敵の前に立って動きを封鎖していた時。
「ガストさん、まだまだ待機するつもりですか?」
レオンが聞いて、すぐにガストも答える。
正直聞いているレオンも、ガストもシビレを切らしていたらしい。
それにこの女性も性格上待ち続ける人じゃない。
「いくか・・・あたいもとうに我慢の限界も通り過ぎているからな。ぶっ潰すか」
「うっしゃあ。うちがあの門をぶっ壊しますよ」
「おらも」
ミヒャルとイージスがやる気になり。
「え。でも、人質が中にいるんじゃ・・・」
不安そうなエルミナが中の心配をすると、ここにミルフィをおんぶしていたルルロアがやって来た。
「ちょっと待った。それはもう少し後でお願いします」
「「「「ルル!」」」」
四人の英雄が嬉しそうに名前を呼ぶと。
「ルル坊。来たか。終わったんだな」
ガストも待ちに待っていた有難い知らせをもらえて、喜ぶ。
「はい。助け出しました。人質の皆さんは入口の方に向かっているはずです。それで今から、ミルフィさんとオレで、戦場を荒らします」
「ふえ? わ、わたし??」
ルルロアの背中にいるミルフィが、まさか自分が作戦の中心になるとは思わずで驚いた。
「ほう。なんか策があるのか」
「ええ。あいつの指揮。あのバフを解除します」
ルルロアも下位バージョンであるが、指揮を持っている。
だから仕組みを理解していた。
「指揮は音で行なわれます。声による指揮が基本のはずですからね。黙って勝手に指揮が発動するなんてありえません」
声掛けによって発動するスキルならば。
ルルロアは仕組みを利用して作戦を組み立てていた。
「そこで音を乱すことが出来るミルフィさんが重要で、オレが彼女を守りながら、あそこに突撃して勝負に出ます。ですから、遠距離からで、攻撃を始めないで、全体で突撃をして押し上げましょう。中に一般人はいないと思いますが、一人一人確認して倒すことが可能になります」
「たしかにな。突撃の方がいいけどな」
「それにこの作戦が決まれば、弱体化。いいえ。敵のレベルを通常にまで落とせます」
「なるほどな。こいつをそういう使い方をするのか・・・」
索敵以外の使い方をするなんて、大胆な策だとガストは唸った。
「ルル。それでいけるのか。お前」
「レオ。任してくれ」
ミヒャルが続く。
「ルル。無理だろ。どうやって音を聞かせるんだ」
「だから任せろって、いいか。奴らの上空で、オレの音爆弾を爆破させる。意味のない攻撃の直後に、オレが一気に駆け抜けて、ミルフィさんの音を聞かせてやるのさ」
「それでも無理だろ。相手の指揮が入るじゃん」
「いいや、相手の耳を壊してから、次に聞く音がミルフィさんの声だけにするんだ。だから大丈夫。相手の指揮の声に反応させないわけよ。それで敵を叩くのさ。お前ら、準備しとけよ」
ルルロアがにっこりと笑う。
「希望の星の連携を敵に見せつけてやろうぜ」
「ルルに言われたらしょうがない・・・おらはやる。最初から信じてる」
「ええ。イージスの言う通りです。私もやります」
イージスとエルミナの二人が承諾した。
「エル。プロテクトウォール全開でいけるか。皆の突進って、相手からだと、もろ見えになるからさ。最初の一撃だけ、お前の魔法で防いでほしいんだ。そしたら敵は動揺すっからさ。二重動揺を誘おうと思う」
「わかりました。やってみます」
「頼んだ」
ルルロアは自分の最初の作戦で第一段階の動揺を。
次のエルミナの魔法で、第二段階の動揺を誘うつもりだった。
敵の強さを剥いで、敵の動きを極端に悪くする。
実に厭らしい作戦を思いついたルルロア。
この戦いで、グンナーの弟子であることを証明したのだ。
◇
「いきます!」
「「「おおおおおおおおおお」」」
ルルロアの号令で、全体が勢いづくのに、突撃するのはルルロアのみ。
全速力での移動から、赤の庭園壊滅戦が始まった。
「ミルフィさん。タイミングは言いますので、しっかり掴まっててください」
「・・・はいぃ・・・速いぃ」
ルルロアが走ると、風が強すぎて、ミルフィはのけ反っていた。
声を出せるかなと心配になる。
「いくぜ。遠投!」
得意の爆弾遠投から、攻撃が始まった。
敵方は当初、ルルロアが投げた爆弾を光爆弾と勘違いした。
閃光してから爆発が連鎖する物だと思ったのだ。
しかし、これはただの眩い光なだけであり、意味のない光。
本当の狙いは、音を消すこと。
リセットする事に意味があった。
光の後に爆裂な音が鳴り、敵方の耳を一度壊す。
一瞬の静寂が訪れた後。
ルルロアが叫んだ。
「いまだ。ミルフィさん!」
「はい! 音球! らら~ら~~ららら~」
鼻歌の音色に合わせて、敵の指揮の妨害が始まる。
「やれ、野郎ども。あいつらを!」
敵リーダーの叫び声。
しかし、それをかき消すのがミルフィのボイスだ。
彼女の音が先に鳴っているから、敵リーダーの声が洞窟内に響かない。
「まだまだミルフィさん鳴らし続けて」
ルルロアの背中にいるミルフィは、彼には見えていないのに頷いていた。
返事を返せないので、体で表現していたのだ。
「ここだ。第二信号と共にオレたちもあの中に入ります。ほいさっと!」
ルルロアが第二信号の光を打ち上げる。
それと同時に、城壁のような壁をルルロアは登っていった。
普通に走って壁上りできるのは、あのスキルのおかげである。
登山家の亜種クライマー。
普通の人間はピッケルなどを使って登るのだが、クライマーは足にその能力を着けることが出来る。
足が、ピッケルと同じ力を得られるから、そのまま走って壁を登ることが出来る。
かなり特殊なスキルなのだ。
用途は戦闘ではないけども、ここではルルロアが応用して戦闘に利用していた。
ディディの指導を得られて、技を上手く使う事になるわけだが、実はこの頃からルルロアは工夫をしている人物だった。
その基礎があったのだ。
「突入だ。おらよっと!」
城壁の上部に登場したルルロアがここから暴れる。
仲間たちの突撃を支援する形を取るために、城門を開ける装置に迫る。
「奴を消せ。それとその女が俺たちの邪魔をしているぞ。歌わせるな!」
指揮が入らずに、士気が上がらない。
実力差を補うのに、英雄職のバフに頼っていたので、赤の庭園の面子は慌てていた。
「気付くのが遅いんだよ。オレの親友たちを舐めんなよ」
敵地のど真ん中で親友を自慢するルルロア。
侮辱も込みの笑顔であった。
「なに?」
ここで、ルルロアに気を取られていた敵たちは、英雄たちの突進に遅れて気付いた。
「「「おおおおおおおおおおおおおお」」」
雄叫びと共に圧力のある前進である。
「く、魔法だ。対抗しろ。とりあえず奴らを足止めしろ。その間にこいつを殺せば!」
敵のリーダーは的確に指示を出したが、ルルロアはここで、まさかの行動に出た。
「ほんじゃね。お前の相手はあっちだから」
ルルロアが、城壁の上を走り回る。
ミルフィの声を敵の耳に直接叩きつけるためだった。
「くそ。奴らも止めろ。あっちも止めろ・・・や、奴だ・・・あっちだ!」
どっちを止めればいいのか。
敵は大混乱。
それで止めろと言われて、悩むくらいならばと、赤の庭園の面子は、攻撃を当てられそうなガストたちに向けて仕掛けた。
数があるから、どこかに攻撃を出せば当たるはず。
それに対して、ルルロアに魔法攻撃などを仕掛けると同士討ちになりそうだった。
彼が敵陣をすり抜けるように移動しているためだ。
「ファイア・・・」
「サンダー・・・」
「アイス・・・・」
と様々な魔法が展開されていくが。
ここで、冒険者集団の後方にいるエルミナが詠唱した。
「プロテクトウォール」
味方の前に魔法の壁を設置
攻撃を全てシャットダウンして、突撃の手助けをした。
完璧な防御魔法の直後、突撃集団の中盤にいるミヒャルが魔法を出す。
「ウインド!」
壁の近くに風の渦を作る。
「足場は作った。皆、飛んでくれ」
大量に出した風魔法でも、その微調整が上手く、皆がそこを利用して次々と城壁の上に乗り込んだ。
ここからが圧勝劇。
ガスト。レオン。イージス。
この三名が最初に斬り込んで、そこから冒険者らが突撃を仕掛ける。
赤の庭園の面子は、無残に散るしかなかった。
相手の大将も瞬殺だったのは、自身がバリバリに強くなる職じゃなかったから。
暗殺王。勇者。仙人。
三人同時には相手をすることは出来なかったのだ。
しかし、この状況を作り出したのは、この三人のおかげじゃない。
全てはルルロアとミルフィの二人がいなければできない事だった。
◇
戦い終えた直後。
ルルロアは、ミルフィを降ろして感謝した。
名残惜しそうな顔のミルフィも、その直後には照れ笑いを浮かべる。
「ミルフィさん。ありがとうございます。あなたのおかげで大成功。上手くいきましたよ」
「い。いえ。私はなにも・・」
「いやいや、そんな事はないです。オレの作戦が上手く言ったのも全部あなたのおかげですから!」
「え。そうですか。えへへへへ」
ルルロアは、自分の活躍のおかげだろ。
なんて野暮な事は絶対に言わない。
周りの協力があってこその成果だと、いつも思っているのだ。
そんな二人を遠巻きで見て、ガストは言う。
「おい。レオン。あれ、何とかならんのか」
「ガストさん。何とかって? なんですか?」
「もう少しあいつの手柄だとアピールした方がいいんじゃないか。あいつも特級にさせろよ」
「あ。その疑問ですか。俺たちにも無理ですよ」
レオンが諦めたように言った。
ガストの意見は、彼も通って来た道である。
「無理? お前らが必死に訴えればいいじゃないか」
「そんな事はね。最初からしてますって。俺たちだってルルこそが冒険者だと思ってますから」
レオンたちもルルロアを特級にしてくれと、冒険者ギルドに掛け合っている。
しかし、どこにも却下されているのだ。
「ええ、俺たちの最初の任務の時。あいつのおかげで異例の任務を達成しました。ガストさん、知ってます?」
「お前らの異例・・・・最初のか。ああ、あれだな。噂に聞いたBランクを複数突破した奴か」
「はい。あれはルルのおかげなんですよ。実はですね。あの後、ルルには内緒で俺たちも必死に掛け合ったんですけどね。駄目だって言われて。無職に対して飛ばした出世なんてありえないの。一点張りでしてね」
「ギルドめ。見る目がないな。やっぱ馬鹿だな」
戦闘知識。地形把握。スキル理解。全体管理。作戦の組み立て。実行力。味方をコントロールする力。無職以外、どれを取っても完璧なのがルルロアだ。
ルルロアこそ、冒険者のお手本のような男じゃないか。
ガストはそう思った。
「それに俺たちがルルの処遇に必死になればなるほど、あいつが嫌がるんですよ」
「嫌がる?」
「ええ。オレはお前らの影になるんだ。お前たちを絶対に最高峰へ連れていく。その為だと思ってくれ。オレの評価は無視してくれって。それにオレは他人からどう思われようがどうでもいいんだってね」
ルルロアは、仲間の為ならば自分がどうなろうが知ったこっちゃないとする傾向が強かった。
大事な親友たちと共に、前へ進むことだけで満足していたのだ。
「最高峰・・・・三大クエストか」
「らしいです。俺たちは望んじゃないないんですけどね。でもルルがやる気だから、俺たちもルルの為に頑張るんですよ。俺たちは、あいつに喜んでもらいたいっすからね」
何があってもレオンたちは、ルルロアが大好きなのだ。
だから、英雄たちはルルロアが嫌がる事をしないと決めている。
そして、大好きなルルロアが、自分たちの為に舞台を用意してくれるというのならば、そこに立ち続けるために努力することを固く誓っているわけなのだ。
ルルロアが動く理由が幼馴染たちであるように、彼らが動く原動力もまたルルロアであった。
「ふっ。お前、あいつが大好きなんだな。そんで、あいつもお前がか・・・」
レオンは恥ずかしがらずに答える。
「ええ。もちろん。俺も、いや俺たちですね・・・なあ。ミー。イー。エル」
そばに来た三人にもレオンは、分かり切った答えを促す。
「ああ」「・・・うむ」「はい。そうです」
三人もまた大好きなルルロアの為に頑張っていた。
「そうか。お前らは強くなるな・・・あいつを中心に・・・」
最後にガストは、英雄四人の笑顔を見た後に、照れ笑いのミルフィに畳みかけて感謝をしているルルロアを見て、微笑んでいた。
黄金騎士レオナルドVSマールヴァー騎士団ハルミナ。
白熱の戦いは、高速の戦場。
最初の斬り合いで、互いに十個の剣戟を繰り出していた。
「女性を斬るなんて、申し訳ないな。降参してくれませんか」
「なにを。この私を舐めていますね」
黄金騎士の男性の一声に怒りをあらわにしたハルミナは、上空へ飛び跳ねた。
空中へと駆け上る姿を見て・・・。
「竜騎士か・・・珍しい」
レオナルドは、天空へと昇る女性を見つめた。
足場を生み出して、空中の姿勢を維持する。
竜騎士独特のスタイルで、戦闘のタイミングを見計らう。
「落下の勢いを使う気か」
女性の目を見て、相手のしたい事を先読みした黄金騎士は、彼女が動く瞬間に動いた。
「なに!? 空中の私と同じ速度!?」
稲妻のようなジグザグの移動で、高速落下する竜騎士を捉える。
そして竜騎士ハルミナも負けじと攻撃を仕掛けた。
「竜旋風!」
竜騎士ハルミナは剣型。
珍しい武器選択をした彼女の必殺技は、内側に巻いてくる一撃。
外から巻き込む形で一閃を繰り広げる。
「素晴らしい一撃だ。これに勝つには、こっちの力を制限しなければ・・・」
黄金騎士の剣から、光が放たれる。
三色の眩い輝きで、竜旋風を迎え撃った。
剣と剣が、空中で衝突すると、武闘大会会場が光に包まれた。
太陽の光を見たような明るい光。
だからお客さんたちは目を瞑ってしまっていた。
次に目を開けた時には、黄金騎士が竜騎士をお姫様抱っこしていた。
唖然とする会場の人たちの中で一番早く声を出したのが司会者。
「あ・・あれ?」
しかし、決着の瞬間を見られずで、司会者の人間の思考が止まってしまった。
なので、会場アナウンスが。
「しょ・・勝者は、黄金騎士レオナルド選手です。皆さん、拍手を!」
代わりに伝えると。
『パチパチ……パチパチ』
戸惑っているから軽く鳴り響いた。
◇
「あれは……」
リング脇で戦いを見学していたオレは、先程の戦いに違和感を覚える。
黄金の鎧で、全身を覆っていて、顔も仮面を装着している。
だから、姿を隠したいのか。
隠したくないのか。
目立ちたいのか。
目立ちたくないのか。
黄金騎士は、よく分からない人間だ。
それに加えて、あの独特な移動方法。
動きの速さの中にある力の強さ。
あの強烈な強さを持っている人物。
あれは、オレの知り合いに一人だけいるぞ。
・・・・。
まあ、戦ってみればわかるだろう。
とオレが悩んでいると背後に人の気配がした。
「え? だ、誰だ」
振り向くと懐かしい人だった。
一瞬だけ姿を現して姿を隠す。
だから、この場には声だけがする。
「よ。ルル坊」
「な、なんで。こんな所に? なぜガストさんが!? え、選手じゃないですよね」
「ああ。あたいは、ちょうどさ。仕事終わりでさ。お前の顔があったから、会いに来たわ」
「仕事終わり?」
「ああ。護衛任務だ。結構羽振りの良い感じの人でさ。儲けた儲けた!」
「かなり高額だったんですね」
「まあな。なんでも新事業の開拓をしているから、既存の人たちに狙われるってさ」
「へえ。危ないんですね。その仕事」
「ああ。でもこれが上手くいけば人の生活がより良くなるらしいぜ。この後、仕事の再延長でジーバードに帰るところだ」
「へえ。続けて仕事ですか。珍しいタイプの仕事だ」
暗殺任務とか、裏ギルド討伐任務とかじゃないものも受け付けていたのか。
ガストさんの声が弾んでいた。
「そんで、お前なんでここに一人でいるんだ? ファミリーはどうした?」
「それは、残念な事に、今はこうなってて」
全部を説明すると。
「そうか・・・あいつら、お前が引き下がったのをよく許可したな。歯食いしばって追放したな。そいつはな」
ガストさんは、オレがファミリーを離れる事が出来た事に驚いていた。
「歯ですか?」
「ああ。そうよ。あいつらにとってのお前……。あいつらの思いを知ってるあたいとしてはな。お前を手放すなんてありえねえんだわな」
「思い?」
「そうだ。あいつらにとってのお前。信じきってるからな。もはや神だろな」
「神? まさか。ただの友人ですよ。親友ですよ」
「違うな。あれはさ・・・」
◇
ハイスロ山最終決戦。
ルルロアが人質救出した後。
ガストたちが敵の前に立って動きを封鎖していた時。
「ガストさん、まだまだ待機するつもりですか?」
レオンが聞いて、すぐにガストも答える。
正直聞いているレオンも、ガストもシビレを切らしていたらしい。
それにこの女性も性格上待ち続ける人じゃない。
「いくか・・・あたいもとうに我慢の限界も通り過ぎているからな。ぶっ潰すか」
「うっしゃあ。うちがあの門をぶっ壊しますよ」
「おらも」
ミヒャルとイージスがやる気になり。
「え。でも、人質が中にいるんじゃ・・・」
不安そうなエルミナが中の心配をすると、ここにミルフィをおんぶしていたルルロアがやって来た。
「ちょっと待った。それはもう少し後でお願いします」
「「「「ルル!」」」」
四人の英雄が嬉しそうに名前を呼ぶと。
「ルル坊。来たか。終わったんだな」
ガストも待ちに待っていた有難い知らせをもらえて、喜ぶ。
「はい。助け出しました。人質の皆さんは入口の方に向かっているはずです。それで今から、ミルフィさんとオレで、戦場を荒らします」
「ふえ? わ、わたし??」
ルルロアの背中にいるミルフィが、まさか自分が作戦の中心になるとは思わずで驚いた。
「ほう。なんか策があるのか」
「ええ。あいつの指揮。あのバフを解除します」
ルルロアも下位バージョンであるが、指揮を持っている。
だから仕組みを理解していた。
「指揮は音で行なわれます。声による指揮が基本のはずですからね。黙って勝手に指揮が発動するなんてありえません」
声掛けによって発動するスキルならば。
ルルロアは仕組みを利用して作戦を組み立てていた。
「そこで音を乱すことが出来るミルフィさんが重要で、オレが彼女を守りながら、あそこに突撃して勝負に出ます。ですから、遠距離からで、攻撃を始めないで、全体で突撃をして押し上げましょう。中に一般人はいないと思いますが、一人一人確認して倒すことが可能になります」
「たしかにな。突撃の方がいいけどな」
「それにこの作戦が決まれば、弱体化。いいえ。敵のレベルを通常にまで落とせます」
「なるほどな。こいつをそういう使い方をするのか・・・」
索敵以外の使い方をするなんて、大胆な策だとガストは唸った。
「ルル。それでいけるのか。お前」
「レオ。任してくれ」
ミヒャルが続く。
「ルル。無理だろ。どうやって音を聞かせるんだ」
「だから任せろって、いいか。奴らの上空で、オレの音爆弾を爆破させる。意味のない攻撃の直後に、オレが一気に駆け抜けて、ミルフィさんの音を聞かせてやるのさ」
「それでも無理だろ。相手の指揮が入るじゃん」
「いいや、相手の耳を壊してから、次に聞く音がミルフィさんの声だけにするんだ。だから大丈夫。相手の指揮の声に反応させないわけよ。それで敵を叩くのさ。お前ら、準備しとけよ」
ルルロアがにっこりと笑う。
「希望の星の連携を敵に見せつけてやろうぜ」
「ルルに言われたらしょうがない・・・おらはやる。最初から信じてる」
「ええ。イージスの言う通りです。私もやります」
イージスとエルミナの二人が承諾した。
「エル。プロテクトウォール全開でいけるか。皆の突進って、相手からだと、もろ見えになるからさ。最初の一撃だけ、お前の魔法で防いでほしいんだ。そしたら敵は動揺すっからさ。二重動揺を誘おうと思う」
「わかりました。やってみます」
「頼んだ」
ルルロアは自分の最初の作戦で第一段階の動揺を。
次のエルミナの魔法で、第二段階の動揺を誘うつもりだった。
敵の強さを剥いで、敵の動きを極端に悪くする。
実に厭らしい作戦を思いついたルルロア。
この戦いで、グンナーの弟子であることを証明したのだ。
◇
「いきます!」
「「「おおおおおおおおおお」」」
ルルロアの号令で、全体が勢いづくのに、突撃するのはルルロアのみ。
全速力での移動から、赤の庭園壊滅戦が始まった。
「ミルフィさん。タイミングは言いますので、しっかり掴まっててください」
「・・・はいぃ・・・速いぃ」
ルルロアが走ると、風が強すぎて、ミルフィはのけ反っていた。
声を出せるかなと心配になる。
「いくぜ。遠投!」
得意の爆弾遠投から、攻撃が始まった。
敵方は当初、ルルロアが投げた爆弾を光爆弾と勘違いした。
閃光してから爆発が連鎖する物だと思ったのだ。
しかし、これはただの眩い光なだけであり、意味のない光。
本当の狙いは、音を消すこと。
リセットする事に意味があった。
光の後に爆裂な音が鳴り、敵方の耳を一度壊す。
一瞬の静寂が訪れた後。
ルルロアが叫んだ。
「いまだ。ミルフィさん!」
「はい! 音球! らら~ら~~ららら~」
鼻歌の音色に合わせて、敵の指揮の妨害が始まる。
「やれ、野郎ども。あいつらを!」
敵リーダーの叫び声。
しかし、それをかき消すのがミルフィのボイスだ。
彼女の音が先に鳴っているから、敵リーダーの声が洞窟内に響かない。
「まだまだミルフィさん鳴らし続けて」
ルルロアの背中にいるミルフィは、彼には見えていないのに頷いていた。
返事を返せないので、体で表現していたのだ。
「ここだ。第二信号と共にオレたちもあの中に入ります。ほいさっと!」
ルルロアが第二信号の光を打ち上げる。
それと同時に、城壁のような壁をルルロアは登っていった。
普通に走って壁上りできるのは、あのスキルのおかげである。
登山家の亜種クライマー。
普通の人間はピッケルなどを使って登るのだが、クライマーは足にその能力を着けることが出来る。
足が、ピッケルと同じ力を得られるから、そのまま走って壁を登ることが出来る。
かなり特殊なスキルなのだ。
用途は戦闘ではないけども、ここではルルロアが応用して戦闘に利用していた。
ディディの指導を得られて、技を上手く使う事になるわけだが、実はこの頃からルルロアは工夫をしている人物だった。
その基礎があったのだ。
「突入だ。おらよっと!」
城壁の上部に登場したルルロアがここから暴れる。
仲間たちの突撃を支援する形を取るために、城門を開ける装置に迫る。
「奴を消せ。それとその女が俺たちの邪魔をしているぞ。歌わせるな!」
指揮が入らずに、士気が上がらない。
実力差を補うのに、英雄職のバフに頼っていたので、赤の庭園の面子は慌てていた。
「気付くのが遅いんだよ。オレの親友たちを舐めんなよ」
敵地のど真ん中で親友を自慢するルルロア。
侮辱も込みの笑顔であった。
「なに?」
ここで、ルルロアに気を取られていた敵たちは、英雄たちの突進に遅れて気付いた。
「「「おおおおおおおおおおおおおお」」」
雄叫びと共に圧力のある前進である。
「く、魔法だ。対抗しろ。とりあえず奴らを足止めしろ。その間にこいつを殺せば!」
敵のリーダーは的確に指示を出したが、ルルロアはここで、まさかの行動に出た。
「ほんじゃね。お前の相手はあっちだから」
ルルロアが、城壁の上を走り回る。
ミルフィの声を敵の耳に直接叩きつけるためだった。
「くそ。奴らも止めろ。あっちも止めろ・・・や、奴だ・・・あっちだ!」
どっちを止めればいいのか。
敵は大混乱。
それで止めろと言われて、悩むくらいならばと、赤の庭園の面子は、攻撃を当てられそうなガストたちに向けて仕掛けた。
数があるから、どこかに攻撃を出せば当たるはず。
それに対して、ルルロアに魔法攻撃などを仕掛けると同士討ちになりそうだった。
彼が敵陣をすり抜けるように移動しているためだ。
「ファイア・・・」
「サンダー・・・」
「アイス・・・・」
と様々な魔法が展開されていくが。
ここで、冒険者集団の後方にいるエルミナが詠唱した。
「プロテクトウォール」
味方の前に魔法の壁を設置
攻撃を全てシャットダウンして、突撃の手助けをした。
完璧な防御魔法の直後、突撃集団の中盤にいるミヒャルが魔法を出す。
「ウインド!」
壁の近くに風の渦を作る。
「足場は作った。皆、飛んでくれ」
大量に出した風魔法でも、その微調整が上手く、皆がそこを利用して次々と城壁の上に乗り込んだ。
ここからが圧勝劇。
ガスト。レオン。イージス。
この三名が最初に斬り込んで、そこから冒険者らが突撃を仕掛ける。
赤の庭園の面子は、無残に散るしかなかった。
相手の大将も瞬殺だったのは、自身がバリバリに強くなる職じゃなかったから。
暗殺王。勇者。仙人。
三人同時には相手をすることは出来なかったのだ。
しかし、この状況を作り出したのは、この三人のおかげじゃない。
全てはルルロアとミルフィの二人がいなければできない事だった。
◇
戦い終えた直後。
ルルロアは、ミルフィを降ろして感謝した。
名残惜しそうな顔のミルフィも、その直後には照れ笑いを浮かべる。
「ミルフィさん。ありがとうございます。あなたのおかげで大成功。上手くいきましたよ」
「い。いえ。私はなにも・・」
「いやいや、そんな事はないです。オレの作戦が上手く言ったのも全部あなたのおかげですから!」
「え。そうですか。えへへへへ」
ルルロアは、自分の活躍のおかげだろ。
なんて野暮な事は絶対に言わない。
周りの協力があってこその成果だと、いつも思っているのだ。
そんな二人を遠巻きで見て、ガストは言う。
「おい。レオン。あれ、何とかならんのか」
「ガストさん。何とかって? なんですか?」
「もう少しあいつの手柄だとアピールした方がいいんじゃないか。あいつも特級にさせろよ」
「あ。その疑問ですか。俺たちにも無理ですよ」
レオンが諦めたように言った。
ガストの意見は、彼も通って来た道である。
「無理? お前らが必死に訴えればいいじゃないか」
「そんな事はね。最初からしてますって。俺たちだってルルこそが冒険者だと思ってますから」
レオンたちもルルロアを特級にしてくれと、冒険者ギルドに掛け合っている。
しかし、どこにも却下されているのだ。
「ええ、俺たちの最初の任務の時。あいつのおかげで異例の任務を達成しました。ガストさん、知ってます?」
「お前らの異例・・・・最初のか。ああ、あれだな。噂に聞いたBランクを複数突破した奴か」
「はい。あれはルルのおかげなんですよ。実はですね。あの後、ルルには内緒で俺たちも必死に掛け合ったんですけどね。駄目だって言われて。無職に対して飛ばした出世なんてありえないの。一点張りでしてね」
「ギルドめ。見る目がないな。やっぱ馬鹿だな」
戦闘知識。地形把握。スキル理解。全体管理。作戦の組み立て。実行力。味方をコントロールする力。無職以外、どれを取っても完璧なのがルルロアだ。
ルルロアこそ、冒険者のお手本のような男じゃないか。
ガストはそう思った。
「それに俺たちがルルの処遇に必死になればなるほど、あいつが嫌がるんですよ」
「嫌がる?」
「ええ。オレはお前らの影になるんだ。お前たちを絶対に最高峰へ連れていく。その為だと思ってくれ。オレの評価は無視してくれって。それにオレは他人からどう思われようがどうでもいいんだってね」
ルルロアは、仲間の為ならば自分がどうなろうが知ったこっちゃないとする傾向が強かった。
大事な親友たちと共に、前へ進むことだけで満足していたのだ。
「最高峰・・・・三大クエストか」
「らしいです。俺たちは望んじゃないないんですけどね。でもルルがやる気だから、俺たちもルルの為に頑張るんですよ。俺たちは、あいつに喜んでもらいたいっすからね」
何があってもレオンたちは、ルルロアが大好きなのだ。
だから、英雄たちはルルロアが嫌がる事をしないと決めている。
そして、大好きなルルロアが、自分たちの為に舞台を用意してくれるというのならば、そこに立ち続けるために努力することを固く誓っているわけなのだ。
ルルロアが動く理由が幼馴染たちであるように、彼らが動く原動力もまたルルロアであった。
「ふっ。お前、あいつが大好きなんだな。そんで、あいつもお前がか・・・」
レオンは恥ずかしがらずに答える。
「ええ。もちろん。俺も、いや俺たちですね・・・なあ。ミー。イー。エル」
そばに来た三人にもレオンは、分かり切った答えを促す。
「ああ」「・・・うむ」「はい。そうです」
三人もまた大好きなルルロアの為に頑張っていた。
「そうか。お前らは強くなるな・・・あいつを中心に・・・」
最後にガストは、英雄四人の笑顔を見た後に、照れ笑いのミルフィに畳みかけて感謝をしているルルロアを見て、微笑んでいた。
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